自然言語処理であらゆる操作が可能に「GIO-1」
しかしながら、私たちがコンピューターとコミュニケーションを行う場合には自然言語ではなく、プログラミング言語のようなコンピュータ言語、人工言語を用いることが主流となっている。そのため、コンピューターに対して私たちが自然言語を用いて指示を送ったりということは本来はできない作りになっており、コンピューターを最も効果的に扱うにはプログラミング言語を用いることが最適であるとされてきた。
ただ、今日では人工知能の発達により自然言語処理能力や音声認識能力が向上し、人に話しかけるようにしながらコンピューターを操作することも身近になりつつある。プログラミング言語を扱えなくとも、自然言語のみでコンピューターとコミュニケーションができる世界は訪れつつあると言えるだろう。
「GIO-1」もまた自然言語入力によるデータ処理を促してくれるデバイスの一つで、開発作業の負担を大きく軽減してくれるかもしれないアイテムだ。
開発者を悩ませるタスクを効率化する自然言語処理
デベロッパーがプロトタイプの開発を行っている時やデベロップボードを取り扱いながらプロジェクトに取り組んでいる際、彼らが気にかけているのは電圧レベルが正常かどうかや、コネクションは正しく行われているか、はんだ付けは上手くいっているかなどといった注意事項である。
GIO-1はあらゆる論理レベルにおいて動作させることのできるデバイスで、デジタルIO、アナログIOを問わず活躍することができる。自分が接続したいと考えるその他の機器にも問題なくつなぐことができ、そのまま正常に動作するかを確認することが可能だ。
そしてGIO-1はこういった接続状態の中で、自然言語を使った確認作業を行えるのが大きなポイントとなっている。「電圧を3.5Vに固定」といった形式で自然言語をまるでプログラミング言語のように扱うことが可能となっているため、通常のプログラミング言語を用いた入力作業よりもはるかに効率的でストレスの少ない作業環境を実現することができる。
自然言語処理の発展はエンジニアリングにおいて大きな進歩をもたらしてくれる可能性を秘めている。まず第一に、自然言語によってコンピューターを扱えるようになることで、プログラミング言語を新たに習得する必要がなる点だ。
エンジニア不足の原因とも考えられるプログラミング言語
現代は深刻なエンジニア不足と言われているが、その原因の多くはエンジニアリングに必要なプログラミングスキルの習得が難易度の高いものであるとされているためだ。そしてプログラミングの難易度を高めているのも、コンピュータ言語を一から学ばなければいけないという理由が大きく、自然言語とは勝手が違う言語の取得は足かせとなっていると考えられる。
GIO-1は、シンプルな英文を入力することでコマンドを送ることができる環境を実現してくれる。GIO-1をUSBポートに接続し、ターミナルを展開すればすぐにそのまま使用することができ、あとはタイピングを行うだけだ。GIO-1は英語に対応したコマンド入力を可能にするため、エンジニアは簡単な英語力さえあれば誰でも入力を行うことができる。英語は自然言語の中でも最も学習が簡単な言語とされており、文法もシンプルなためコンピューターにとっても自然言語処理を行いやすい。
世界に通用するエンジニアになるためにはプログラミング言語と英語を学ばなければならないと言われてきたが、自然言語処理が発達すれば英語を使えるようになるだけでエンジニアリングにも応用できる時代が到来することだろう。GIO-1の自然言語処理機能は独自のテクノロジーで、高い精度を誇っている。機能の詳細については公式サイトからも閲覧することが可能だ。
また、javascriptベースで開発された言語処理シミュレーターもGIO-1に出資した支援者向けに公開されており、オンライン上でその使用感を体験しつつ、フィードバックを送ることができる。GIO-1を購入するほどではないにしても、自然言語によるプログラミングを体験してみたいという人はこちらを利用すると良いだろう。
GIO-1は現在Kickstarterで出資者を募っており、デバイス本体は189ドル以上の出資で購入することができる。
発送は世界各国に対応しており、日本からの注文も可能だ。