アナログレコードをBluetoothスピーカーに「Vinyl Bluetooth Speaker」

アナログレコードはデジタル音楽プレーヤーの普及で一時は衰退したと思われていたが、近年になって再びその売り上げが増加傾向にあるという。デジタル音源よりもアナログ音源の方が実際に情報量も多く、音質がよく聞こえるということもあり、これからの音楽聴取はレコードとデジタルの二極化が進むともいわれるが、問題となるのが聴かなくなったレコードをどう扱うかという問題である。

いらなくなったアナログレコードはレコードショップで買い取ってもらうだけでなく、適切な方法で処分すれば素材を再利用し、再び異なる音楽が収録されたレコードとして生まれ変わらせることもできる。

そのためカセットテープやCDよりもはるかにエコロジカルな記録媒体とも言えるが、「Vinyl Bluetooth Speaker」はレコードにスピーカーとしての役割を担わせる新しいプロダクトと言えるだろう。

アナログレコードの新たな使い道

これまでレコードは音楽直接奏でるのではなく、音楽を記録してスピーカーに接続することでその役割を果たしてきたが、Vinyl Bluetooth Speaker場合はアナログレコードを記録媒体ではなくスピーカーのパーツの一部として機能させる。レコードの円形かつ薄い作りを利用し、音響装置としての可能性を押し広げてくれるというわけだ。

なぜレコードがスピーカーに適した形状であるかは、空気中に音が伝わり、耳にまで届く仕組みを理解しておく必要がある。音には高周波のものと低周波のものが存在するが、まず一般的に高音とされる高い周波数の音は、音を伝えるためのレイヤーにわずかな厚みさえあれば綺麗に伝わり、私たちの耳に再現度の高い形で伝えてくれる。

アナログレコードをBluetoothスピーカーに「Vinyl Bluetooth Speaker」

そのためレコードのような薄い板をスピーカとして活用する場合、高周波の音を伝えるには最適の役割を果たしてくれるのだが、問題は低音をどのようにして再現するかという点である。低音はきちんと出力するためには高音を出力するため薄いものでは足りず、それよりもはるかに厚いものを用意する必要があるのだ。

これまでのポータブルスピーカーはこの問題が大きなネックとしてのしかかっており、高音域の出力に注目した製品の開発を行うことが多かった。しかしながら高音と低音のバランスが取れていないために、合わせて聞くとなるとどうしても違和感が残ってしまうのである。

Vinyl Bluetooth Speakerはアナログレコード盤をスピーカーとして機能させるだけでなく、レコードでも低音がしっかりと出せるよう出力をサポートする能力も備わっているため、バランスのとれた音質を楽しむことができる。デジタル音源でごまかすのではなく、音そのものはレコードを通じて空気中に直接出力するため、アナログレコード音源に求められるような生演奏に近い音楽聴取となることが期待できる。

アナログレコードをBluetoothスピーカーに「Vinyl Bluetooth Speaker」

自宅でも公共の場でも使える便利な一台

また、スピーカーを直接振動させることから生じるノイズの軽減も考慮してデザインされている。通常、スピーカーでパワフルに音楽を再生するときはその振動から雑音が発生してしまうことも珍しくない。これはスピーカーを設置している床やテーブルの上に様々なものが乗っており、そこへ振動が伝わることで騒音を引き起こしてしまうためであるが、Vinyl Bluetooth Speakerは散点スタンドでスピーカーと地上の間に距離を作ることでノイズの削減に成功している。たとえ近隣への迷惑が発生しかねない建物であっても、Vinyl Bluetooth Speakerであれば大きくそのリスクも軽減されるだろう。

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Vinyl Bluetooth Speakerはデザインそのものもミニマルかつコンパクトであるため、様々なシチュエーションでの活躍が期待できる。本体の重さも1キロに満たないため設置場所を選ばず、プライベートでの使用はもちろんのこと、カフェやアパレルショップなどのインテリアとしても活躍するだろう。

スピーカーにセットするレコード盤は一般的な12インチのものを想定しており、最も良い音が出るとして推奨されている。組み立てはVinyl Bluetooth Speakerのパーツセットと好きなレコード盤を用意するだけで行うことができるうえ、レコードは購入時にサービスとして一枚同梱されるので、わざわざレコードを購入する必要もない。好きなレコードがある場合はそっちに付け替えて、お気に入りのスピーカーとして愛用することも可能だ。

Vinyl Bluetooth Speakerは現在Kickstarterで注文を受け付けており、1万円程度の出資でスターターキットを一台購入することができる。日本への発送も受け付けているため、興味があれば特別価格で販売されているうちに手に入れておきたい一台だ。