アウトドアで活躍する衛星通信機器「Bibystick」
確かに日常を忘れるためには普段から持ち歩いている電子機器などを全て家に置いて出かけるということが望ましいが、忙しい現代人であればそうもいかない事情もある。
例えば仕事の連絡が急に入ったり、家族との連絡に使用するなど、身の回りに連絡手段がないことでかえってリフレッシュができないなんていうこともあるだろう。
あるいはアウトドアでの活動をより快適で安全なものにするためには、常に通信状態が確保されている方が良いだろう。例えばこれから滞在予定のキャンプ地の天気予報や、海の状態についての情報などはリアルタイムで最新のものを入手できることが重要であり、もしも何かトラブルに巻き込まれた際などは誰かに助けを求められるよう電話回線が通じている必要がある。
しかしながらどこの国でも大自然の中では電話回線が整備されていないというのが大半である。自然環境を守るためにも必要以上の整備はされないし、そもそも利用する人が住んでいない地域では整備されていないのが当たり前である。
そんな中で活躍が期待できるのは衛星通信である。セルラー回線ではなく衛星通信を活用することで、近くに基地局がなくとも安定した通信状態を確保し、世界中のどこからでも連絡が取れてしまうというものだ。
アメリカ国内で発表されたBivystickはそんな衛星通信を手持ちのスマートフォンで可能にし、メッセージ通信や天気予報などの確認を人里離れた場所から行えるようにする便利なアイテムである。
従来の衛星通信の抱えてきたデメリット
衛星通信を可能にするデバイスといえば、従来のイメージだと機器そのものが大型であるというものであった。衛星電話などは携帯電話に比べて大きく、とても普段から持ち歩くには使いづらい面もあった。
また、基地局を介さない衛星通信は一般的な通信に比べてコストがかかるということもデメリットとして挙げられる。人工衛星を活用して通信するため、コストが大きくなるのは当たり前であると言えるだろう。
しかしながらBivystickは従来の衛星通信の抱えていたデメリットを大きく低減させ、誰でも気軽に通信環境を手に入れられるサービスを提供してくれる。
Bivystickが実現する現代的でスマートな衛星通信
例えば本体はその名の通りスティック状の形が特徴で、そのサイズはスマートフォンほどの高さと横幅が細くスリムな仕上がりとなっている。重さもわずか200グラムに満たず、誰でも気軽に持ち歩けてしまうサイズだ。
アウトドアアクティビティは荷物が多くなってしまいがちだが、Bivystickであれば荷物の負担となることもないだろう。
本体機能としては衛星通信を用いて位置情報を取得したり、テキストメッセージを送るなど、山や海で必要とされるであろう機能は全て利用することができる。
あるいは深い山の中や、大自然の中をひたすらに進んできた道をトラッキングし、今までの歩みを全て衛星通信で記録しておくこともできる。帰り道がわからずに遭難してしまうというケースは日本でもしばしば起こる事件だが、Bivysitckがあればその心配もない。
天気予報もいつでもBivystickを通じて確認することができる。出かける直前に確認した予報と現在の天気が異なるというのは山ではしばしば起こる現象であるため、逐一の天気情報を入手しておくことが快適なアウトドアライフを実現してくれるのである。
また、料金体験もユーザーに優しいシステムとなっている。衛星通信は確かに便利であるが、都市部に住んでいれば常時必要というケースはほぼなく、週末のアウトドアの時にだけ使いたいということがほとんどだ。
にもかかわらず一度契約してしまうと使っていないのに通信料金を支払わなければいけないというのがこれまでの料金体系であったため、利用者はごく限られたものであった。
Bivystickはその点に注目し、クレジット制を導入することにより効果的な料金プランを実現した。まず月々18ドル程度のベーシックプランを提供し、衛星通信やモニタリング機能をベーシックな機能としてサービスする。そこにクレジットを付与し、テキストメッセージや天気予測などの機能を使うことでクレジットを消費させ、余ったクレジットは翌月に持ち越せるというサービスを提供するというものである。
これであれば必要以上に料金を支払う必要もないし、ユーザーは使いたい時にだけ衛星通信を使うことができるようになるだろう。
Bivystickは本体料金が279ドルとなっており、アメリカ国内限定であるがKickstarterで注文を受け付けている。