世界初のゲームガイド型吸入器「BriutCare」
特に幼少期に喘息などを患っている場合は両親によるメディカルケアの負担は大きく、毎日の処方を常に維持することはライフスタイルに大きな制約をもたらすこともある。
無理なく子供に処方を行うためには吸入器の使いやすさの向上、そして子供を吸入中に大人しくさせておく手段が必要となる。
「BriutCare」はそんな吸入器の小型化に成功しただけでなく、スマホゲームと連動させることで効果的に処方を行えるようデザインされた画期的なプロダクトである。
煩わしい吸入器の持ち運び
呼吸器系の疾患治療や症状緩和のための吸入器は本来大型のものが多く、病院や自宅に設置して使うことがほとんどであった。そのため外出時や旅行の際はそれを持ち歩く必要もあったため、大きな負担を強いられてしまうこととなる。
特に患者が子供の場合は重症化しやすいこともあり、保護者は十分に彼らの健康に気を使う必要があった。長期間の旅行などでは吸入器を持っていくとなると荷物も増えてしまい、煩わしい思いをしてしまうこととなる。
また少しの間家を空けるだけでも子供のケアのために必要な品を持ち歩く必要もあり、また天気による影響も受けるため、その日によって必要なものも変わってくる。
医療用のアイテムの取り扱いが煩わしく、その時々によって必要なものが違うとなると当然ミスが起きてしまうリスクも増加する。特に子供のケアとなると「ついうっかり」が時として命取りになることもあるため、できる限り治療に必要な手間は少ないことが望ましいのである。
最近では小型の吸入器も増えてきているが、実は設置型のものと比べて思うように処方を行うことができず、その効果が期待していたようなもの人はならなかったということも少なくない。きちんと吸入することができなければ適切に摂取したことにはならないため、適切に吸入してもらうための設計が小型吸入器には求められているのである。
BriutCareはその点も考慮しデザインされた携行タイプの吸入器である。吸入器にもいくつか種類が存在するが、BriutCareはいわゆるネブライザーと呼ばれるタイプの吸入器で、喘息の患者が薬剤を吸入するための器具である。
効果的に薬剤を摂取してもらうために
液状の薬剤を効果的に体内へ吸収させるため、ネブライザーは主にジェット式と超音波式という二つの方法で患者に薬剤の摂取を促すが、ジェット式は小型化ができないというデメリットを持っている。
そこで小型のネブライザーには超音波式と呼ばれる手法が一般的に用いられ、携行用としては主流のモデルとなっている。
しかしながら超音波式も吸入のための薬液が細かすぎるために、効果的な摂取が難しくなっているという問題も生じている。そのようなデメリットをさらに解消したのがメッシュタイプのネブライザーだが、BriutCareはこのメッシュタイプを採用している吸入機となっている。
BriutCareの大きさはいわゆるハンディサイズで、子供でも自分で片手で持てるほどのサイズとなっている。実際の使用感だけでなく、カバンなどに入れて持ち歩く場合にも非常に有効なサイズ感と言える。
また、BriutCareの最大のメリットはオリジナルのスマートフォン専用ゲームと連動して吸入を行える点にある。薬剤の吸入がうまくいかないのは吸入器の性能だけでなく、子供が上手く吸入できないことによって効果が得られないという問題もある。
これは本人の都合もあるため機器の性能だけでは解決できない点でもあったのだが、BriutCareは吸入によってゲームを操作するという仕組みを採用することで、スムーズな吸入を促すよう設計されている。
仕組みは非常にシンプルで、スマートフォンとBriutCare本体をBluetoothで連携させ、吸入するとゲーム内のプレイヤーを動かせるというものだ。
これによって、一度子供に吸入するとゲームが進むという仕組みを理解してもらえれば、意欲的に吸入を行い、スムーズかつ速やかに服用ができる。薬を与える保護者は、吸入が終わるとリザルト画面できちんと吸入が行えたかを数字で確認することができるため、効果を実感できる点でも嬉しいポイントとなっている。
BriutCareは現在Kickstarterで出資者を募っており、85ドル以上の出資でBriutCareを一台注文することができる。色はピンクとグリーンの二色展開となっており、好きな方を選ぶことが可能だ。