デバッグと開発に活用したいArduino対応シールド「DeDe」
もちろん取り扱うパーツなどには目的や用途に合わせて様々なモデルが用意されているというだけなのだが、初心者に向いているというカテゴリとなるとどのようなことをしたいかによって初心者のニーズも変わってくるため、なかなかこれが良いというものは選び兼ねてしまうものだ。
世界で最も多くの人々に愛用されているマイコンといえばArduinoが挙げられる。これは初心者や上級者に関係なく愛用されるモデルで、マイナーチェンジを繰り返しつつ長年愛用されてきたシステムであるが、これに対応したアイテムは互換性の面などからも取り扱いやすいと考えられる。
「DeDe」はそんなArduino、そしてArduinoに対応するパーツと互換性を持ったコンピュータシールドとなっており、初心者からプロの開発者まで多くのユーザーにとって得るものの大きい開発環境を提供してくれるだろう。
あらゆるニーズに応える使い勝手の高さ
電子工作において、初心者のニーズというのはつまるところ使いやすさや汎用性といった要素が大きなウエイトを占めると言えるだろう。多少の開発環境に差があったとしても、互換性の高いパーツを使うことで各々の微妙な差異を気にすることなく開発そのものに打ち込むことができる。
指導要領とは異なるアプローチやパーツで工作を行い、互換性がないせいで制作意欲を削がれてしまうというトラブルは初心者に見受けられる挫折経験の1つだろう。
個人での制作だけでなく、教育の現場でも使い勝手は重要である。STEAM教育といったプログラミング・電子工作ありきの学校教育が話題となる中、多人数の教育に最適化された扱いやすいコンピュータやソフトウェア、パーツの存在はその重要性を増しつつある。
ハードウェアの市場としても、そういった教育現場のニーズは大量発注のきっかけにもつながるため、誰にでも子供でも扱えるモデルは大きなポテンシャルを秘めているのだ。
また、プロフェッショナルの現場においても互換性に優れたパーツの存在は重要である。デバッグや仮製作の際にサクサクとプロトタイプを組み上げてしまいたいときに、専門性が高く使い勝手に困るパーツを使っていては求めている動作や結果を正しく得られない可能性もある。
Debug&Developmentの略称として名付けられた「DeDe」はそのような需要に合わせて誕生したシールドである。
電子工作におけるシールドとは外部からの電波やノイズの干渉を避けるために装着するパーツであるが、DeDeあらゆる情報を確認できる機能を備え、、様々なデバイスとの互換性も高い優れたArduinoシールドとなっている。
トライアンドエラーを推奨する使いやすいデザイン
複数備えられているGPIOピンはグリーンとレッドのLEDランプ表示で歌詞化されており、一目で入出力などを確認できる。プロトタイプ装置はどのGPIOピンとも接続することができ、外部デバイスを通じた実験などにも容易に応用することができる。
デジタル回路系による電圧測定や、オシロスコープによる波形観察、時間計測のためのタイマーなど、どのようなテストにも対応可能となっている。
また電子回路を取り扱う際にはブレッドボードと呼ばれる実験用の基盤もよく用いられる。半田付けが必要ないことから重宝されるパーツだが、DeDeには備え付けでブレッドボードが用意されており、別売りのものをわざわざ購入する必要はない。
新しい回路をどんどん試したいが、固定するのが面倒であるという際に活躍するブレッドボードであるが、DeDeは積極的に実験してもらいたいという意図からあらかじめ備えられているのだろう。
リセットボタンもDeDeに初めから備えられており、システムに異常が発生した場合や初期化して作り直したい場合には重宝する機能となるだろう。
DeDeは現在Kickstarterで出資を募っており、1万4千ドルを目標金額に設定している。DeDeは一枚あたり29ドルで注文を受け付けており、3枚で79ドルといったように複数枚の購入でそれに応じた割引が適用されている。
教育機関や組織での活用を想定した25枚入りのバンドルパックは579ドルで販売されており、電子工作教室や教育カリキュラムへの導入を考えている場合には購入を検討したい。
発送は世界各国に対応しているため、もちろん日本からの注文も可能だ。