人間の脳のようなスマートさを実現した開発ボード「tuBoard」

電子工作やAI、ロボットが身近になった今、次々にそのような分野に興味を持つ人が増え、実際に産業としても拡大傾向にある現在だが、電子工作のためのキットなども続々と新しいものが増え続けている。

一昔前では個人でできることといえばたかが知れていたものであるが、今では個人や初心者でも自在にAIを扱うことができたり、単純化されたプログラミングにより複雑な回路設計でも動作するようなものを作れるほど政策のレベルが上がっており、ますますこの分野は華やかなものとなっていくだろう。

とはいえ、まだまだ一般的に見ればそのハードルは高く、最初でつまづいてしまうことで長続きしないことも多い。こういった工作は最初が肝心なのだが、最初が難しすぎるために人口が今以上に伸び悩んでいるのも事実だ。

そのためメーカーからはそのソリューションとして様々なキットがリリースされてきたが、今回の「tuBoard」もそのような取り組みの一環として誕生した開発用ボードである。


未だにハードルの高い電子工作

初心者が電子工作において挫折してしまいやすい要素はどこにあるのだろうか。tuBoardの開発チームは以下のような要素にまとめている。

1つは複雑で多すぎる量のワイヤーである。自分で使用しておきながら、もはや散らかりすぎてどこが接続されているのかも判断できないようになってしまう設計は、デザインとしては不適である。

あるいはモジュールの数が多すぎるボードというのも作り手に混乱を与えてしまう要因である。ワイヤーもそうだが、いくら取り扱いに慣れていても無駄に煩雑なつくりになっているのはケアレスミスも誘発してしまうため、デリケートな電子工作においては買いしたい設計なのだ。

そうかと思えば、少なすぎるポートが問題を起こしてしまうこともある。ある程度慣れてくると、あるいはそうでなくともLEDライトやボタン、ディスプレイなど接続したいパーツが複数になってくると多くのポートを必要とするケースも生まれる。

しかしながら設置されているポート数が少ないために必要なパーツを意図的に削除する必要が出てくるため、開発者は不必要に創造力を妨げられることもあるのだ。

人間の脳のようなスマートさを実現した開発ボード「tuBoard」


これらのような余計な手間が生じることで、本当に作りたいものが作れなかったり、正しく動作するはずが余計な工夫をしいられたり、複雑な構造になっていることでケアレスミスを誘発し、正しく動作しないということもある。

製作そのものの難易度よりも、結局はその過程で生まれるストレスが創作意欲を削いでしまう原因にもなっているのだ。
そのような問題を解決するために、tuBoardはシンプルでまとまった性能を持った開発ボードとして誕生した。

tuBoardの3つの機能

tuBoardは3つの特徴によって上記のような問題を解決しようと試みている。1つ目は2つで1つとして機能するuControllerの存在である。

uControllerは人間でいうところの右脳と左脳のような役割を果たすチップで、2つボード状に設置し、リンクさせることで省スペースながらも驚きのパフォーマンスを実現する。片方はメインコントローラーとなり、ユーザーが求めているようなプログラミングの実行を促してくれる。

人間の脳のようなスマートさを実現した開発ボード「tuBoard」


ArduinoやRasberry Piなど、世の中には優れていて使いやすいマイコンも存在するが、tuBoardもそのようなプロダクトに負けず劣らずの使いやすさを備えた開発ボードとして生み出されたのである。

もう片方のuControllerはすでにプログラムされており、新たにユーザーがプログラミングする必要はない。これらの2つのuControllerを活用することで、tuColnntrollerとして成立するというわけだ。

2つ目に開発ボードそのもののデザインである。上述の通り、世の中にはあまりに煩雑で使い勝手の悪いボードにあふれているが、tuControllerは左右対称で洗練されたボードデザインとして設計されており、初心者から上級者まで使いやすいユニバーサルなデザインが意識されている。

全長は10センチにも満たないコンパクトさも魅力で、余計に場所をとったり無駄に大きいおかげで使用者が混乱してしまう心配もない。

ポートも合計8箇所用意されているので、拡張性にも優れている。コンパクトなデザインとなったぶん、拡張するのにも煩わしい思いをすることもないだろう。

3つ目にプログラミングの完結さである。

人間の脳のようなスマートさを実現した開発ボード「tuBoard」


プログラムを構築する際のコーディングもまた初心者には複雑難解で、挫折してしまう人も多い要素であるが、tuContorollerはライブラリをあらかじめ用意しているために、簡単なコマンドを実行するだけでコーディングを完了させてしまうこともできる。

tuBoardは現在Kickstarterで注文を受け付けており、1万2千ドルの出資金を集めることができれば1台あたり59ドルで購入することができる。

世界各国への発送も受け付けているため、日本からの注文も可能だ。