世界初のAI管理型自家栽培用デバイス「Herbot」

家庭菜園はいざ初めてみると楽しく、植物の成長を見守ることが習慣になっていくものだが、長く続けていくうちに大変になってきてしまうこともある。

例えばうまく植物が育たなかったり、実がなるはずなのに満足のいくものが実らなかったり、虫害や病気、天候不順によって植物が腐ってしまうなど、自然物であるがゆえに思い通りにいかないことも多々存在する。

それも込みで家庭菜園を楽しむという人は問題なさそうだが、「Herbot」は完璧に植物を育て、食べられる作物を作りたいと考えている人には最適の人工栽培キットであると言えるだろう。


植物の成長に必要なのは肥沃な土壌と水、そして太陽の光である。これらのどれかが欠けたり、あるいは多すぎてしまうと栄養のバランスが崩れ、うまく育たなく原因となってしまう。

また、植物は生きものであるため、その時に応じて必要な栄養というのも異なり、それに合わせて必要なものを足したり減らしたりというケアを施す必要があるのだが、これも素人にはなかなか調整が難しいものである。

そのような植物のケアの手間をHerbotが一挙に引き受けて全自動で行ってくれる。Herbotは植物をケースに入れて管理するタイプの人工栽培キットで、ケース内では植物に対して土壌・水・日光の全てが与えられるよう設計されている。

また、それらの栄養素は必要に応じて自動的に増減が決定され、人間がいちいち面倒を見なくとも勝手に最適な環境を構築してくれるのだ。

人間がやらなければいけないのは、定期的な水分の補給と、事前にHerbotへの育てる植物の品種の登録、そしてタネをHerbot内にセットすることだけだ。あとはHerbotが与えられたデータに合わせて自動的に水をやり光を調整するので、放置しておくだけですくすくと植物は育ってくれる。
人間が行わなければいけない水やりの頻度もごくわずかである。Herbot内部に水をセットするのでも良いのだが、別に大型のリザーバータンクを用意し、そこに水を貯めておけば自動的にHerbotが必要に応じて給水し、植物へ水を与えてくれる。水がなくなった際にはHerbotが知らせてくれるため、水やりを忘れてしまう心配もないだろう。リザーバータンクをセットすれば数ヶ月に一度の給水でじゅうぶんとなるはずだ。

また、Herbotは自動的に水の状態も最適化するプログラムがセットされている。より植物に適した水分補給を実現するためには水の温度などにも気をつけなければいけないが、Herbotはこの水の温度管理も繊細に管理し、自動的に最適化してくれる。

Herbotはあらかじめ設定されたアルゴリズムが大きな役割を果たし、これが植物を上手く育てるための最大の特徴であると言えるだろう。温度管理や二酸化炭素量、湿度など、植物に与える栄養だけでなく環境も数値化して計測できるようになっているので、常に植物にとって優れた状態が維持されることとなるのである。

Herbotによってケース内で植物が管理されることにより、まずは栽培過程におけるアクシデントのケースは大きく減少することになるだろう。台風や日照り、大雨によってダメージを受けることはなくなり、室内で育成することができるようになる。そして毎日の管理がほぼ自動で行われるため、長期の旅行の際も事前に水を補充しておくだけであとは放置するだけでも全く心配することはなくなるだろう。

加えてほぼ密閉された空間で育成するため、虫害や病気のリスクも大きく減少させることができ、植物の健康を阻害することもない。

また、虫害や病気から植物を守るために薬を散布したりする必要もないため、のちに食用として考えている作物でも人間にとってやさしい無農薬の作物として育成することができる。薬を使わなくて良いということは、自然に必要以上の負荷をかける必要もなくなるということで、自然環境の保護にもつながる。

室内による完全な家庭内菜園の実現は環境保全にも役立つのである。

また、スマートフォンのアプリケーションと連動することでリアルタイムでスマートフォン上から植物の様子をチェックすることができ、詳細設定などもこのアプリケーションから確認が可能だ。
そしてHerbot内部にはGoogle Assistantも内蔵されており、AIスピーカーなどと連動させることで音声による操作も可能となる。一度設定してしまえば、あとは収穫まで放置することも可能になったのはHerbotの最大の利点であると言えそうだ。

Herbotは現在Kickstarterで出資者を募っており、3万ドルの資金調達を目標金額に設定している。200ドル以上の出資でHerbot miniを一台リワードとして入手でき、様々な追加の詳細設定が可能になったHerbot Pro、そして大型サイズのHerbot Grandeもそれぞれ220ドル、300ドル以上の出資で入手が可能となっている。

日本への発送にも対応しているため、興味のある方は出資してみると良いだろう。