人工知能をシンプルに理解できる自動運転カーキット「Zümi (Zumi)」
AIといっても映画などの創作物に出てくるようなロボットにとどまらず、実体のないソフトウェアにもAI数多く導入されている。Amazonアレクサのようなスマートスピーカーやsiriのようなスマートフォンに搭載されているAI、テスラの新型自動車などはハードとAIが一体化した製品であるため、まだAIを意識しやすいプロダクトと言えるが、Google検索やビデオゲームにおけるAIは、それが人工知能を活用して動作していることに気づきにくい例といえるだろう。
もはやグーグルマップのようなマップアプリにもAIが搭載されている時代であるが、そのような環境に適応するためにはAIのことをしっかりと理解しておくことも寛容だ。「Zümi (Zumi)」はそんな世に溢れる人工知能の基本的な機能や仕組みを理解するのに最適なキットとなっており、老若男女を問わず一からAIを学ぶのに活用したい製品である。
手のひらサイズでも中身は本物
Zümiはミニチュアサイズでありながら、ユーザーに自動運転技術の仕組みや人工知能の基本的な理解を促してくれる教育用キットとなっている。教育用といってもそのチュートリアルは複雑で退屈なものということはなく、一つ一つの解説は丁寧に、そして楽しく学んでより深く理解しようという動機作りを徹底した設計となっている。実際にAIにナビゲーション能力を持たせるプロセスに入っても、ものの一時間程度でその方法を理解し実施することができ、Zümi本体もより深く学び、ユーザーフレンドリーになっていくことになるだろう。
Zümiは人間がプログラムした通りに走行するだけでなく、目的地にたどり着くまでにトラブルを避けるよう自動的に考え、それを踏まえながらも最短の移動距離を計算し行動する。例えばA地点からB地点までの移動を行う場合、直線上に道が存在しない場合は自動的に迂回路を把握し、道なりに進む。あるいは道があったとしても障害物や歩行者を検知した場合、それを避けながら進むか、回避ができないと判断した場合には別の迂回路を探すという、非常に高度な判断能力を備えているのである。これらは全て視覚センサーによって判断されるため、人間が目で障害物を感知するのとほぼ同じプロセスで行われている点も大きな特徴の一つだ。
また、目の前にある物体が何であるかや、どのような意味を示しているかをも理科知ることができる点にも注目したい。単なる倒木であると検知すればそれを避けるように行動するが、歩行者であるとわかった場合はそれがいなくなるまで停止するなどの挙動を見せてくれる。
あるいはハンドジェスチャーなどのようなサインもZümiは検知することができ、GOのサインを出せば走行を開始し、止まれのサインを出せば停止、そして右へ行けなどの指差しによるサインを出せば、そちらの方向へと進むよう設定することも可能だ。
AIの可能性を身近に感じられるキット
このような機能を活用して、Zümiは自動で顔を認識することもできるようになり、単なる自動走行車両であるだけでなく誰が家族で誰が知らない人であるかを理解することもできる。このような機能は人工知能の優れた点の一つでもあり、ただのロボットではなくまるで本当に生きているかのような感覚を伝えてくれる。
Zümiが搭載しているのは単なる家庭用ではなく、実際に自動運転の研究の現場で活躍しているエンジニアリングツールで、その挙動は初心者だけでなくプロフェッショナルのシミュレーションにも最適なものとなっている。ビギナーの頃から子供騙しでない本物のツールに触れておくことで、より高いAIのポテンシャルに触れることができるというわけだ。
また、AIは自動で物事を判断できるとはいえある程度のプログラミングが事前に必要だが、Zümiのコーディングは直接入力ではなくブロックを積み重ねるようなタイプのものとなっているので、子供から大人まで気軽に扱うことができるのも嬉しいポイントだ。むやみにコーディングで挫折してしまうよりも、こちらの方がよりカジュアルに楽しめることになるだろう。
Zümiは現在Kickstarterで注文を受け付けており、120ドル程度の出資でZümiを一台購入することができる。発送は世界各国に対応しており、日本からの注文も可能だ。