フィルムメーカーならいつでも入れおきたいスポットライトアプリ「Sirius」
とはいえ映像を撮影するからといって、いつでもハイエンドな機器を手元に持ち歩いているとは限らない。アイデアや映像を撮る瞬間はふとした瞬間にやってくることもある以上、必要最低限の手荷物の状態でも撮影できるような生活を心がけ、用意を怠らないようにする必要がある。
そして必要なのは、カメラだけであるとも限らない。実際のプロフェッショナルの現場もカメラだけで撮影を行っているはずがなく、撮影を補助するための機材も整っているものだ。
今回紹介するスマホ向けアプリケーションである「Sirius」は、いつでも撮りたい映像を確実に記録できるよう、スポットライトとして光の効果をカメラに与え、たとえ適当なカメラであってもより込み入った映像を撮る手助けをしてくれる頼もしいサポートアプリとなっている。
直接色鮮やかなライトアップをスマートフォンで
近年では映像編集技術の向上により、現場でリアルタイムな視覚効果を演出しなくとも、ある程度は後付けの編集でまかなえるような時代にもなった。しかしそれでも、撮影時に直接視覚効果を演出することの恩恵は大きく、現代でも様々な形式でビジュアルエフェクトが与えられるようになっている。
ただ、撮影補助機材としてスポットライトを用意できるかといえば、難しいものがあるだろう。一般的な照明器具は私たちも目にするように、スタンドからライトまででワンセットとなっており、とてもではないが毎日持ち歩くような代物ではない。
そのため等々に撮影を補助するためのライトが欲しいと思っても、せいぜい用意できるのはスマートフォンにデフォルトで内蔵されているLEDライトくらいのものだ。映像撮影に満足できるような視覚効果を得るには程遠く、暗いところを明るく照らすぐらいの効果しか期待できないと言えるだろう。
そこでSiriusの登場である。SiriusはスマートフォンやiPadにアプリケーションとしてインストールするタイプのプロダクトで、LEDライトだけでなく前面のスクリーンをフルに活用して様々な視覚効果を現場に与えることが可能となる。
使い方はいたって簡単で、基本的にはアプリケーションを起動するだけで視覚効果を得ることができる。ライトアップに関してもバリエーションが豊富で、RGBをタップ操作で調整し、自分の求めている映像効果に合わせた色合いの視覚効果を自在に演出することができる。
視覚効果に求められるのは、闇雲な明るさや色あざやかさだけではない。時として微妙な暗さのぼやけたあかりを求められることもあれば、激しい色使いと光量が必要になることもある。
Siriusが便利なのは、このような微妙なニーズにも応えてくれる点である。画面上で表現されるライトアップは様々な模様や色合い、明るさなどで表現することができ、それを自在に調節できるのはひどく便利な機能となってくれるだろう。
Siriusの多機能性もポイントに
ライトアップモードにはパワーセーブモードも存在する。画面をダブルタップするだけで光量を落としたエコモードに変更され、限られたバッテリーを有効に活用することができる。
再び通常モードで使用したい時には、再びダブルタップをするだけで切り替えが可能だ。
Siriusはライトアップだけでなく、画面切り替えも容易に行うことができる、簡単なタップ操作とスライド操作で、別のタスクを素早くこなすこともできる。
Siriusの料金設定は、一括購入ではなくサブスクリプション性を導入しており、必要な時にだけ使用できるようデザインされている。料金は一ヶ月あたり500円程度で、3ヶ月で1000円になるなど、契約に応じた料金体系で自由にプランを選ぶことが可能だ。
これらのプランは現在Kickstarter上で注文を受け付けている。注文で得た資金は開発に伴うエンジニアのデザイン料金、iPad向けSiriusリリースに向けた開発資金などに活用される。
元々は個人向けの利用を目的に開発されたSiriusだが、商用リリースに向けてさらなる開発が期待できる、ポテンシャルの高いアプリケーションと言えそうだ。