ロボティクス学習者向け開発キット「MIND KIT」
ロボット技術が身近になったとはいえ、ロボティクスそのものへの学びを深めたいと考える人は未だ多いとは言えない。新しいテクノロジーへの理解を妨げるのは、主に学習カリキュラムが定着していなかったり、どのようにして学びを始めれば良いかが共有されておらず、それを教えてくれる人や場所も少ないことが挙げられる。
特に日本では学校教育における新しいテクノロジーの導入は遅れがちなため、ロボットの学習を進めるには自発的に学習を始めることが求められる。幸いにも現代では様々な自主学習用キットがインターネットを通じて販売されているため、自分のスキルにあったキットを自由に選びながら、好きなペースで学びを深めていくことができる。
「MIND KIT」もまたそのようなロボティクスを学ぶためのデベロッパーキットの一つで、次世代の巨大なプラットフォームを支えるロボットについて基礎レベルから発展レベルまでのスキルをこれ一つで養うことが可能となりそうだ。
初心者にすすめたい開発キット
MIND KITはロボットについての学びを深めるのには最も簡単で、かつ素早く吸収することのできるツールとなっている。キットにはロボティクスに特化したシングルボードコンピューターと、ロボットのプログラミングに最適化されたソフトウェアシステムを搭載しており、MIND KITのコミュニティフォーラムでは自分以外のユーザーからコーディングに関するアドバイスを受けたり、ヘルプを求めているユーザーの手助けを行うこともできる。
初心者向けのチュートリアルでは基本的な操作方法を学ぶことができ、他のユーザーからアドバイスを受けるほどではないものの、確認しておきたい知識についてはここを参照にすることができるだろう。MIND KITSはロボティクスを学ぶのに必要なツールが全て含まれているので、キットが届いたその日から学習を始めることができるだろう。
ロボットと聞いてイメージするものは、人によって様々である。自走するアーム付きのロボットであったり、ラジコン自動車のようなタイプであったりなどその機能も目的も異なる。MIND KITからは一つのキットであらゆるイマジネーションに沿ったロボットを生み出すことができ、複雑な開発プロセスを踏む必要もない。
あるいはこれまでに想像もしなかった、クリエイティビティ溢れる一台を生み出すことも夢ではないだろう。
従来のデベロッパーキットと異なるのは、MIND KITが自由にロボットを自らの手で生み出すことにフォーカスしたキットであり、何らかの役割を持っている既成のロボットを生み出すことを目標としていない点である。
MIND KITはイメージを実際に形にする手伝いをユーザーに与えるだけで、無理に作りたくもないロボットを作らせるようなことはない。創造力を下支えしてくれる、魅力的な一台となるだろう。
イマジネーションを鍛えるきっかけにも
ロボットへの想像力は無限大だ。例えば楽器を演奏するためのロボットといった娯楽目的から、ダイニングテーブルの上の塩と胡椒を必要な時にボイスコントロールでとってくれるようなものまで、アイデア次第で様々なロボットが考えられる。
ロボットの仕組みを作りながら覚えることはもちろん重要だが、それにも増してロボットに対して創造力を発揮し、楽しむことは継続して学びを行う上で必要なモチベーションとなってくれるはずだ。
MIND KITを開発したのはVincrossという企業で、ロボットに対する強い期待を抱くプロダクト開発を行っている。巨大なプラットフォームとなる可能性を秘めたロボット時代に対応できるよう、Vincrossではソフトウェア・ハードウェアの両方に注目し、自社製品のみでエコシステムを構築できるよう開発が進められてきた。
これまで生み出されてきたプロダクトとしては、例えば六脚ロボットの「HEXA」が挙げられる。Kickstareter上で出資者を募り、高品質なロボットを迅速に配送した実績は高く評価され、今回のMIND KITのような次の製品の開発にもつながった。
VincrossはGGV CapitalやLenovo、Zhen Fundといった企業から出資を受けて運営がなされており、これまでもCNETやWired、Forbesなどから取り上げられてきた気鋭の企業である。
クラウドファンディングは出資先の信頼性によって資金調達の出来が変わるということもあるものだが、Vincrossは信頼の面では非常に強力な出資先と言えるだろう。
MIND KITは現在KIckstarterで出資者を募っており、99ドル以上の出資でスターターキットを一台購入することができる。発送は世界各国に行なっているため、日本からの注文も可能だ。