お手軽に拡張現実を楽しめる知育向けゲーミングシステム「Plugo」
子供用のおもちゃにハイテク技術が採用されることは非常に重要である。彼らが大きくなるまでにより進んだテクノロジーが現れるのは必然だが、彼らが新しいテクノロジーを前にしても臆することなく、柔軟にライフスタイルへ取り込むことができる技術を身につけるためだ。
また、最近ではSTEM教育などにも見られるように、電子工作やプログラミングといった分野を幼いうちから身近に触れさせることで、将来的にエンジニアリングを身につけられるような土壌を作ることの重要性にも注目が集まる。
ハイテクが知育の要とはいえ、いきなり複雑なプログラミングソフトなどを子供に渡しても、それが必ずしも良い教育に繋がるとは限らない。子供にはやはり彼らに適したモノを与える必要があるのだ。
「Plugo」はまさに子供向けとして洗練された知育玩具となっているだろう。テクノロジーを楽しむとはいえ単純なテレビゲームや一般的なスマートフォンのアプリケーションとは違い、立体的な体験を手軽に楽しむことのできるプロダクトだ。
触って楽しめる立体的なゲームシステム
任天堂が今年の初めにリリースした「ニンテンドーラボ」は、ダンボールを実際に自ら組み立て、組み立てたものをニンテンドースイッチのソフトと連動させ、自由にゲームをプレイすることができるというクリエイティブなものであった。
テクノロジーを学ぶ上で、短期的にインプットとアウトプットを反復できる仕組みを持った遊びや作業は非常に重要で、モチベーションや実際のスキル向上には欠かせない体験である。
ニンテンドーラボはそれを既存のビデオゲームにおいて実現したことが重要なのだが、Plugoはそれをさらに手軽に実現したゲームであると言えるだろう。
Plugoのプレイに必要なのはタブレットやスマートフォン、そして専用のプレイキットだ。テクノロジー系の玩具は新しいハードウェアの購入にコストがかかってしまいがちなのが難点だが、Plugoの場合は既存のタブレットなどを用いることでプレイすることができるため、コストパフォーマンスは高い。
そしてコンピューターをタブレットに任せてしまっているぶん、専用のキットも35ドルと安く、気軽に購入できるのが特徴だ。
子供向けのアイテムを購入するには、値段が高いとつい躊躇してしまいがちだが、4000円程度でハイテク教育の第一歩を踏み出せるのなら安い部類に入るだろう。
Plugoの特徴はインタラクティブな遊びが現実の空間で可能となってしまうことである。スマーフォンのゲームが普及した昨今では、立体的なグラフィックを二次元空間で味わうことは当たり前になり、ポケモンGOで話題になったような拡張現実(AR)も徐々に浸透しつつある。
そのため実際に手でモノを掴み、それがゲーム画面と同期するようなエンターテイメントは非常に刺激的で、子供でもなじみやすい遊びとなるだろう。
あくまでも知育を目的としたデザイン
Plugoでプレイできるゲームは数多く存在する。キットに付属するブロックやハンドルは様々な遊びに応用することができ、子供が気に入ったものを自由自在にプレイすることができる。
例えば歯車の組み合わせを考えるパズルゲームや、アクションゲームなど、そのジャンルは様々である。しかしどのゲームも子供達の批判的思考や理解能力、空間認識能力を高めることを意図して作られており、楽しみながら有意義な時間を過ごすことが可能だ。
また、プレイには場所を選ばないのも嬉しい特徴だ。ゲーム機といえば優先で電源に接続しておかなければならない印象があるが、Plugoはキットに電源を使わず、使用するタブレットのバッテリーのみで遊ぶことができる。
たとえ家の中でなくとも、旅行の際の移動中や、親戚・友達の家でも問題なくプレイすることができるだろう。
また、Plugoのアプリケーションを通じてプレイヤーのスコアを表示することができる。どのようなゲームをどれほどプレイし、どれくらいのスコアをマークしているのかを把握することで、子供達の才能や苦手な分野を把握しやすいよう設計されている。