AIによるカスタマイズフィットが特徴の次世代ソール「SennoFit」
靴とは一言で言ってもそのパーツごとで様々な役割を果たすのだが、履いている人のパフォーマンスを左右すると言われているのがインソール、いわゆる中敷きである。靴は外側部分に注目してしまうものの、このインソールの部分を自分の足に合わせて取り替えることで、いつも履いていて苦しいと感じていた靴が驚きの履きやすさに生まれ変わることもあるものだ。
そんなインソールにAIのカスタマイズ機能が備わった「SennoFit」は、従来のインソールとは一線を画す履き心地を利用者に与えてくれる。
スマートフォンで正しいソールを見つけよう
SennoFitはスマートフォン向けアプリケーションと連動して使用する。ユーザーの歩き方や走り方、立ち方の癖などを自動的にデジタルデータとして足や身体の動かし方を収集・分析し、複雑なAIのアルゴリズムに照らし合わせることで、100万通りものデータベースから最適なインソールを提案してくれるというものだ。正しい歩き方、健康的な歩き方を心がけ、それをサポートしてくれるアイテムの存在は現代人には大切である。自分の体に負担の大きい歩き方や脚の使い方をしていた場合、姿勢のゆがみや関節痛などにつながり、慢性的な腰痛や肩こり、疲労感の原因にもなってしまう。
そのためシューズメーカー、特にスニーカーを製造するスポーツメーカーは、インソールの開発にも積極的に取り組んできた。少しでも多くの人にとって疲れにくいインソールやシューズを追求してきたものだが、やはり足の形や使い方は千差万別であるため、メーカーの意向やターゲットに偏った製品が流通するものだ。
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一方、SennoFitはAIによる完全な個人に最適化されたインソールの提供を行うために開発されたプロダクトである。これまでは細かい調査やカウンセリングを重ねてオーダーメイドを行わなければいけなかったものの、AIによって高速かつ自動でオーダーメイドのインソールを手に入れることが可能となったのだ。
SennoFitによる計測に専用の機械は必要なく、スマートフォンのカメラを使用して行うことができる。アプリを起動して指示に従い、ビデオカメラ機能を使用することで、ユーザーの脚の形やくせ、大きさなどを自動的に測定してくれる。身体の形だけでなく、その姿勢や歩き方なども記録されるので、スマホ一台でその人が必要とするソールを作るのに十分なデータを計測することが可能だ。
AIと人間の専門家による正確なデータ測定
SennoFitは記録した映像から3万点にものぼるデータを収集し、20を超えるメトリックをユーザーに合ったソール提供のために生成される。ここで生成された3Dデータは、分析データから想定される脚の歪みなども再現される。改めて自分がどのような歩き方をしているかも客観的に把握することができるだろう。解析された自分の歩き方に関するデータは、改めてバイオメトリックの専門家の元へ送られる。AIによって自動生成されたデータをスペシャリストがさらに解析することで、より個人に最適化されたインソールを生み出すことにつながるのだ。
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まとまったデータが生成されれば、専門の足病医がオリジナルのインソール開発にかかり、自分だけのインソールを手にいれることができるという流れになっている。プロセスとしては少し長く見えるかもしれないが、実際にユーザーが行うのはSennoFitをダウンロードしたスマートフォンで自分を撮影し、購入手続きをガイダンスに従って行うだけであるため、特に使用にあたってトラブルに遭うこともないだろう。
現在SinnofitはiOSにのみ対応したアプリケーションとなっているが、Androidに対応するアプリケーション開発も進行中である。そのため利用はiPhoneかiPadに今の所限定されているため、AndroidユーザーがSinnoFitを利用するにはもう少し時間を必要とするようだ。
今日では、およそ80%もの人々が正しく歩けていないというデータも存在する。ロボットが自然に歩けるようになるまで多くの歳月を要しているように、人間の二足歩行というのはとてもデリケートな運動であるため、正しい歩行ができるよう身の回りを整えることは、多くの恩恵を私たちにもたらしてくれるはずだ。
SinnoFitは現在Kickstarterで出資者を募集しており、39ドルでアプリとソールを一式購入することができる。