次世代の聴診器はスマートデザインで「Stemoscope」

医者や病院のイメージを頭に浮かべるとき、最も分かりやすいのは聴診器の存在だろう。普段お世話になることも多い内科医が首からぶら下げている器具だが、実際のところ聴診は身体の健康状態を確認する上では重要な役割を果たす。

例えば心音の測定は正常なリズムで鼓動しているかどうかを測り、心筋が正常に働いているかどうかを確認することができる。たとえ外見からは体の健康を確認できずとも、身体が発する音を頼りにして、健康状態を把握することができるのだ。

そして身体が発している音は、わざわざ病院へ行かずともスマートデバイスを活用することによって自ら確認することもできるようになった。「Stemoscope」は自分の身体から発されている音を自分で聴くことを可能にするデバイスで、これまで体験したことのなかったヘルスチェックを家庭でも行えるようになる。

従来の聴診器よりもシンプルなデザイン

聴診器といえば首かけ型のタイプが一般的で、あれ以外の形状のモデルを見たことがないという人も多いはずだ。しかしながら、Stemoscopeはまずその形状が手のひらサイズで、大きさはコインほどしかない。

そして使用方法がワイヤレスであるという点が特徴的で、Stemoscope本体によって音を検知し、Bluetooth接続によりスマートフォンへ検知した音を送信するという仕組みを採用している。そしてスマートフォンへ接続しているイヤホンやヘッドホンから、Stemoscopeの検知した音を聴取することが可能だ。

次世代の聴診器はスマートデザインで「Stemoscope」

接続するイヤホンはワイヤレスでも、ケーブル型でも問題ない。新しく専用のものを用意する必要がないため、いつものイヤホンで体験することができるはずだ。

従来の聴診器のように首へかける必要もなければ、使わずに収納しておく際も空いているスペースへ放り込んでおくとができるため、未使用時に煩わしい思いをすることもないだろう。

スマホアプリの活用でより豊かな聴取体験を

Stemoscopeはスマートフォン専用のアプリケーションと連動して動作し、アプリはiOSとAndroid向けにリリースされる。スマホ上では聴こえている音がどこから出ているのかをビジュアルで確認することができ、人体のイラストと合わせて分かりやすく理解することができるだろう。
サウンドデータそのものも波形にしてビジュアライズされるため、自分の耳では判別できなくとも波形の形を見ることで音のパターンやリズムを確認することが可能だ。複数のパターンを見比べてみることで、比較を行うことも教務部会データを得る参考になるだろう。

そしてStemoscopeが収集した音はリアルタイムでの聴取だけでなく、スマートフォンに録音して後から聞くこともできる。録音データは複数保管しておくこともできるため、他の人の心音などと聞き比べることができたり、インターネットへアップロードすることもできる。もちろん家で録音しておいたデータを、本職の医者に聴かせて判断させるために保存しておくという使い方も有効だ。

Stemoscopeは聴診器だが、その使用方法は多岐にわたる。例えば赤ちゃんを寝かしつけるために母親の心音を録音し、それを聞かせてやることでリラックスを促す方法は、科学的にも効果的という調査結果が出ている。

あるいは人間の心音ではなく犬や猫の心音を録音し、人間のものと比較するといった使い方も、知的好奇心を満たす結果をもたらしてくれそうだ。

心音以外にも、人間を含めた動物には様々な身体の音が内包されている。肺が呼吸するときの音や筋肉、関節音、お腹の中、身体中を血が巡る音など、様々である。

あるいは人や動物以外の鼓動、例えば木の脈動する音に耳をすますこともできる。植物もまた生き物である以上、独自のリズムを体内に備えており、Stemoscopeであればそれも聴取することができる。

このような生命のリズムを実際に目や耳で聴取できるStemoscopeは、STEM教育の促進にも役に立つことだろう。学びが感覚的に行えるだけでなく、自分なりの新たな発見や、楽しみ方を見つけるためのきっかけにもつながるため、Stemoscopeが良い機会となることは間違いない。

次世代の聴診器はスマートデザインで「Stemoscope」

Stemoscopeは現在Kickstarterで注文を受け付けており、一台当たり29ドル以上の出資で購入することができる。別売りの製品としてはストラップやケースもそれぞれ用意されており、各5ドルで購入が可能だ。

発送は世界各国に対応しており、日本からの注文も可能である。