AIディレクション機能付きの小型ビデオカメラ「OBSBOT Tail」
少ないチームで撮影を行うためには少しでも自動化できるパートを増やす必要があり、多くの機能を搭載したカメラが多少高額であっても、複数人数で行動することの取り回しの悪さや人件費を考えると、結果的には高いコストパフォーマンスを発揮することにも繋がるためだ。
AIを活用した撮影現場というのは近未来感があるかもしれないが、「OBSBOT Tail」は撮影に関する多くの機能を有し、カメラ自らが繊細な撮影技術を発揮することで、もはやカメラマンいらずの性能をも発揮してしまう頼りになるプロダクトとなっている。
カメラマンいらずの高性能
OBSBOT Tailの本体サイズは非常に小さく、17センチと片手で収まる大きさとなっている。重量は610グラムにとどまっているため、片手での操作でも大きな負担となる心配はない。バッテリー容量は1850mAhで、最大180分の連続使用が可能だ。OBSBOT Tailの最大の特徴はその汎用性の高さにある。ビデオ撮影は目的に応じた機材を揃え、アクセサリーなども用意するものだが、OBSBOT Tailであればこれ一台でどのような撮影であっても柔軟に対応することができる。
その汎用性を支える核となるのが、本体に搭載されているパワフルなAIチップの存在だ。HiSilicon Hi 3559Aチップを内蔵しているため、ハイエンド環境におけるAIのスムーズなパフォーマンスを支えてくれているのである。
強力なAIを搭載することで、優れたアルゴリズムを活用した撮影機能を利用することができる。それも全ての撮影が4K画質で行われるため、画質の面でも不満を覚える心配はないだろう。
一つにタップロック機能である。OBSBOT Tailは専用のスマートフォンアプリと連動して活用し、手持ちのスマホからカメラを操作したり、詳細設定を行うことができるのだが、カメラ越しの映像をスマホから確認し、被写体をタップすることでシンプルにターゲッティングを行うことができる。従来のカメラのように何度もフォーカスを合わせなおしたり、焦点が絞りきらないオートフォーカス機能にストレスを溜め込んでしまう心配もないだろう。
これまでにないAIを活用したカメラ機能
スマートフォンからだけでなく、OBSBOT Tailはハンドジェスチャーによって撮影を行うことも可能だ。指でオーケーのサインを出せば録画・停止を行うことができるし、手のひらを見せればターゲットのロック、ロック解除を行える。あるいはその他ジェスチャーを登録することで、オリジナルのハンドジェスチャーで操作を行うことも可能になる。
ハンドジェスチャーで操作するカメラは少なからず存在しているが、ユーザーがジェスチャーをカスタマイズできるのは新規性の高い機能となりそうだ。
ターゲットを捉えた後は、AIによるトラッキングを行うこともできる。最大で40メートル先のターゲットも見失うことなく追いかけ続けることができ、激しい動きであってもスムーズかつ安定した動作で対象をとらえ続けてくれる。撮影が一般的に難しいとされている光の少ない場所であっても機能するため、心強い味方となってくれるだろう。スポーツ選手や激しいアクションシーン、走行中などの車を捉えるのに活躍しそうだ。
また、OBSBOT Tailはピンポイントフォーカス機能も見逃せないものとなっている。通常であればファインダーの中央のみにピントが合い、そこに焦点を絞ることが一般的な機能であるが、OBSBOT Tailは指定した好きな箇所にフォーカスを当て、ぶれることなく撮影を続行することができる。
あるいはズームフィックス機能も人間の撮影以上の力を発揮してくれることになるだろう。被写体と被写体のサイズを常に認識し、激しく動いたとしてもピントを合わせた際の大きさを記録し、カメラから離れたり近づいたりしても一定の大きさとなるよう常にズーム機能で調節してくれるのである。運動量の多いシーンであっても、被写体の迫力を損ねることなく撮影を続けることが可能だ。
独自のエクストラスムーズ機能を搭載することで、本体の安定性も向上。カメラが不安定な場所にいる時でも、独自のスタビリティによってブレの少ない映像を収めることが可能だ。
OBSBOT Tailは現在Kickstarterで注文を受け付けており、5万円程度の出資でスターターキットを注文することができる。アプリケーションや専用のケースも付属するため、届いた後はすぐに活用することができるはずだ。
また、日本からの注文も受けつけている。