Micro:Bitを用いたSTEAM教育向けロボットキット「BOT:BIT」
言語教育や道徳、基本的な計算方法と同様、電子工作やプログラミングの知識と技術は次世代を生きる人々にとってはもはや当たり前の能力と考えられつつあり、各国では様々なアプローチでこの技能の普及を促進している。
日本は比較的このような考え方が遅れているとはいえ、国内でもプログラミング教室を開講している地域や、電子工作を学校で教えることも増加傾向にある。以前に比べると格段に外でスキルを身につける機会は増えたものだが、やはり可能であれば家にいるときでも触れられる機会を設けたほうが子供の成長には有意義なものとなるだろう。
「BOT:BIT」はそんなSTEAM教育のへの高まりに注目して誕生した電子工作ロボットで、世界で最もポピュラーなマイコンボードであるMicro:bitを活用したノウハウの取得を可能とする汎用性の高いキットとなっている。
ポピュラーなマイコンを活用するロボット工作キット
Micro:bitはイギリスの放送局であるBBCが10代前半の子供に向けて無料配布した教育用マイコンボードで、コンパクトなサイズながら高い汎用性を備えていることで定評のあるプロダクトだ。技術サポートなども非営利団体による運営が想定されており、オープンソース化されているのでユーザーによる広範なコミュニティが形成されているのが特徴となっている。
使用言語はJavascriptやPythonといったポピュラーなものとなっており、あらゆるエンジニアリング技術の習得に活用することができる。異なる分野のエンジニアを志す場合であっても、ひとまずMicro:bitで初歩的なスキルを一通り学ぶことができるので、学校などの集団教育の場の教材として用いるのにも有効なのである。
Bot:BITはそんなMicro:bitをベースとして、さらにロボティクスを学ぶのに特化したキットとなっている。MicroPythonと強力なプログラミング言語を活用し、プログラムのコーディングは通常よりも簡単に行えるよう設計されている。ユーザーが初心者であれその道のプロフェッショナルであれ、使い手に関係なくBot:BITは有意義な活躍を見せてくれるはずだ。
BOT:BITの基本構造は、主に軽快な走行を可能にする二つのホイールと、ユーザーの創造力を刺激してくれる二本のアームによって構成されている。そして実際に動作させるまでのプロセスはA-B-Cの手順に基づいて行うことで、簡単に思い通りの動作をするロボットとして活躍させることが可能だ。
シンプルでわかりやすいスキル習得プロセス
まずAは"Assemble BOT:BIT"、つまりBOT:BITの組み立てだ。基本的なパーツは初めからキットに同梱されており、必要に応じてパーツを選びながらBOT:BITを正確に組み立てる作業は、ロボットの仕組みを理解するのに重要な役割を果たす。一からロボットを自ら組み上げることで、それぞれのパーツの意味を理解し、創造力の補強に役立ってくれる。
そして次のBは"Build the code"、いわゆるコーディングの作業だ。ロボットは本体をくみ上げるだけでは機能せず、そこにコマンドを与えてやることで初めて自分の役割を理解する。どのようなコマンドを送れば自分の思うような動きをしてくれるのかを、試行錯誤しながら理解することが可能となる。
最後のCは、"Customize and Control Bot:Bit"である。一通りパーツの組み上げ方を理解し、プログラミングの方法がわかれば、次にやるべきはBOT:BITとMicro:bitのカスタマイズ性の高さを生かしたオリジナルのロボット作りである。
BOT:BITのビジュアルを自由に作ってみるのも良いし、新しいパーツを導入して新たな機能を搭載したり、コマンドを自由に組み替えて複雑な動きを行えるようにするのも面白いかもしれない。基礎知識はこれまでのプロセスで習得しているため、感性に任せたカスタマイズが期待できるだろう。
BOT:BITは本体や各パーツといったハードウェアのクオリティにおいても高さを誇る。アルミ性で剛性に期待でき、ライントラッキングセンサーや超音波センサー、高品質なサーボなど、子供向けとは思えない品質が魅力の一つと言えるだろう。
BOT:BITの取り扱いで困ることがあれば、オンラインで自由にサポートを受けることも可能だ。ライブラリ上からステップバイステップのチュートリアルを受けられるほか、教育者向けにBOT:BITを用いたレッスンプランも公開されているため、カリキュラムの作成にも役立てることができる。
BOT:BITは現在Kickstarterで出資者を募っており、7000円程度でキットを一台購入する子tが可能だ。