LM-2の取り換え可能パーツとなるドラムアセンブリ「LinnDrum PCB's & Assemblies」

電子楽器は私たちにとってポピュラーな生の楽器とは異なり、むしろコンピューターに近い取り扱いをする必要がある。


そのため扱っている本人からすれば電子工作をするようなプロセスを経て自分にとって使いやすい演奏環境を整えていくものだが、そういった創作活動を支える楽器本体も様々なパーツから構成されており、好みに応じた多様なモデルが存在する。

今回紹介するプロダクトを開発したAbstrakt Instrumentsもそのような電子楽器のパーツを製作するグループの一つだが、「LinnDrum PCB's & Assemblies」のプロジェクトではドラムマシーンのパーツをいくつか展開している。

展開予定の5つのモデル

今回のプロジェクトの中で展開を予定しているのは、

「LinnDrum MXR PCB Assembly」
「LinnDrum CPU Board PCB」
「LinnDrum CPU Board PCB Assembly 」
「LinnDrum CPU Board PCB Assembly (w/o switches)」
「LinnDrum 5VSR PCB Assembly 」

の5つである。

「LinnDrum MXR PCB Assembly」はドラムマシーンの「LM-2」と互換性を持ち合わせた、オリジナルパーツとの取り替えが可能なアセンブリとなっている。

このパーツではテンポのコントロールを除く全ての数値調整をつかさどっており、中核としての活躍が期待できる。もし今自分の手元で使っているドラムマシーンの痛みが激しくなっていて、各パーツにダメージが見られる場合は、こちらのパーツへの換装が推奨されるだろう。

換装はいたってシンプルで、5つのナットを取り外してスワッピングするだけで作業は完了だ。ユーザーに特別なメカニックスキルは要求されず、設計としてもオリジナルパーツと酷似しているため、技術上の不便を感じることはないだろう。

レイアウトもオリジナルとほぼ同様のものとなっているが、所々にアップグレードが施された仕様となっている点はこのパーツならではのメリットだ。両面対応のブラックソルダマスクや表面がソフトゴールド仕上げのPCBであるなど、単なるスペアだけでなく、正当なグレード向上用パーツとして優れている。

LM-2の取り換え可能パーツとなるドラムアセンブリ「LinnDrum PCB's & Assemblies」

二つ目に「LinnDrum CPU Board PCB」である。このパーツはROMやRAM、ラッチにスイッチやLED、入力端子などが含まれているZ80 CPUを積んだメインボードとなっており、あらゆる機能のパフォーマンスに大きく影響する重要な部分である。

LinnDrum CPU Board PCBもまたオリジナルのパーツとレイアウトこそ似ているが、各ポイントごとはアップグレードが施されている。プラグアンドプレイといった簡単な操作感を実現するため、16ピン IDC DIPコネクタが搭載されているのは嬉しいポイントだ。

LinnDrum CPU Board PCB Assemblyはそれをさらにグレードアップさせたパーツセットとなっており、CPUにROMやRAM、あらゆるスイッチなど、あらゆるパーツとスイッチが全てセットして利用できる。面倒な確認を抜きに届いたらすぐに使うことができるため、余計な手間がかからないのはメリットの一つである。

もともとこのモデルに対応するもタイプのスイッチは珍しく、手に入れるために若干の苦労をすることも珍しくない。通常のLinnDrum CPU Board PCBに比べてやや高価となるが、その手間を考えるとコストパフォーマンスの高いバンドルパックと考えることもできるだろう。

ちなみに廉価版としてLinnDrum CPU Board PCB Assemblyにスイッチが付属しないパックも注文を受け付けている(LinnDrum CPU Board PCB Assembly (w/o switches))。すでにスイッチの換えは持っているという人は、こちらを購入することも可能だ。

LinnDrum 5VSR PCB Assemblyは主電源からTTLとCMOSロジックに電源を供給するためのボードとなっている。12Vの電圧を主電源から受け取って5Vに変換し、通常のコンバータを利用できるようにする。

こちらもオリジナルパーツより優れた性能を持つモデルとなっており、熱はこもりにくくよりクール状態を維持しやすく、効率的に電源を供給していくれるようデザインされている。

また、LinnDrum 5VSR PCB Assemblyにはメモリーバックアップ用のリチウムイオン電池を3機搭載されているので、もしもの場合でも役に立ってくれるバッテリーボードとしての活躍も期待できるだろう。
LM-2の取り換え可能パーツとなるドラムアセンブリ「LinnDrum PCB's & Assemblies」
オリジナルのボードはニカドバッテリーを使用していたため、しばしばバッテリーから酸が漏れ出てしまうことで本体にダメージが及ぶ可能性もあった。LinnDrum 5VSR PCB Assembly であればそのようなアクシデントのリスクもゼロにすることができるだろう。

このプロジェクトは現在Kickstarterで注文を受け付けており、それぞれ100ドルから200ドルの間で購入することが可能だ。バンドルパックを購入すると割引で購入することができるため、複数パーツの購入が推奨されている。