植物の力で浄化する次世代の空気清浄機「NATEDE」
最近ではPM2.5や黄砂、そして花粉症なども公害として広く認知されるようになってきているため、もはや空気の清浄は飲み水を確保するのと同等のレベルで需要のあるプロセスであると言えるだろう。休みの日に自然の中へ新鮮な空気を吸いに行くというのは、物の例えではなくなってきているのである。
近頃は手軽な値段で空気清浄機を購入できるようになってきたこともあり、一般的な家庭でも空気清浄機を導入していることは珍しくない。しかしながら従来の清浄機はパフォーマンスを維持するためのメンテナンスに手間がかかり、常にフィルターの状態や水の量などを気にかけておかなければ、求めている力を維持することができないことがほとんどである。
「NATEDE」はそんな従来の空気清浄機とは一線を画し、そのサイズとは裏腹にフィルターの買い替えの手間なども必要としない、夢のような機能を備えた次世代の空気清浄機となっている。
植物の機構を利用した新しい空気清浄機
NATEDEは一見すると植木鉢のような形状をしている。下の土台部分は電子機器のようであるが、上部には植物が植えられており、空気清浄機としてはやや無駄な部分であるというイメージを抱いてしまうかもしれない。
しかしながらNATEDEはこの植物の存在が非常に重要となっており、植物の性質を生かしたファイトレメディエーション技術によって驚きの空気清浄技術を実現している。
ファイトレメディエーションとは生きた植物の性質をうまく活用した新しい浄化技術の一種で、現在様々な分野でその活用に関する研究が進められている。植物は葉の気孔や根の部分から水分や養分、空気を取り込みながら生活しているのだが、この際に植物が根を生やしている土、吸収する水、そして呼吸する空気の中から、汚染物質をも一緒に吸い込み、分解してしまうことが確認されている。
この性質に目をつけ、より効率よく汚染物質を吸収できるよう品種の改良を進めたり、環境を用意することで可能になったのがファイトレメディエーションと呼ばれる技術である。
NATEDEはこのファイトレメディエーションを家庭用でも用いることができるように設計されたコンパクトな空気清浄機で、まさに自然の力を活用して空気清浄を行える世界でも類を見ないタイプの空気清浄機である。
シンプルで便利な使い勝手
使い方もいたってシンプルだ。電源を入れる際には手を特定の場所にかざすだけで起動し、あとは自動的に空気状況を読み取り、状態に合わせて自動的に最適な空気の状態へと改善してくれる。この使用方法はオートマティックモードで、自動的に最適な空気環境を調整してくれるというものだが、他にも空気の汚れが著しい時に活用したいフルパワーで動作するパフォーマンスモードや、少ないパワーで緩やかに空気を浄化してくれるナイトモード、そして自在に調整できるカスタムモードといった計四つのモードを備えている。気分や状況に応じて使い方を変えてみることもできる。
また、植物の力を利用して空気清浄を行なうぶん、動作音も非常に小さく抑えられている。同時に電力消費量も少なく、環境にも優しい空気清浄機であると言えるだろう。
また、空気清浄に用いるフィルターは半永久的に使用することのできる特殊なフィルターで、定期的な洗浄さえ行えば常に購入時と同じパフォーマンスで買い替えの必要なく使用できるのは大きなメリットである。
NATEDEは独立して動作する空気清浄機であるが、手持ちのスマートフォンと連動させることでさらに快適に活用することもできる。NATEDEはWi-Fi機能を搭載しており、オフィスや自宅での無線LANに接続させれば、インターネット経由でスマートフォンから取り扱うことができる。Bluetoothにも対応しているため、遠近関係なくどこからでもNATEDEを利用することが可能だ。
スマートフォンからは専用のダッシュボードを起動することで操作可能になる。スマートフォン上にはNATEDEから送られてくる現在の空気の状態に関する情報や、これまでの統計情報が表示される。そしてNATEDEを直接操作することもでき、電源のオンオフや運転モードの変更など、あらゆる操縦をスマートフォン上から行えてしまうのは非常に便利である。
また、アップグレード版としてNATEDE Premiumも用意されており、Co2の測定など機能の拡充が図られたものもリリースを予定している。
NATEDEは現在Kickstarterで出資者を募っており、5万ユーロを目標金額に設定している。現在は139ユーロ以上の出資でNATEDEを一台入手することができるが、大変な人気となっているため、早割が終了し、それよりも高い通常価格での購入となってしまう可能性もある。
世界各国への発送も対応しているため、日本からでも購入することができる。