糖尿病患者の生活を支えるIoTスマートバンド「GlucoSentry」
生活の不摂生からくる糖尿病であればまだ生活習慣の改善で対処できる場合もあるのだが、先天的な体の弱さから発症する糖尿病は、頻繁なインスリン注射などの定期的なケアが必要になる。このタイプの糖尿病は10代で発症するケースが目立ち、まだ体も成長段階にあるため周りの人間は一掃の注意を持って患者の世話をしなければならない。
GlucoSentryはそんな糖尿病患者のケアの負担を少しでも軽減するために誕生したプロダクトで、インスリン注射が必要なタイミングを自動で通知してくれる。
侮れない糖尿病という病気
糖尿病患者のケアが大変な理由として、いつ血糖値が上がってしまうのかが見た目では分からず、定期的に診断しては数値を確認し、適宜インスリン注射を行わなければいけない点である。
日中であればそのような検査もそこまで大変ではないかもしれないが、夜中などの就寝時間にも定期的なチェックが必要である点が問題なのである。たとえ深夜であっても体は24時間活動しているために、いつ血糖値が上がってしまうかはわからない。
そこで周りでケアをする人たちは夜中であっても眠い目をこすりながら診断士、必要に応じてインスリン注射を行わなければならないのだが、そのタイミングは微妙に異なってしまうもので、必要なタイミングで注射を行わなければ意味がない。
そこでGlucoSentryはブレスレットとして腕に身につけ、自動的に体内の血糖値を計測してくれる。血糖値が上がり、注射が必要になった時は速やかに連携しているスマートフォンにアラート通知を行い、最適のタイミングで処置することができるようになるのである。
ケアの負担の低下が患者の命を守ることも
自動的に通知してくれることのメリットとして、まず不必要に何度も血糖値を計測する必要がなくなったという点である。手動で血糖値を計測しなければならないというのは回数が重なるとやはり大きな負担となってしまうので、必要最低限の処置で済ませられればそれに越したことはない。
GlucoSentryを導入することで計測が24時間365日自動的に行われるため、計測をし忘れることもなければ、過剰な計測による負担の増加を招いてしまう心配もないだろう。
アラームシステムは、指定したスマートフォンであれば誰でも利用数rことができる。GlucoSentryを装着している本人はもちろん、普段ケアをしてくれれている家族や、病院関係者など、処置を行える人物複数人に通知できることで、アラートが届かなかったということで処置が遅れてしまう心配もない。
また、搭載されているモニタリングシステムはクラウドベースで管理されているため、本体の影響でデータが取得できなかったり、喪失してしまう心配もない。常にリアルタイムの情報を確実に取得することが可能になっている。
また、バッテリー寿命の長さもGlucoSentryのメリットである。こういった医療機器はバッテリー問題が常に付きまとい、バッテリーがなくなってしまうことは死活問題になりかねない。
GlucoSentryは最大で7日間の連続使用が可能となっており、よほどのことがない限りは突如としてバッテリーがなくなってしまう心配もない。インスリン注射後の時間など、タイミングを見計らって充電しながら使用し続ければ、バッテリーの問題を考えることなく生活することができるだろう。
リストバンド部分のサイズもS,M,Lの三種類で展開されており、自分の体に合わせてサイズを選ぶことができる。サイズが合わないばかりに正常に機能しないといった心配も無用だ。
GlucoSentryは現在Kickstarterで出資者を募っており、4万6千ユーロを目標金額に設定している。GlucoSentryは一台あたり180ユーロの出資で入手することができ、世界各国へ発送対応しているため、日本からの注文も可能だ。
糖尿病は世界でも3億5千万人近い人が罹患していると言われ、2030年には世界の死亡原因第7位にランクインするほどであるという予測が建てられるほど、身近な病気である。
そして糖尿病患者を救うのもまた人間である以上、ケアを担う人の負担を軽減することは、結果的に患者の健康や生命を守ることにもつながり、決して軽視できる要素ではないことは覚えておくべきだろう。