世界で最も高性能なRFIDテスターを目指して「Proxmark3 Rdv 4.0 」
しかしながら私たちが日々の生活で使用するようなRFID技術を採用したアイテムが一般に普及するまでには、各企業での度重なる試験やテスターを活用してきた歴史も存在することを忘れてはいけない。最新のテクノロジーを民間レベルで享受するためには、試験用器具も最新鋭である必要があるのである。
インターナショナルな開発チームからリリースされる「Proxmark3 Rdv 4.0 」はそんなRFID
試験器における最新鋭のモデルとなっており、RFID技術を導入したプロダクトを開発している企業や個人にとっては欠かせないデバイスとなっている。
生活で重要な地位を占めるRFID技術
RFIDは近距離における周波数の無線通信を行うことで情報交換を可能にする技術である。電波や電磁界をRFタグから発生させ、個人情報などをやり取りするために活用され、今では様々なシチュエーションで活躍している光景がうかがえる。ICチップをカードに埋め込み、多くの情報を1秒とかからずに通信させることができることから、RFIDは主にカードキーなどの人の移動に用いられることが多い。オフィスへの出入りや家のドアの開閉はもちろん、私たちの身近な例をあげれば駅のICカード技術はこのRFIDが採用されていると言えるだろう。
あるいは流通や小売業化においてもRFID技術は活躍している。RFIDは多くの個人情報を一瞬のうちに整理することができるので、例えば大量の商品に対して一つ一つにIDを与え、RFIDリーダーを通過させることで一度に大量の商品情報を更新できてしまうのは大きな業務の効率化に繋がっている。
拠点ごとのRFIDリーダーがいわゆるトラッキング機能の役割を担うため、商品が紛失してしまう心配もないのである。
現在は物品の管理だけでなく人材管理にも役立てようという動きも進んでいる。スタッフ一人一人にIDを与え、現在その人が仕事中なのか休憩中なのか、あるいは社内のどの辺りで何を利用しているのかを管理し、マネジメントをさらに効率化させていこうという動きも見られるようになりつつある。
そしてこういった技術を普及させるためにも使用段階で効果的なRFIDの情報通信の精度を高めていく必要があり、新型のRFIDテスターは重要な地位を占めることになるだろう。
RFID技術の中でも今最も注目を集めているのがNFC(近距離無線通信)技術だ。これは国際標準企画として用意された技術の一つで、NFCによって地域限定的な無線通信ではなく、グローバルに対応できる無線通信を可能にすることで、各地域における無線通信技術が互換性を持ってプロダクトへ反映できることを目的として誕生した。
Proxmark3 Rdv 4.0もまたNFC技術のテスターとして活躍することが想定されており、多くの国や地域でProxmark3 Rdv 4.0を活用することができるだろう。
豊富な実績が注目を集めているポイントに
Proxmark3 Rdv 4.0 は125khzといった低周波数から13.56Mhzのような高周波数まで広い範囲をカバーしているのが第一の特徴だ。各周波数で適切な情報通信が行えるかをリサーチできることは効果的な無線通信を実現するためには欠かせない機能であり、RFIDを確実にセンシングするためには見逃せない部分である。
Proxmark3 Rdv 4.0はいわゆるエミュレーターで、RFIDリーダーの動作をエミュレートし、開発したタグが正常に動作するかどうかを確認するために使用する。対応OSもユーザーに合わせてフレキシブルに展開されており、WindowsユーザーはもちろんMacやLinux、そして最近市場のシェアを拡大させつつあるAndroidにも対応している。
開発環境に合わないため活用することができない、というケースにも対応してくれているのは、やはりあらゆる団体や個人に活用してもらうためには必須の機能であるとも言えるだろう。
Proxmark3 Rdv 4.0は前身モデルのアップグレード版ということもあり、すでに過去のモデルでは実戦経験も豊富に存在している。セキュリティリサーチやプラットフォーム開発、ICカード開発にアタックサーフェスへの対応テストなど、幅広い分野でProxmarkシリーズは活躍してきており、その後継であるProxmark3 Rdv 4.0にも同様かそれ以上のパフォーマンスが期待されているモデルであることは間違いない。
Proxmark3 Rdv 4.0は現在Kickstarterで出資者を募っており、約400万円の目標金額を上回り、1000万円近い出資金を調達することに成功している。
世界各国への発送に対応していることや1万円程度の出資で本体を手に入れられるリーズナブルさ、そして実績を多く残していることが高い期待を集めている理由であると考えられる。