留守番中のペット向けIoT製品「MIA」
室内で飼育する場合、仕事の都合や買い物、お出かけの用事など、散歩の時以外は外に連れていけないことも珍しくなく、ペットを留守番させておくことはどうしても起こりうるものである。用事があって外出する飼い主はまだ良いかもしれないが、問題は待たされる側のペットである。いつも遊んでくれる主人の存在がなければ、家の中では退屈な時間を過ごしてしまうことになるだろう。これは犬も猫も変わらず、一人で寂しい思いをするのは彼らにとって避けたい事態なのである。
最近では家電のスマート化が進んでおり、手持ちのスマートフォンやスマートスピーカーと連携することで、様々な便利機能を家電に付与することが可能になりつつある。ペット向けIoTデバイストしてリリースされる「MIA」も、世界ではまだ珍しいIoTペット用品の先駆けとして注目を集めている。
ペットのお留守番がもたらす二つのニーズ
犬や猫に留守番をさせることは彼らにとって辛いことであるかもしれないが、これは飼い主にとっても同じことであると言えるだろう。調査によると、犬の飼い主の90%は自分のペットを家に一人で留守番をさせることを辛いと感じており、85%の犬は実際に退屈であると感じているという。
これは猫においてもほぼ同じ調査結果が得られているそうだ。猫は犬に比べると自立している生き物であると言われているが、やはり人間と共生している飼い猫となると、いつもは家にいる飼い主がいなくなるというのは退屈で寂しいことであるのには変わららない。猫の飼い主の83%は彼らを一人にすることを心配しており、飼い猫の72%は実際に退屈であると感じているとのことだ。
ここには二つのニーズがあることが考えられる。一つは犬や猫のニーズで、彼らが留守番をしている時の寂しさや退屈さを少しでも和らげてやることは、彼らの健康や精神衛生を管理する上でも非常に重要である。
もう一つは飼い主のニーズである。上のデータからもわかるように、留守番をさせている大半の飼い主は、何も好きでペットに留守番をさせているわけではない。できれば常に一緒にいたいと考えるのが普通で、少しでもペットのストレスを軽減し、自分も彼らを身近に感じたいというのが本音であると言えるだろう。
そのようなニーズを満たすために開発されたのがMIAである。MIAはいわゆる自走式のペット用玩具で、主に自動で動作することによってペットの寂しさを和らげたり、遊び相手になることでストレス発散につなげることが目的だ。
MIAの備えるスマート機能
そしてMIAの特徴はただ自走するだけでなく、自動掃除機のように空間認識機能を備えている点が一つにある。ただ自走するだけでは家具に衝突したり、階段から転げ落ちてしまうことで動かなくなってしまう心配もあるが、MIAはこれらのハプニングをあらかじめ予測し、予防に努めてくれるのである。
万が一横転するなどの事態が起こった場合でも、本体がドーム状になっているためにすぐに動作不能になってしまうリスクは小さく、万が一動けなくなっても自動的に全ての機能が停止し、ペットに危害を与えたり無駄にエネルギーを使ってしまう心配はない。
また、付属のWOOFBOXとMIACAM、そしてスマートフォン用アプリを使用することにより、外出先でもペットのケアと監視をすることも可能となる。WOOFBOXは集音器の一種で、飼い犬が吠えているとそれを検知し、スマアートフォンにそのことを通知してくれるというものだ。
通知を受け取った飼い主はMIAの設定を変更し、直ちに犬と遊んであげることでストレスを軽減させることができるというものである。
MIACAMは監視カメラのようなもので、実際にペットがMIAで遊んでいる様子をライブカメラ映像で確認することができる。ペットが留守中どのように生活しているのかを観察する上でも役に立つ機械と言えるだろう。
また、MIAには上部におやつをストックすることのできるスペースが確保されており、場合に応じておやつをそこからペットに与えることも可能である。ストレス軽減のほか、MIAにより興味を持ってもらうために重要な役割を果たすだろう。
MIAは現在Kickstarterで出資者を募っており、2万5千カナダドルを目標金額に設定している。169ドル以上の出資でMIA本体を一台入手することができ、世界各国に発送対応しているので日本からの注文も可能となっている。