スマートテクノロジーでバイクヘルメットをハイテク機器に「Quin Helmets」
バイクヘルメットもその一つであり確かにヘルメットは被らなければ危ないということはわかっているのだが、あれだけ大きなものを被りながらの走行はやはり負担であり、快適さが損なわれることから嫌う人は少なくない。
しかしながら、最近では着用者の安全を守るだけでなく快適さにも注目してバイクヘルメットの開発を行っている企業も存在する。Quintessential Design LLCの「Quin Helmets」もその一つで、着用者は交通事故から身を守ることができるだけでなく、内蔵された高性能チップのおかげでスマートデバイスとして活用することができる。
「ながら操作」が起きないために
私たちが交通事故に巻き込まれる理由としては様々な要因が考えられるが、やはり意外と多くの割合を占めているのがわき見運転などの運転者や歩行者の不注意に起因するものである。最近では車やバイクを運転しながらの携帯電話・スマートフォンの操作の取り締まりは厳しくなっており、スマホを見ながらの歩行に対しても積極的な注意喚起が行われている。アメリカの一部地域など、海外によってはスマホ歩きも罰金の対象になっているほどだ。
スマホをついいじってしまうのはそれだけスマートフォンが私たちの生活に浸透していることの裏返しでもあるのだが、スマホをいじることでわき見になってしまうのは、操縦とスマホが分離した状態になっているからであり、操縦しながらスマホの画面を見ずとも操作することができれば、よそ見しながらの運転が発生するリスクを極限まで抑えることができる。Quin Helmetsは事故が発生した際に衝撃から頭を守ってくれるものであるが、同時にヘルメットそのものをスマート化してしまうことで、よそ見運転の防止を図るよう設計されているのである。
多機能性に富むスマートヘルメット
Quin Helmetsは手持ちのスマートフォンとBluetoothで接続することにより機能することができる。一つはGoogle Mapとの連動である。
車に乗っていればスマートフォンを横に備えながら地図を確認しつつの走行が可能になるものだが、バイクに乗っていると専用のスタンドでもない限り地図を確認することは難しく、いちいちポケットから出し入れする必要が発生してしまう。このような手間は人を横着にさせ、安易なわき見運転を誘発してしまう主要な要因でもある。
Quin Helmetsとマップを接続すれば、音声が直接進行方向を伝えてくれるため、マップをいちいち開かずとも現在ちや進行方向を確認することができるようになる。
二つ目にハンズフリー通話が可能になるという点である。バイクヘルメットをかぶっていては通話はろくにできないため、またもやポケットからスマホを取り出してはヘルメットを脱ぐという多くの手順を要するようになってしまうのだが、Quin Helmetの場合直接ヘルメットを装着しながらの通話が可能になるため、多くの手間が削減される。また、バイクに跨りながらでもワンタッチで通話モードに移行することができるため、両手でしっかりとハンドルを握ったままでの通話も気軽に行うことができる。こちらも車であれば容易ではあった機能だが、バイクだとなかなか実現しなかった、痒いところへ手がとどく機能であると言えるだろう。
三つ目に音楽の操作である。バイクに乗りながら音楽を聞くというのは難しく、これまでは諦めるか大音量で音楽を流しながらの走行になるかの二択であったものだが、Quin Helmetを利用すればワンタッチで音楽をヘルメット内に流すことができる他、スマートフォン上の操作を必要としなくなるため、操作なしに延々と音楽を流し続けることができる。もちろん音楽の停止もワンタッチで可能だ。
四つ目はSiriやGoogle Assistantといった、音声認識機能の利用である。これは自動車においても最近になって導入が始まったテクノロジーであるが、Quin Helmetは早速音声認識AIを活用しながらのバイク走行を楽しむことができる。例えばガソリン切れが近づいてきたことを察知した場合は、すぐに音声認識機能を用いて近くのガソリンスタンドを探すことができるし、音楽をかけて欲しい時も音声認識で操作することができる。
自動車の走行以上に制約の大きいバイクでも、音声認識で自由自在に情報を操ることがデイk流ようになるだろう。
Quin Helmetsは現在Kickstarterで出資者を募っており、200ドル以上の出資でQuin Helmetをい一つ入手することができる。発送は世界各国に対応しており、ヘルメットタイプにもバリエーションがあるため、日本からでも気に入ったものを注文することが可能だ。