電子工作をマスターしたい初心者向けDIY携帯電話キット「MAKERphone」
だが、マニュアル通りに作るだけでも子供騙しのおもちゃではなく、優れたデバイスが誕生するのであればそのハードルはぐっと下がるはずだ。
「MAKERphone」はそんな初めての電子工作を支えてくれるDIYキットで、基本的な知識とツールでお手製の携帯電話を製作できてしまう嬉しいプロダクトとなっている。
自分で携帯電話を作れるという刺激2>
携帯電話はものづくりの歴史から見ても、人類に衝撃を与えた最も偉大な製品の一つといっても過言ではない。
携帯電話の登場以前、電話をするときには家や特定の場所に限定されていたし、電話を着信する側もその近くにいる必要があったためである。
しかし携帯電話が誕生したことで、私たちのライフスタイルは大きく変化した。どこにいても他人と連絡を取ることができ、普通に生活していれば連絡が取れないということはほぼなくなってしまったのである。
そして今ではスマートフォンによって電話以外にも多くのタスクを片手サイズのデバイスで解決できるようになったが、MAKERphoneもまた携帯電話としての機能だけでなく、様々な機能を付与することのできるDIYキットとしてリリースされる。
MAKERphoneはパーツとツールを用意することで、初心者でも一から電子工作に関わるスキルを学びつつ、立派なハードウェアを製作することができるよう設計されている。
まず、携帯電話として通話ができるのは大前提の機能だ。電話番号を入力すれば、一般に普及する電話と同様に通話することができるようになるのである。
今や当たり前のように電話は私たちに普及したものではあるが、いざ自分で作ってみるとなると、出来上がった時の感動はひとしおのものがあるだろう。
また、電話だけでなく簡単なゲームなどもプログラミングによって導入することができる。MAKERphoneにはモニターが付属するので、取り付けられたボタンによって操作できるゲーム機として機能することになるだろう。
また、メディアプレイヤーとしてMAKERphoneを活用することもできる。いわゆる音楽・動画プレイヤーとして、まるでスマートフォンを扱うかのような操作感で楽しむことができる。
プログラムはArduinoで行う。Arduinoもまた世界で最も活躍しているマイコンの一つだが、MAKERphoneを製作する過程でこれに触れられるのは大きな学びとなるはずだ。
実践的なスキルという意味では、Pythonでのコーディングも製作過程に含まれているのが嬉しいポイントだ。データ処理や人工知能の研究などでも広く用いられているPythonだが、MAKERphoneを組み立てながら初歩的なPythonの知識にも触れることができるため、実りの多い経験になることは間違いない。
Makerphoneの製作で得られる経験
このようにMAKERphoneを一から作る作業を経ることで、多くの学びを得ることができるだろう。電子工作の基礎からプログラミングの方法、そして携帯電話がどのような仕組みで処理しているのかなど、一から制作に携わることでしか得られない発見が見つかるはずだ。
また、これらの技術は全てオープンソースとなっているので、マニュアル通りのプロダクト以外にも自分なりにカスタマイズを施したければ、インターネットにあふれている情報を駆使しながらオリジナルの一台を作り出すことも可能だ。
MAKERphoneには独自のコミュニティである「Circuit Mess World」が用意されており、ここでMAKERphoneに対応するアプリやプログラムなどをオープンソースでお互いに公開し合うことができる。
MAKERphoneのユーザーがインターネット上で情報共有を行えるようにすることで、切磋琢磨し合えるのがモチベーションを維持する上でも重要な役割を果たすだろう。
MAKERphoneの組み立てには初歩的なツールしか必要としないため、DIYキットさえ購入してしまえば新たに特殊な工具などを購入する必要はない。
万が一ツールを何も持っていない場合でも、基本的なツールをあらかじめ用意してくれるバンドルパックも存在するので、余計なものを購入してしまう心配もないだろう。
MAKERphoneは現在Kickstarterで注文を受け付けており、94ドル以上の出資でキットを一つ購入することができる。
119ドル支払えば、ツールセットが同梱するタイプのキットを購入することも可能だ。