簡単なデバイスでスマートな水耕栽培を実現「EGROWR」
スマートフォンやスマートスピーカー、スマート冷蔵庫など、家電のスマート化は現代のライフスタイルのスタンダードとして徐々に定着しつつある。そしてスマート化の波は今や造園や農耕にも訪れており、植物の育成を手助けする働きを持ったデバイスも少なくない。
植物は種類にもよるが、思ったように育てるのは難しい。特に農作物のように、収穫の時期にきちんと実をつけてもらい、食べられるよう栽培するためには、ある程度のスキルと知識を問われてくる職人の技が必要となることもある。
熟練のプロフェッショナルでも時には育成に育ててしまうこともあるため、食べられる野菜などを初心者が育てる場合には、上手く育たない可能性も考慮しなければならないものだが、「EGROWR」はそんな植物の育成、特に水耕栽培のサポートをスマート化によって支えてくれる頼もしいツールだ。
水耕栽培に欠かせない環境の維持をサポート
水耕栽培を行う上で大きなポイントとなるのは、天候の管理、光量、そして栄養のバランスをきちんと管理することである。いずれの要素も多すぎず、少なすぎず、そして植物の状態に応じて臨機応変に与える量を変えてやる必要があり、その見極めは目視だと困難を極める。
しかしながらそれぞれの要素を数値化して、誰でも数字を見るだけで植物の状態を判断できるようになれば、経験の浅い初心者でもプロフェッショナルと同等の判断を下すことができるようになるはずだ。EGROWRはそのような水耕栽培に関わるあらゆるデータを数値化し、植物の管理をより行いやすくしてくれるプロダクトとなっている。
これまでも産業として水耕栽培を行う場合、デジタル計測による効果的な植物の管理は行われてきたものの、ネックとなっていたのが大掛かりなシステムであるという点だ。計測器のほとんどは一度に大量の水耕栽培を行うケースを想定しているため、家庭菜園ほどの規模での運用には適していないということも珍しくなかった。
EGROWRはまず家庭用での使用を想定し、デバイスそのものが非常に小型に作られている点が特徴的だ。デバイスの小型化に成功したのはスマートフォンとの連携を前提とした運用を想定しているためで、手持ちのスマホに専用のアプリケーションをダウンロードすることでEGROWRを管理することができる。デバイスとの接続は簡単で、ローカル接続による管理だけでなく、外出時にはクラウドサーバからEGROWRを管理することも可能だ。
スマートフォンから自在に管理が可能に
EGROWRから得られる情報は多岐にわたる。気温や湿度といった基本的な情報はもちろんのこと、phや水温、光量といった繊細な環境情報も数値で確認することができるため、水耕栽培に慣れていない人でも簡単に栽培を行うことが可能だ。
またリアルタイムでの数値測定だけでなく、過去のデータをグラフ化して、環境がどれくらい変化しているかを確認することも可能だ。グラフは過去三ヶ月の日・週・月の三種類から確認することができ、状況に応じて必要なものを閲覧することができる。生育環境と実際の植物の状態を比較することは重要で、季節によっても適切な環境は変化してくる。過去のデータを閲覧できる機能は常に最適な状態を維持するのに役立ってくれるだろう。
EGROWRはアラート通知をスマホに送ってくれる機能も搭載している。気温の急な上昇や感想など、生育環境に何らかの変化があった場合はEGROWRがすぐに察知し、早急なケアをサポートしてくれる。
湿度の変化のように、一見するとわかりにくい環境の変化は対応が遅れがちになってしまうだけでなく、育成している植物に大きなダメージを与えてしまうことも少なくない。視覚的には判断しづらいアクシデントもEGROWRによって対応を急ぐことが可能だ。
また、EGROWRは複数台の管理も一台のスマートフォンで行うことができる。例えば植物の種類によって異なる環境を用意する必要があるとき、複数台のEGROWRで別々の環境を管理する必要もあるものだが、一台のスマートフォンでそれぞれを操作することができるため、その手間は大きく削減することができるだろう。最大で10台のEGROWRを取り扱うことが可能だ。
EGROWRは現在Kickstarterで出資者を募っており、スターターキットを1万5千円程度で購入することが可能だ。
ヨーロッパの製品であるが日本からの注文も可能なため、日本での水耕栽培にも活用できるだろう。