コンパクト・高機能を追求するシンセサイザー「Modal CRAFT synth 2.0」

現在、音楽制作の現場に求められている機材は、質の高い操作性と自由度だけでなく、コンパクトな使い勝手である。


従来の音楽製作というのは機材が巨大だったこともあり、大掛かりなスタジオなどでなければ満足のいく作品を作ることができなかったものの、今やノートパソコンが一台あれば十分なクオリティの製作を行うことができ、アマチュアレベルではこれ一台で足りてしまうほどだ。

プロフェッショナルの現場でも基本的な製作はラップトップメインで行い、仕上げはデスクトップや少し大掛かりな機材を用いるといったプロセスも珍しくなく、いずれにしろミニマルな環境が一般化しつつある。

「Modal CRAFT synth 2.0」はそんなまとまった現代の音楽の製作現場での活躍が期待できるシンセサイザーで、ラップトップとともに持ち歩けるコンパクト性と、大型の機材に負けないパワフルさを兼ね備えている。

アマチュアからプロまで受け入れられるコンパクト性

シンセサイザーは音楽製作には欠かせない機材の一つで、電子音をうまくコントロールすることで理想的な音を作り出す調理器具のような存在だ。

その性能はモデルによっても異なるが、良い機材ほど細かい音の調節が可能になり、痒い所に手が届く仕組みになっている。逆を言うと、初心者にはどのつまみをいじれば良いのかわからず、使いづらいと言う印象を与えることになるかもしれない。

Modal CRAFT synth 2.0は一見すると非常にコンパクトだが、その見た目からは想像できないほどの高い汎用性を秘めているのが特徴だ。

本体サイズは15cmほどの大きさで、片手での持ち運びも容易なほどのサイズとなっている。ラップトップを主体として製作が行われる現代ではこの特徴は重要で、必要以上に大きいものを購入するよりもラップトップと一緒に持ちあるくことを想定して数あるシンセサイザーから一台を選ぶことも多い。

特に手軽に音楽を始めたいという人にとってもコンパクトであることは嬉しいメリットで、カジュアルに始めたいのにも関わらずやたらと機材が大きいようでは購入をためらってしまうこともあるためだ。

コンパクトであると言う利点は初心者からプロフェッショナルにまで喜ばれるが、Modal CRAFT synth 2.0はまずその点における評価は非常に高いと言えるだろう。

サイズに見合わない高いスペック

そしてこのシンセのもう一つの特徴が、その性能の高さである。Modal CRAFT synth 2.0はものフォニックウェーブテーブルシンセとして8つのオシレーターを備えており、操作性には事欠かない。
モーフィング可能な波形は40にも登り、周波数やフェーズモジュレーション、アンプモジュレーションを含む16ものオシレーターモディファイアも搭載する。


音の加工を容易にするフィルターも豊富で、ウェーブシェイピングディストーションなども利用可能となっている。

フィルターやアンプ、モジュレーション用のエンベロープジェネレーターは3つ搭載されており、オーディオレートLFOも二つ完備している。

8つのソースを活用できるようモジュレーションマトリックスも8スロット用意され、LFO1、LFO2などを一つづつのソースに分配することができる。

またラップトップの周辺機器として欠かせないのが接続を容易にする設計だが、Modal CRAFT synth 2.0の場合はフルサイズのMIDI DIN、USB MIDI、そしてsync I/Oを用いての接続か可能となっており、必要以上に手間をかけることなくハードウェアとの接続を行うことができる。

対応する音楽製作ソフトウェアも多岐にわたり、ポピュラーなものであれば問題なく利用が可能だ。

また、iOSなどに向けて製作されたソフトウェアも利用可能で、iPhoneやiPadと接続して使用することができる。

内蔵ストレージも64ほど用意されているので、製作した音はそれぞれのストレージに保存し、不意に喪失してしまう心配もない。

Modal CRAFT synth 2.0は現在Kickstarterで出資者を募っており、一台あたり1万5千円ほどで購入することができる。


すでに出資額は900万円近くに達しており、多くの注目が集まる機器でもある。Modal CRAFT synth 2.0を開発したModalはイギリスにおいて2013年からシンセサイザーの開発を行っているメーカーの一つで、これまでもクオリティの高い機器をリリースしてきた。

このような実績も、今回のモデルに多くの注目が集まっている理由の一つと考えられそうだ。