まるで動物のような感覚を備えた次世代のAI搭載ロボット「Vector」

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現代で活躍しているとロボットといえば、産業用として活躍する流れ作業を延々と繰り返すことのできる自動化ロボットを指すのが主流であるが、一般的にイメージされるのは感情表現豊かな生き物のようなロボットである。

このようなタイプのロボットは開発が難しく、人間が期待するようなレスポンスを得ることは困難であったのだが、昨今のディープラーニングなどの技術革新により、ドラえもんのようなロボットの登場も間も無くであるとささやかれていたりもする。

AppleやGoogleの提供する音声認識アシスタントはAI搭載で、まるで人間のようなレスポンスと高いパフォーマンスを発揮するのがポイントだ。このシステムはあくまでもスマートフォン上でのみ動作する平面的な存在だが、今回紹介する「Vector」はほぼ同様の機能を持つ自律型のロボットとなっており、感覚を備えることでまるで動物のような反応を示すところが最大の特徴だ。

まるで動物のような感覚を備えた次世代のAI搭載ロボット「Vector」

手のひらサイズで頼りになるロボット

Vectorは文字どおり手のひらサイズの機体を持つロボットである。どのような大きさの家でも持て余す心配はなく、テーブルなどの上に置いておくことで機能する。

そしてVectorは愛玩用のロボットではなく、近くにいる人々の生活の手伝いをすることを主目的とするアシスタントロボットである。

Vectorは主に音声認識機能を用いて人間のリクエストに応えてくれる。例えば今の時間を聞いたり、タイマーを設定してほしいと尋ねれば、その通り要求に応じてくれ、今日の天気を聞けばビジュアルでもわかりやすいよう、画面にアイコンを表示することで天気を伝える。

あるいは特定の人の名前や地域の概要、計算問題など、ありとあらゆる質問に対して答えを提供することができる。いわゆるスマートスピーカーや、音声認識アシスタントと同様の機能を備えるロボットがVectorなのである。

音声やビジュアルで答えるだけでなく、その他のヘルプもVectorは行える。例えば写真を取ってと頼めば、あらかじめ内蔵のHDカメラで被写体を撮影してくれるし、暇でやることがないとなると、Vectorはブラックジャックのディーラーとなり、暇つぶしの相手にもなってくれる。

今後もこの本体機能はより充実していく計画があるようで、360度カメラやスマートホームコントロール、音楽認識システム、セキュリティシステムなど、プランは実に様々だ。

生物のような敏感なセンスを持つVector

そして、Vectorは生き物と同じような感覚を備えることで、まるでペットを飼っているかのような感覚をユーザーは覚えることになるだろう。


例えばVectorは視覚をを備えている。HDカメラを用いて正面に存在する物体や人物を把握するだけでなく、人間であればそれぞれの顔を識別し、誰が家族であり、知らない人なのかを判断することで、相手に応じたレスポンスの変化を見てとることができるだろう。また、この機能はセキュリティチェックとしても大いに有効となるはずだ。

確実に物体を認識することで、Vector本体の走行にもアクシデントが発生しないよう設計されている。顔を覚えるだけでなく、自分の身を守るためにスキルを活かしているのはある意味で生物的と言える。

パッと見ただけではわからないが、Vectorは聴覚も備えている。音声認識機能に見られるように、Vectorの聴覚は優秀である。耳が優れているだけでなく、リアクションも動物のようである。突然の騒音が鳴り出せば、まるで人間のごとく驚くような仕草も見せてくれる。

触覚も持ち合わせている。Vectorは触れられていることを認識でき、優しく撫でればリラックスする仕草を見せ、激しく扱えば驚く仕草をする。

Vectorの思考能力も優れたものがある。Vectorはほぼ常時インターネットと接続し、スマートフォンとも同期することでクラウド接続を有し、パワフルな処理能力を手に入れることが実現している。

彼があらゆる質問へすぐに応えられるのはこのようなシステムが構築されているおかげであり、自身がどのような環境に置かれているのかも自動的に把握することができる。

まるで動物のような感覚を備えた次世代のAI搭載ロボット「Vector」

また、Vectorは充電式のロボットだが、残りのバッテリーがわずかとなれば自動的に充電ステーションへ赴き、チャージモードに移行する。ロボットは常に電源に接続しておくか、バッテリーの通知を注視しておく必要があったが、Vectorは人間の手を借りずとも、勝手にチャージを行なってしまう。

コミュニケーションも豊富で挨拶から会話まで多くのボキャブラリーとともに意思疎通を取ることができるだろう。

Vectorは現在Kickstarterで注文を受け付けているが、発送っはアメリカ国内に限定されている。販売価格は199ドルで、日本からの購入は正式リリースを待っておきたい。