最新のテクノロジーでより精度の高い3Dプリントを実現「Scoobe3D」
同時に価格も安くなってきたことで、徐々に普及率も高まりつつある。日本でも多くの学校で3Dプリンタが一台は導入されているというケースも見られるようになったし、大小を問わずデザイン系の事務所でも率先してに導入を進めている動きがある。
3Dプリンタはまだまだ発展途上のテクノロジーではあるが、それをどのように使うかという試みは活発に行われているのだ。
そんな取り組みの中、3Dプリンタにますます求められるようになってきているのはそのプリント精度やデータ入力の敷居の低さである。3Dでアウトプットを行うためにはそれなりの準備を整える必要があるのだが、今求められているのはいかに手軽に、まるで紙を印刷するかのようにカジュアルに扱えるかという使い勝手なのだ。
「Scoobe3D」はそのようなニーズに注目し、3Dプリンタとして正統な進化が見られる新しいプロダクトと言えそうだ。
手軽な3Dモデリング
Scoobe3Dの最大の特徴は、何と言っても3Dモデリングの簡便さにあるだろう。一般的な3Dプリンタの場合、プリントアウトするための3Dモデルのデータは専用の処理を施すなど、立体としてアウトプットするための手間が大きくかかっていた。
確かに昔よりは3Dという言葉を耳にするようになったとは言え、実践レベルで言えばまだそれほど3Dモデルが画像データほど世の中に転がっているということもなく、立体物として印刷できるものを探す方が難しい段階である。インターネットで検索しても、おめあてのものを見つけ出すのは難しいだろう。
また、CADソフトなどを使って3Dモデルを製作するという手段もある。確かにないなら作れば良いという考え方もあるかもしれないが、果たして自分で3Dモデルを作らなければならないという状態は、多くの人に開かれた技術であると言えるのだろうか。
同時に3Dモデリングは技術はあっても時間はかかる作業であることに変わりはないため、いずれにしろお手軽な方法とは呼べないだろう。
直接オブジェクトをスキャンして3Dモデルを製作するという手法もあるが、これも従来の方法ではサイズやスキャン環境によっては時間を要してしまうこともあるため、手軽な方法とは言い難い。
そこでScoobe3Dが可能にしたのは、オブジェクトをスマートフォン撮影のようにするだけでモデリングを行えるという新しいスキャン技術である。専用のスキャナーを使い、モデリングしたい対象をスキャナーで捉えるだけでキャプチャーは完了だ。
撮影したデータはアプリ上で自動的に計算され、3Dモデルとして出力される。もちろんScoobe3Dにて変換されたデータとなっているので、プリントに当たって新たに処理を施す必要もないのである。
実際にインプットしたモデルはこちらから確認することも可能だ。
https://sketchfab.com/models/90c9561992474de593c7da86cd8a42d7
出力精度にも優れたモデル
モデリングの精度もさることながら、驚くべきは3Dモデルを現実に出力する際の精度である。立体物の印刷は2Dのプリントアウトに比べてはるかに繊細な動作が要求され、アウトプットに失敗してしまうことも珍しくない。さすがに完全に形が崩れてしまうことは早々怒らないが、例えば微妙な模様の再現や、滑らかな曲線を描く際にズレが浮いて出てきてしまうことは珍しくないのである。
しかしながらScoobe3Dはその誤差をわずか0.1ミリの間に収められる精度でアウトプットすることができる。この技術をもたらしたのは、レーザーにより距離測定技術や写真測量法、偏光3Dスキャン技術を組み合わせた独自のアウトプット方法で、優れた制度を確実に維持できるようデザインされている。
Scoobe3Dには通常モデルとプロモデルの二種類が用意されており、高いパフォーマンスを期待できるのはプロモデルとなっている。こちらはベーシックモデルの二倍近い価格となっているが、相応の性能をもっている。
とは言えベーシックモデルでも精度0.5ミリ以内と高い精度を持っているため、個人用としては十分な性能と言えるだろう。
Scoobe3Dは現在Kickstarterで出資者を募っており、ベーシックモデルは559ユーロ、プロモデルは975ユーロで注文を受け付けている。