安価で汎用性の高いWi-Fi接続型の多機能ボタン「SiB」
特にかゆいところに手が届くような製品というのは使用用途がニッチであることも相まって、メーカーから単体でそのような品が販売されるということも少ない。そんな時にDIYはそのスキルを身につけていれば多少の手間暇をかけて必要なものを作ってしまえるが、そもそもものを作るスキルがなければこういった解決方法は取りづらいし、たとえスキルがあっても必要な材料がなく、皇帝も複雑となれば億劫になってしまう。
中でもスマートホーム化が進む今日において有用なのは電子工作の技術であるが、「SiB」はそんな家庭のスマート化を手伝ってくれるありがたいプロダクトだ。
なににでも使える万能ボタン
実のところ、SiBそのものには購入した時点で大きな問題解決能力があるわけではない。SiBは手のひらサイズの小さなボタンで、ワイヤレスでのインターネット接続が行えるというだけだ。
しかし真価を発揮するのは、メッセージングアプリケーションのSiMP™とペアリングさせることで、SiBのプログラミングを行えるようになり、それを活用してSiBを様々な用途に利用することができるようになる。
SiMP™の利用は完全無料となっており、月額料金や購入費用もかからない。SiB本体の料金さえ支払えば、SiBとSiMPの組み合わせであらゆるシチュエーションで活躍できるデバイスを必要に応じて作り出すことができるだろう。
SiBは表面のボタンを押すことで電源を起動し、プログラムしていた機能をオンにすることができる。また、SiBは頻繁に電源のオンオフを切り替えずとも長時間駆動できるバッテリーの持ちの良さも秘めているため、さらに使用用途は広がる。
たとえば時間指定のタスクのようにその時間が来るまで待機しておく必要のある機能や、温度測定など常時起動しておくことで効果を発揮する機能を搭載することも可能だ。
SiBとのコミュニケーションはSiMPを使って行う。SiBに指示を送る際にはSiMPを利用し、SiBからの返答もSiMPを通じて行われる。SiB本体がシンプルな作りとなっている分、メッセージングアプリに複雑なコミュニケーションが集約されているのは逆に使いやすいと言えそうだ。
SiBからのアラート通知や、あらかじめスケジュールされた情報発信もSiMPを通じて行われる。温度や湿度を観測できるように設定している際には定期的に数値を返してくれるように設定することもできるし、あらかじめ規定の数値がある場合はそれから大きく外れてしまった際に通知をおこなってくれる。
あるいは本体からアラート音を鳴らしたり、光を激しく点灯させることもできるため、目覚ましや警報がわりにも使うことができるだろう。
バッテリーは最大で4500回分のボタン入力に対応する大容量となっているので、気がつくと電池が切れているという心配もない。およそ一年間は充電なしに使うことが可能だ。
プログラミングで誰にでもなににでも使える代物に
SiBの使い方は文字通り無限大だ。ユーザーのニーズやイマジネーションに応じてできることは広がるポテンシャルを秘めていると言える。
たとえばドアベルとして設置することもできるし、スマート家電などと連動させて家の中のランプを操作することもできる。あるいは緊急時のためのブザーとして子供や高齢者に所持してもらい、ボタンが鳴らされたらアラーム音が響き、無線LAN接続で保護者などに通知を伝達するということもできるようになるだろう。
このようなSiBを用いた機能はユーザーのプログラミングによって可能となるが、SiBの場合は簡単なコーディングや操作によって好きな機能を付与できる使い勝手の良さも特徴的だ。
プログラミングの方法には二つ存在し、一つはSiMPメッセンジャーを通じてプリセットの機能を選び、コマンドを入力することで起動するという方法だ。これは手っ取り早くSiBを活用する上では非常に便利なものとなっている。
もう一つはSiMPを通じてコーディングを行い、マニュアルでアプリケーションを作ってしまうという手法だ。やや込み入った方法となってしまうが、公式に公開されている初心者向け
マニュアルブックを参考にすれば、すぐにでもSiBを使いこなすことができるだろう。
SiBは現在Kickstarterで注文を受け付けており、一台当たり5ドル以上の出資で注文することができる。すでに3万ドル以上の資金調達に成功している注目の一台だ。