冷蔵庫にある食べ物をスマートに管理「Ovie Smarterware」
外食を楽しむのはもちろん、家庭での料理も盛んである。インターネットが普及したおかげで、料理本を買わずとも様々なレシピを無料で手に入れることができるようになったし、料理風景を動画で撮影し、共有サイトで公開するようなことは子供にできるほど手軽になった。
そして家庭で料理をする際の特徴として、ほぼ確実に作ったものの残り物や、調理の際に余った食材を保管する手間が生じることが挙げられる。余ったものは冷蔵庫や冷凍庫に入れて保管するのが一般的だが、この保管方法は半世紀以上にわたり変化することなく続けられてきた手法である。
食品を腐らせないよう密閉し、かつ涼しいところや冷蔵庫で保存するやり方は確かに最も簡潔かつ有効な手法なのだが、もう一つの問題としてせっかく保管しておいたものに結局手をつけず、そのまま廃棄してしまうことも少なくないところが挙げられる。
「Ovie」はそのような食品の保管方法に関する問題に注目し、スマートな管理をユーザーに提供することで、食品廃棄の問題に取り組もうとするプロダクトである。
先進国の抱える食品廃棄の問題
私たちが食への関心をますます強めている要因の一つとして、SNSの普及も見逃せないだろう。#foodpornや#breakfastといったハッシュタグを活用してより多くの人に美しい写真を紹介できるインスタグラムのようなサービスは、ユーザーに新しい料理や写真に触れるきっかけを与えてくれるとともに、凄まじい消費の加速を促す装置としても機能している。
消費の活性化は確かに人や経済を豊かにしてくれるかもしれないが、食品に関しては食物の廃棄処分をも加速化させる要因にもなりつつある。
日本でもインスタ映えする食事の写真のみを取り、あとは食べずに捨てるというケースが話題になりつつあるが、これは海外でも同様である。特に大量消費の国であるアメリカでは食物廃棄の問題が深刻で、年間760億ガロンもの廃棄食品が生まれ、処分のためにアメリカの25%に当たる新鮮な水を消費している。
そして処分にかかる費用は毎年1610億ドル、これを各家庭に分散すると、毎年2000ドルもの出費を処分のために強いている計算になるのである。アメリカほどではないが、日本を含めた先進国では廃棄食品に関する問題は少なからず存在することは同様だ。
Ovieの有効な活用方法
Ovieはそのような廃棄食品の問題を解決するべく誕生した製品である。これはOvieを用いて保管している食品がいつから保存されているのかをライトでユーザーに知らせ、冷蔵かに眠る早めに消費すべき食品を一目でわかるようにしてくれるという機能を備えている。
ライトは緑→黄→赤という順で変化していき、パックされている食品に応じて、その変化のスピードも変わってくる。黄色に転倒している食品は早めに消費すべき食品で、赤に変わってしまったものは廃棄が推奨される食品であり、何を食べるべきで、何を捨ててしまうべきかを瞬時に把握することができるようになるだろう。
一つ一つの食品はあらかじめ専用のアプリケーションを用いて管理することができる。パックする食品は何で、いつまでに消費してしまうべきかを逐一管理することで、冷蔵庫内にある全ての食品の状態を把握し、効率よく入れ替えていくことができる。
冷蔵庫の節電にはできる限り中に入れるものを減らし、負荷を軽くすることが挙げられるが、Ovieによる管理システムを導入すれば、効果的に食品を消費し、不必要に冷蔵庫内にものを溜め込んでしまう心配もなくなるだろう。
また、Ovieはボイスコントロール機能を備えるスマートスピーカーとも連動させ、より使い勝手の良いアイテムとして機能させることもできる。食品のカテゴライズの際に音声入力で作業することができたり、早めに消費した方が良い食品を認識させることで、今晩のディナーの候補として期限が迫っている食材を推奨してくれるなど、より家庭内の食事事情に貢献してくれるシステムを構築することもできるようになるのだ。
食品の状況は冷蔵庫の中で点灯しているOvieを参考にすることもできるが、アプリをダウンロードしたスマートフォンからでも情報を閲覧できるようになっている。冷蔵庫にはどのような食品が眠っており、何を買い足すべきかといった情報を外出先でも確認できるので、何を買うべきかを忘れてしまったり、あらかじめメモをしてから買い物に出かけるといった作業も必要がなくなるだろう。