遊びにもよし、教育にもよしの万能ラジコンカー「RaceYa」

最近ではラジコンの代わりに、ドローンの存在が娯楽としても教育としても注目されるメカニックな遊びとなりつつある。

確かにドローンはハイテクなコンピューター制御で動作し、マニュアルでの操作だけでなく自動追尾機能がついていたり、高感度カメラが搭載されていたりなどの技術が集積され、いかにも次世代機らしい特徴が目を引く。

しかしながらラジオコントロールによる機体の操作も決して陳腐化してしまったわけではなく、ラジコン特有の操作感やカスタマイズ性の魅力は今だに衰えてはいない。特定のファンも多く、ドローンにはない特徴も備えていることから、ある意味でドローンとラジコンは差別化して考えるべきカテゴリーと言えるだろう。

そしてラジコンの面白さやそのメカニズムの魅力にはまだまだポテンシャルを引き出せる余地がある。そこに注目し、現代の子供たちにも楽しんでもらいながらそのエンジニアリングにも興味を持ってもらえるよう改良を加えたのが、今回発表された「RaceYa」である。

ドローンではなくラジコンを選ぶ理由

次世代の「ラジコン」として注目を集めるドローンだが、従来のラジコンがドローンに比べて優れている点もいくつか存在する。

一つ目のメリットとして、ラジコンは比較的シンプルな構造になっている点である。ドローンは確かに高機動・高機能が魅力であるのだが、いざ分解したりカスタマイズするとなると話は少し違ってくる。そのようなドローンの高機能性を支えているのは優れたパーツの他に、優れたコンピューターが搭載されていることが大きい。

コンピューターもまたハイテク化によりシンプルかつ高性能になっているとはいうものの、コンピューターエンジニアリングは電子工作をより複雑にする特殊なスキルでもある。子供でも理解できる電子工作や趣味程度でカスタマイズを楽しむのには、いささか難易度が高くなってしまうのだ。

ラジコンであればコンピューター制御の要素は極力少なくなるため、純粋なラジオコントロールによる挙動と、パーツの性能による走行性能の違いを楽しむことができる。シンプルに物事を楽しみたいというニーズには最適といえるだろう。

また、ラジコンはドローンに比べてコストが安価になる点も大きい。これはコンピューターや高性能なカメラを搭載しないことによるコストの違いが大きいのだが、ラジコンが比較的リーズナブルな価格で手に入るのは、子供向けの電子工作キットを探している人にとっては嬉しいポイントである。

子供に電子工作などの繊細なスキルに関する学習の機会を与える場合、粗雑な扱いにも耐えうる構造のものを選びたいところだが、ラジコンのように比較的安価でシンプルな構造、つまり故障しにくい機体を与えることは、教育にも適しており、機関向けの大量導入に際してもコストを抑えることができる。

遊びにもよし、教育にもよしの万能ラジコンカー「RaceYa」


現代の子供に向けて作られたRaceYa

RaceYaはそのようなラジコンとしてのメリットを踏まえつつ、STEM教育も念頭に置いた設計となっている。RaceYaはデフォルトで用意されている限られた機体だけでなく、様々なパーツを組み替えながら遊ぶことでオリジナルの機体を組み上げることができる。

遊びにもよし、教育にもよしの万能ラジコンカー「RaceYa」


自身の想像力や求める性能に応じて、パーツを組み替えながら満足のいく1台を手に入れることが可能だ。

ラジコンは男の子のおもちゃというイメージも強いのだが、RaceYaは男女を問わず遊んでもらえるデザインを意識して制作されている。カラーリングのようにビジュアルでのユニセックス性にこだわることで、できるだけ多くの子供たちにRaceYaを手に取ってもらい、電子工作に興味を持つ機会が与えられるよう配慮されている。

RaceYaは心ゆくまでカスタマイズすることにより、ただ速さやテクニカルさを極めたレースカーを生み出すだけでなく、面白い挙動を示すキャラクターを生み出すこときっかけをも与えてくれるだろう。

このような遊びを通じて、子供達は自然科学やメカニックに関する様々な発見や知識を得ることができるだろう。タイヤの形の違いによる摩擦の違いや、重量と速度の関係、表面積と空気抵抗に、ギアの仕組みや位置エネルギーなど、遊びから発見できる要素は山のようにある。

RaceYaは現在Kickstarterで出資者を募っており、7万5千ドルを目標金額に設定している。139ドル以上の出資でRaceYaを一台手に入れることができるが、発送はアメリカ合衆国内に限定されているので、日本からの注文はできない。

しかしながら出資そのものは日本を含む世界各国から行うことができるので、この活動を支持したいという人は少額でも支援することができる。