多彩な機能が搭載されたシールド「The Arduino E-Z COMMS Shield」

クラウドファンディングサイトには毎日多くのプロジェクトが公開されているが、その全てが初めてのプロジェクトであるとは限らず、中にはなんども同じ開発チームから新製品が公開されるケースも少なくない。

特に電子部品などを取り扱うプロジェクトの場合、一つのファンディングだけでなくそれによって固定ユーザーが現れた場合、次のプロダクトを心待ちにするファン層も形成されるものである。

また、電子工作となれば用途に応じて異なるパーツも販売することになるので、自然とたくさんのプロダクトを別々のプロジェクトとしてクラウドファンディングサイト上に公開し、必然的に多くのユーザーに自作製品が人目をひくことになるものだ。

「The Arduino E-Z COMMS Shield」もまたそんな多産な開発チームがリリースする最新のシールドパーツで、通算で30個目となる記念すべきプロダクトとなっている。

アニバーサリープロダクトとしてリリース予定

通常クラウドファンディングに公開される製品の多くは、何らかの社会的なニーズに基づいてリリースされることが多い。そのほうが出資金も集まりやすく、プロダクトを届けることで多くの人の問題解決にも繋がるためだ。ただ、今回のThe Arduino E-Z COMMS Shieldに関してはアニバーサリー的な側面も強く、多彩な機能を備えていながらも必要に応じたパーツの注文が行えるようになっている。

The Arduino E-Z COMMS Shieldは世界で最もポピュラーなマイコンの一つであるArduinoに対応するシールドであるが、プラグアンドプレイ、つまり接続するだけで何らかの機能をすぐに発揮できるようなプロダクトを作るというコンセプトのもとに作り出された製品であるため、すぐに試せる機能が数多く搭載されている。

例えばコントロール可能なバックライトが付属する組み込み型のLCDや、グリーンとレッドのLEDライト、そしてKickstarterのプロジェクトとして公開されていたLITTLE BUDDY TALKERから機能を拝借したオーディオ出力ジャックを備えており、コーディング次第では搭載されている二つの音源チップから一つを選択し、実際にプロダクトに言葉を発させることもできる。

多彩な機能が搭載されたシールド「The Arduino E-Z COMMS Shield」

音声出力を楽しめるArduino向けシールド

ライブラリはオリジナルのLITTLE BUDDY TALKERから引っ張ってきているため、同様の内容を出力することが可能だ。時間や数字、月や日付、あるいは数字に付属する単位の数々など、合計で256の言葉を出力することができる。

あるいは、マルチアルファベットチップを導入することで、七つの言語に基づくアルファベットを発音させることも可能だ。使用言語は英語とドイツ語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、そしてスペイン語となっており、英語に関しては女性と男性の両性から声を選ぶことができる。

また英語ではNATOコードに基づくフォネティックコードも発音させることができ、無線通信などにも応用できるライブラリチップとなっている。

The Arduino E-Z COMMS Shieldに付属するアクセサリーは実にシンプルで、凸凸タイプのステレオケーブルが付属するのみである。このコネクターは非常に有用で、オーディオアンプやステレオシステムと接続することで、シールドをインターフェイスとして利用することが可能となる。

The Arduino E-Z COMMS ShieldはLCDバックライトの扱いも簡単で、複雑な操作なく簡単にスイッチのオンオフを切り替えることができる。この操作はソフトウェアを通じて行うことはもちろん、ジャンパーを伴うLCDの下部に存在する2ピンヘッダーをショートさせることでも行える。

多彩な機能が搭載されたシールド「The Arduino E-Z COMMS Shield」

ダイアグラムの下に伺えるように、LCDの留め具を外してシールドから取り外せば、LCDをオンにするための2ピンヘッダーを無視したジャンパーを設置することも可能だ。ソフトウェアでのコントロールに集約してしまう場合は、ジャンパーを取り外しての使用でも問題はないだろう。

またチュートリアルに関しても、ビデオによるわかりやすいマニュアルがあらかじめ用意されているため、ビジュアルで順序を追いながらの組み立てが可能だ。電子工作はテキストやイラストだけではわかりにくい部分も多く、特に組み立てはそのわかりにくさから混乱が生じやすい分野でもある。ハードウェアの最大の難所は組み立てとも言えるが、この点は無料公開のビデオによってクリアになるだろう。

また、おまけとして無料のサンプルコードもあらかじめ同梱されているため、組み立てた後はそのままテスト操作を行ってみることもできるのが魅力だ。

The Arduino E-Z COMMS Shieldは現在Kickstarterで注文を受け付けており、4000円程度でスターターキットを一台購入することができる。

そのほか脅威機関向けのバンドルパックなど、用途に応じたプランも購入が可能だ。