風力発電とソーラー発電を融合したハイブリッド発電システム「Hybrid Energy System」

代替エネルギーとして最も注目されてきたのは自然エネルギーの応用だが、その開発も日進月歩で進められている。化石燃料の燃費の良さに比べれば自然エネルギーはまだまだ効率にかけるところはあるものの、石油などに比べてはるかに環境への負荷は小さい。


また民間でも生成しやすいエネルギーであるため、学校はもちろんのこと一般人でもそのエネルギー発生の現場に立ち会ったり、自ら改良してより効果的なエネルギー効率を実現することも夢ではないのもメリットといえるだろう
特に自然エネルギーの中でも太陽は風はどこにでも存在するため、最も改良の余地と機会の大きなエネルギーである。

また、どこにでも太陽光と風力によるエネルギーは存在するため、それによって発電できるシステムをどこでも使えるようポータブル化する事は、大きな意味を持つ。少ないエネルギーで大きな電力を生み出せるに越した事はないが、小型化もまた大きな恩恵をもたらしてくれる技術革新だ。
「Hybrid Energy System」はそんな民間の企画として開発が進められるポータブル発電機の一つだが、最大の特徴は風力発電とソーラー発電を掛け合わせた、ハイブリッド発電が行える点にあるだろう。

自然エネルギーのハイブリッド発電機

このプロジェクトは、小型の風力タービンとソーラーパネルを組み合わせ、オンデマンドで使用できる電力と蓄電を行うための電力を生成するための小型発電機を開発することが目的だ。


モジュラーポータブルキットとして、風力タービンとソーラーシステムを統合した発電機で、燃料の必要のない自立型のジェネレーターとして活動することを期待されている。

この発電機は全人口の80%に当たる沿岸部に住む人々が日常の中で使用することを想定して設計され、枯渇しつつある化石資源への依存を解消し、過度なエネルギー消費によって地球環境に負担をかけることを回避するというものだ。

ハイブリッドで自然エネルギーを活用する事は、効率よくエネルギーを生成する上では重要なアイデアと言えるだろう。なぜなら、自然エネルギーはすでに存在するエネルギーを活用する分、常に一定量の発電量を維持できるとは限らないためだ。

例えばソーラーシステムは、日中に降り注ぐ太陽光をひたすらに集める事で発電と蓄電を賄うシステムだが、太陽が沈むと発電は行えなくなり、日中に蓄えておいたエネルギーを消耗しながらでしか電力を賄う方法はない。

一方風力発電の場合、風さえ吹いていれば発電を行えるので、日夜を問わず発電を行う事は事実上可能だ。もちろん風量に合わせて発電量が変わってしまうという難点はあるものの、太陽光と合わせて活用する事で、お互いにムラのある発電システムをカバーし合うという仕組みだ。

今回提唱されている発電システムは、小型のため都会でも活用できるのが大きなポイントだ。発電や放電に際しては周りの環境に合わせて静音で動作するため、騒音などの公害を発生してしまう心配はない。

今後の拡張性にも注目

サイズは二種類用意され、一つは個人でも使いやすいポータブルキットで、もう一つがポータブルキットの三倍の性能を誇るであろう、アーバンモデルだ。

どちらのモデルも下部にキャスターが装着されているので、移動に困ることもない。発電機はどうしても重量がかさんだり、大きさがしばしば悩みの種となるが、バーベキューセット程度の大きさであるこれらのキットなら、そんな悩みに頭をかかえる必要もないだろう。

また、本体にはタッチスクリーンによるコントロールパネルや、Bluetooth接続によるスマートフォンからのリモートコントロール、直接接続が可能なUSBチャージャーなど、様々な機能の搭載が予定されており、これ一台で過程や外出先での電力事情の大半をまかなえるモデルとなりそうだ。
現在はまだプロトタイプを試作している段階だが、徐々に開発を進めていく上でブラッシュアップも行われる予定だ。

現在このプロジェクトはKickstarter出資者を募っており、一ドルから開発を支援することができる。

まずはポータブルキットの開発を進め、その発展形としてアーバンタイプの開発も行われる予定とのことだ。