東京発のコンパクトな空気清浄機「Ionizo」
身体の健康をケガや病気から身を守るためには、まず生活環境を改善していく努力が必要となるが、多くの経済発展著しい国において注目されるのは空気の問題だ。
空気は私たちが生きていくためにはなくてはならない存在だが、自動車の排ガスや自然環境の変化、工場から排出する煙などによって有害な物質が多く含まれており、地域によっては深刻な健康被害をもたらしている。
そのような被害を少しでも抑えるためには空気清浄機を常に身の回りに設置しておき、清潔な空気で呼吸することが重要になるのだが、東京と香港の開発チームが開発したのは設置型の空気清浄機ではなく、キーホルダーサイズで誰にでも気軽に持ち歩けるコンパクトなタイプのプロダクトだ。
世界中に蔓延する空気汚染の問題
世界保健機関の発表によると、世界人口の約9割はWHOが設けている基準を超える汚染度の空気を吸いながら生活しているという。そしてそのうちの三分の一にあたる人々は肺がんや喘息、あるいは心疾患によって亡くなり、これらは空気汚染に端を発する病気であるため、深刻な健康被害をもたらしていると言える。
この死亡者数は年間420万人に当たるとされ、もはや一国の問題では無く、地球規模で公害の問題を解決しなければならない事態といえるだろう。
そして先進国である日本においてもまた、空気に関する問題は深刻であるといえる。中国から風に乗って運ばれてくるPM2.5や黄砂による公害もそうだが、以前にも増して重要度が高まっているのが花粉症だ。
花粉症は杉などの花粉が春先に都市部へ運ばれ、空気中で排ガスやほこりなどと混ざり合うことで人体にアレルギー反応を起こし、くしゃみや咳などの症状を引き起こす厄介な病気だが、重傷を引き起こすケースが年々増加傾向にあり、海外からの訪日客にも健康被害を及ぼすほどになっていることから、深刻な公害の問題であるともいえる。
花粉症は日本独特の公害問題でもあるため個人でできることには限りもあるが、せめて自分の生活圏内の空気だけでも浄化することで症状を緩和しておきたいものだ。
「Ionizo」はそんなパーソナルスペースの空気清浄に大きな役割を果たすコンパクトな機器となっている。イオンを活用した清浄システムは手のひらに収まるほど小型で、重量は100グラムにも満たない。そして単に空気を浄化するだけでなく、自動的に周囲の空気の状態を検知し、ケースに応じた適切な方法で空気清浄を行なってくれる。
イオンで有害物質を中和するIonizoの仕組み
Ionizoはまず独自に搭載しているトラッカーを用いて周囲の状態を把握するところから始める。空気中にはどれくらいのほこりやウィルス、花粉などが含まれているかを分析して、その量に応じた適切な量のイオンを本体から散布する。そして放出したイオンに寄って周囲の有害物質が身体に悪影響を与えないように中和し、清潔な空気環境を実現するという仕組みだ。
また一般的な設置型の空気清浄機とは違い、フィルターなどの掃除や取り替えを行う必要がないのも特徴の一つである。これまでのフィルターはほこりなどが詰まってくるとパフォーマンスにも影響が及び、定期的に掃除をするか、フィルターを買い換えなければ思うように動作してくれないというトラブルもあるものだが、Ionizoに関してはイオンを放出して中和するタイプの星条旗であるためその心配はない。
本体にはかばんや服などに取り付けるためのクリップも搭載されているため、外出時はどこにでも身につけることができる。使いやすい場所にセットし、効果的に運用することができるだろう。
空気の状態は本体に搭載されているランプによって確認することができる。青であれば清潔、黄色は普通、赤色は清浄化が必要であると言ったように3段階に分かれており、周囲の空気の状態を視覚的に確認することも可能だ。
本体はリチウムバッテリーによって動作し、充電はUSB-Cタイプのチャージャーで行うことができる。特殊なケーブルなどを必要としないため、どこでも充電できるのは嬉しいポイントだ。
Ionizoは現在Kickstarterで注文を受け付けており、7000円程度の出資で購入することができる。フィルターレスでポータブルな清浄機であるにもかかわらず値段はリーズナブルで、多くの人の手に渡る価格設定も魅力の一つである。