ブロック遊びで子供にもわかりやすいプログラミング教育を「Tinkamo」
しかしながら、そこで問題となってくるのがやはりどのようなカリキュラムを子供に用意するかという問題である。外国語教育であれば他人とのコミュニケーションというものが発生するため、子供にとっては比較的飽きにくいのかもしれないが、プログラミング言語となるとそのハードルは高くなる。
プログラミングは教え方に工夫がなければただの文字の羅列をひたすらに入力することが大半の作業となってしまうため、子供はもちろん大人にとってもストレスの多い作業が増えてしまいがちだ。
そのため子供にプログラミングを教えるためにはそれなりの工夫が必要になるのだが、「Tinkamo」は実際にブロックとプログラミングを連動して動作するようにできており、プログラミングのスキルを学びながら普段の遊びをより楽しいものにすることができるようになる。
ブロックで楽しみながらシンプルに学習できるキット
Tinkamoはワイヤレスで動作する新しいタイプのブロックで、子供はコーディングを学びながらブロック遊びに取り組むことができる。パーツにも様々なバリエーションが存在し、コードに対応するギミックを活用すれば、その可能性は無限に広がることになるだろう。
Tinkamoのコーディングは手持ちのタブレットに専用のアプリケーションをダウンロードすることで行うことができる。そして、直感的なコードの組み合わせにより、子供でも簡単に仕組みが理解できるよう工夫が施されている。
一般的なコーディングはコードを直接入力し、その入力に間違いがあるたびにエラーが発生し、正常に入力しなければ求めていた挙動が得られないということも日常茶飯事であるのだが、Tinkamoはあらかじめ決められたコードが用意され、タッチパネルでテンプレートを様々に組み合わせることで取り扱える。
プログラミングはバグの修正に費やす時間が大半を占めると言われるが、それがプログラマーの人口が増えない原因の一つとも考えられる。Tinkamoはそのようなバグの発生のリスクを最低限に抑え、わかりやすい形でプログラミングのエッセンスを掴めるよう設計されているので、子供でも飽きることなく楽しむことができるようになるはずだ。
あらかじめ付属するブロックの種類も豊富である。クレーンやホイール、モーターや、スイッチなど汎用性の高いものが用意されており、そのたそれぞれのパーツを最大限に活用するためのブロックも付属する。
また、あらかじめ用意されているブロックだけでなく市販のレゴブロックとの互換性を備えている。そのためレゴブロックのキットとして販売されている自動車などにTinkamoのキットを組みことにより、レゴで組み立てたキットに自走機能などの新しい性能を加えることもできる。
これまではディスプレイや手で遊ぶしかできなかったレゴブロックの製品にもTinkamoによって新しい命を吹き込むことも可能になるだろう。
あるいはTinkamoをベースにして、全く新しい何かを作ることができるようになるかもしれない。ただのおもちゃではなく、生活に密着した実用的なものを作ることもTinkamoを使えば可能になるはずだ。
使用するアイテムも無理にブロックだけにこだわる必要はない。日常に溢れている様々な器具や小物と組み合わせることで、大人には思いもつかなかった何かを子供達が作ってしまう可能性も秘めているのである。
Tinkamoにはアドオンとして、ダンボール製の楽器を組み立てられるキットも用意されている。弦楽器やキーボードを別途組み立て、Tinkamoと接続させれば簡単な楽器として遊ぶことができ、いくつか種類を集めれば小さな演奏会のようなものを開くこともできるだろう。
Tinkamoは現在Kickstarterで出資者を募っており、5万ドルを目標金額に設定している。すでに目標金額は達成され、6万ドル近い資金調達に成功しているので、滞りなく出資者にはTinkamoが届けられるはずだ。
Tinkamoの出資プランはキットの規模ごとに分けられており、最低限のブロックがセットになっているモーターキットは29ドルからの出資で入手することができる。
ダンボールキット以外が収められたスターターパックは199ドルからの出資で入手することができるため、Tinkamoを十分に楽しみたいという人にはこちらがおすすめとなっている。