ユーザーに即した産業オートメーションを実現する産業用PC「MegaIO-IND」

また、昨今の著しい技術革新のスピードは、今日最新式であったモデルを明日には陳腐化させるほどの速度で進んでいる。また、特定の用途にのみ特化したシステムを構築するためにも、使い勝手の良いコンピューターの存在は不可欠だ。

素早い時間の変化にも対応し、かつユーザーに即したシステムに最適化できるコンピューター、つまり汎用性の高いコンピューターの存在が、現代の産業テクノロジーにおいて求められているのだが、「MegaIO-IND」は低コストでそのようなニーズを満たすことのできる産業用カードとなっている。

産業用コンピュータの特徴

そもそも、産業用コンピューターと民間コンピューターの大きな違いとはなんなのだろうか。どちらもコンピューターという意味では違いはないのだが、その運用方法の違いから異なる性質を持つことが求められている。

産業用コンピューターの一つ目の特徴は、まず長期運用を前提に開発されているという点だ。民生用PC、例えばラップトップPCや家庭用のデスクトップPCは、日常使いで5年前後運用できれば良しという感覚で生産されているため、10年単位での運用は考えられていない。

WindowsのようにOSの場合となればまた話は別だが、少なくともハードウェアであるコンピューター本体は、対応年数を超えるとベストパフォーマンスを期待できなくなるのが一般的だ。

一方産業用コンピューターの場合、事情は少し異なってくる。産業用は初めから長期運用を前提としているため、耐久性能は民生用のものよりもはるかに高い。そのため民生用ではありえない、24時間365日の運用でもそのパフォーマンスを数年間維持することができ、買い替えのコストを大幅に減少させることができるのである。

また、このような長寿設計はモデルチェンジに伴う様々なコストの削減にもつながる。同じモデルを長期間活用できることで、設置スペースの検討や以降のためのコストなどの節約が可能となる。もしもの場合のサポート期間も長期にわたるため、サポート期間外での運用というリスクを負う必要も無くなるだろう。

また、一般の家庭ではありえない環境での運用にも強い耐性を持つ。産業用コンピューターは清掃の管理の行き届かない場所や、工場のように常にホコリやチリが舞っている場所での運用も可能性として考慮されているため、あらかじめ防塵・防水加工されていたり、そもそも各パーツが汚れなどに強い耐性を持っていることも珍しくない。

もちろん綺麗に運用するに越したことはないのだが、民生用にはない頑強さを備えていることは安心感にもつながる。

民生PCに産業用PCが劣る点としてあげておかなければならないのは、一台あたりの価格は民生用に比べて高額になるという点だ。耐久性や想定されている運用年数を考えると当たり前だが、短期間での運用を考えている場合にはこの点はきちんと考慮しておくべきである。

安価に高いパフォーマンスを発揮

とはいえ、現在では安価で高いパフォーマンスを発揮する産業用PCも存在する。MegaIO-INDもそのような低コストで高い性能を発揮できることを目的に作られた次世代の基板で、現在Kickstarterで一枚あたり28ドルで販売されている。

また、MegaIO-INDはアーミーナイフのように高い汎用性を持ったプロダクトとなっている点も特徴だ。電圧・電流アナログ入力はあらゆる産業用ディテクターやセンサーからもたらされるデータを読み込み、処理することが可能で、用途を選ばない。

そして出力はバルブにアクチュエータ、その他多くの産業用デバイスをコントロールすることができ、ユーザーに応じた働きを自在に行うことができる。

MegaIO-INDはスタックさせることも可能だ。最大4台までのMegaIO-INDを重ね合わせ、一台のRaspberry Piでコントロールすることもできる。

MegaIO-INDはこれまでに二つのプロトタイプを製作しており、いずれのケースにおいても特定のパフォーマンスを発揮できないという技術的な問題に直面することはなかった。

MegaIO-INDは2019年の1月に随時発送を予定しており、発送は世界各国に対応しているので、日本からの注文も可能となっている。