従業員の労働力をもっと柔軟に活用するために。Tescoが活用するOracle FusionとKPMG
こうしたインターネットを活用した新しいWebアプリケーションによる新しい収入の獲得方法は『ギグ・エコノミー』と呼ばれている。
ギグ・エコノミーは従来の企業に雇用されて働くという昔であれば当然のようにあった概念を覆そうとしている。インターネット接続と操作端末さえあれば、個人が企業に属することなく収入を得ることもそれほど難しくない時代になった。
イギリスに本社を置く小売企業のTesco(テスコ)は、ギグエコノミーを取り入れようとしている企業の1つだ。同社が目指している新しい働き方は、"労働力を最適化するスーパーマーケット"の計画だ。
具体的に言うと、Tescoはスケジューリング昨日のOracle FusionとKPMGを活用して従業員がもっと柔軟性の高い働き方ができるように新しい技術を実装しているところだ。
最近ロンドンで開催されたOracleの「現代ビジネスエクスペリエンス」というイベントで、同社のスーパーマーケット担当のHRトランスフォーメーション・ディレクターであるNigel Fletcher氏は「柔軟性の高い働き方とは、従業員のスケジューリングを最適化することです」と語った。
TescoはOracleのFusionを活用して従業員のスケジューリングを行うことで労働力の柔軟性を高める。
Tescoが活用するOracleのFusionとは?
またFletcher氏はこう付け加えている。「Tescoの従業員が柔軟性の高い働き方を実現するには、1つのスキルを持つ人ではなく、複数のスキルを持つ人を多く持つことが必要です」と説明した。
Tescoに勤務している人で、Tescoのみで働くという考えを持っている人は現象している。彼はギグ・エコノミーの成長を認識しており、ますます多くの人々が複数の組織で働くだろうと付け加えた。
OracleのFushionではいつでもどこでもスケジュールの変更が可能
Tescoの新しいスケジューリングシステムは現在、OracleとKPMGで実装されている。このシステムの操作は簡単でユーザーフレンドリーであるとフレッチャー氏は語る。
「会社で働いている同僚はいつでもどこでもクエリに答え、リクエストを行い、変更を加えたいと思っています。たとえばあるスタッフが午後に仕事をしたいと考えていたとして、移動中に残業をするためにプラットフォームを使用することができます。」
別の例ではシフトの交換についても説明している。「私は子供通っている学校の先生に会いに行く必要があるときに、シフトを他の人と交換することができます。私は収入を減らしてまで先生に会いに行くことはしたくありません」と彼は語っている。これだと気軽にシフトを交換できることで用事があったとしても収入を減らすことなく働くことができる。
シフト制の仕事をする際、同僚同士で話をしてシフトを交換するというのはよくある話だが、これだとシフトの交換を依頼した側で心理的負担が発生してしまう。プラットフォームを活用することで、心理的負担を感じることなく自分が都合の良い時間を活用して働くことができる。
パラレルワーカーが多くなるのは将来当たり前になる?
こうしたシフトスケジューリング機能を備えたプラットフォームを活用した働き方が浸透していくようになれば、労働者は1つの企業に縛られることなく複数の企業で自分の好きな時間帯に働くことができるようになるのではないだろうか。
ギグ・スタイルの仕事についての別の言及で、フレッチャー氏は次のように言った。「複数の組織が同時に人員を最適化できれば、今後どのような可能性があるでしょうか?私たちは働く人口の5〜10%を最適化することができるでしょうか。より多くの人に幅広い選択肢と柔軟性を提供します。
システムへの信頼を高めるためには
フレッチャー氏は、新しいシステムの重要な目的が労働力によって信頼されることであると説明した。 「残業は公正でなければいけません。労働者が適切な時期に適切な場所にいれば、時間を超過することはありません。私たちの同僚はプロセスが公正であることを彼らに望んでいます。もう一つは休暇の割り当てです。学校休暇を取るのがいつも同じ人でないことを確認するには、それは非常に公正なプロセスでなければなりません」
つまり、残業と休暇の割り当てが確実になされなければいけないということを強調している。
また、フレッチャー氏は「同僚にシンプルで親切で信頼できる体験を提供することで、私たちの同僚は結果として組織の生産性を向上させる柔軟性を提供することを選択します。」
フレッチャー氏はテスコのスケジューリング・ソリューションが顧客に私たちが望む経験を確実に提供するために、本当に正確なスケジュールを実行するために必要な複雑さを持つ労働最適化モデルによって支えられなければならないと強調している。
まとめ
Tescoは従業員が柔軟に働くことができるようにテクノロジーの活用を行なっている。
また同社は管理職の柔軟性の高い仕事の機会を通じ、パートタイム労働者のキャリア進展の障壁を取り除くためのパイロットスキームとしてコンサルタント企業のTimewiseと協力するなどしている。小売業のほとんどはパートタイムの従業員であるため、これらの人たちに対しキャリア育成のためのコンサルタントサービスをTimewiseが行う。
イギリスの小売コンソーシアムのBRCの調査によると、小売業の半数以上がパートタイムで働くと昇進する可能性は低いと信じており、3分の2は柔軟なパートタイムのパターンを維持できれば管理職になりたいと考えている。
Timeiwse社の共同エグゼクティブ・オフィサー、Emma Stewartは、労働時間の柔軟性が人々が小売業で働くことを選択する最も重要な理由の1つだと述べている。
Tescoはこのように小売業に従事するパートタイム従業員に向けたプログラムも用意することで、労働者に対して自身のキャリアについて考える機会も与えている。Tescoの取り組みは労働力の柔軟性を高め、労働者が自分のライフスタイルや働き方について自由に選択できる機会を与えるための努力を行っている。
https://www.personneltoday.com/hr/technology-to-drive-gig-style-working-for-tesco-staff/
画像出典(1枚目):Tesco
https://www.tesco.com/
画像出典(2枚目):Pixabay
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