地域に合わせたスマートな庭の手入れを可能にしてくれるデバイス「CloudRain」

ガーデニングや家庭菜園といった趣味は見て楽しく育てて楽しいという側面を持つものの、大変なのは毎日の水やりや植物のケアである。

ガーデニングや家庭菜園といった趣味は見て楽しく育てて楽しいという側面を持つものの、大変なのは毎日の水やりや植物のケアである。

植物の状態やその日の天気に合わせて水やりなどを調整してやらなければ大きくしっかりと育ってくれず、満足のいく育成ができないということも起こりかねない。

また、最初はそういった細やかな手間をかけるのが楽しくとも、何ヶ月もすれば次第に面倒に感じてしまい、途中で枯らしてしまうということもしばしば起こりうる。せっかく始めた以上はきちんと世話をして上げたいものだが、そのために重要なのは継続的なガーデニングである。

ある種機械的とも言える継続的な庭の世話を手伝ってくれるのが「CloudRain」と呼ばれるスマートデバイスで、私たちの毎日のガーデニングのローテーションを大きく改善してくれる可能性を秘めていると考えられる。

CloudRain

ガーデニングの水やりをもっとスマートに

植物への水やりはいわばペットに餌をやるようなもので、多くをあげ過ぎれば植物の健康を害し、病気になったり腐らせたりする可能性もある。一方で水をほとんどあげないというのも植物にとっては有害で、食べ物を食べなければ人が死んでしまうように、水を植物にあげなければ植物も栄養を作ることができずに枯れていってしまうものだ。

育成が簡単で適当な管理でもすくすくと育ってくれる植物であればそこまできにすることでもないのかもしれないが、常に繊細な管理が問われる作物などはこの水やりが非常に重要になってくる。

そして、私たちが故意に水をあげるだけであればその調整もある程度は可能ではあるのだが、屋外での菜園となると天気も非常に大きな影響を植物に与えてしまう。

異常な晴れの暑い日が続けばいつも以上に水を多めにやらなければいけないし、雨季に入り毎日が雨となると勝手に根腐れを起こしてしまうかもしれないなど、運の要素も絡んできてしまう。

水やりを自動化する技術はこれまで多く開発されてきたが、植物や天気の状況に合わせた水やりが可能なデバイスというものは生まれてこなかったのである。

ガーデニングの水やりをもっとスマートに

しかしながらCloudRainは専用のスマートフォンアプリケーションと連携し、噴水機に備えられているバルブを使い分けることで、あらかじめ噴水する量をコントロールすることができるのである。セットアップはアプリケーションから行い、機械に詳しくない人でも簡単にセットすることが可能であるため、シンプルな操作でガーデニングの効率を向上させることが可能だ。

シンプルな操作でガーデニングの効率を向上

加えて広い庭の場合はゾーンごとに水の量を加減することができ、あっちでは多く、こっちでは少なくといった噴水が可能となり、多様な植物を一度に育てることができるのである。

天気予報から水量をコントロール

また、CloudRainは水の量を手動でコントロールするだけでなく、天気予報から予測して自動的に噴水量を増減してくれるのである。従来のスプリンクラーなどであれば天気に合わせて手動で水の量を変えなければいけなかったが、CloudRainは一度デフォルトの噴水量と地域情報さえ設定してしまえば、あとは自動的に水やりの加減を調節してくれるのである。

もちろんマニュアルでの操作にも対応しているため、植物の微妙な変化に応えたい場合には手動で水の量を増減することも可能だ。

CloudRainはマニュアルではなくコンピューターが自動的に判断し、スマートフォンやバルブと連携しながら動作するスマートデバイスであるため、バッテリー駆動となっている。しかしながらソーラーパネルをバルブには備えられているため、こちらは使用の度に充電せずとも、外で蛇口に設置しておくだけで自動的に常にいつでも使用できる状態が用意されるようになっている。

天気予報から水量をコントロール

CloudRainは現在Kickstarterで出資者を募集しており、199ユーロ以上の出資でスターターパックを一台入手することができる。全世界への発送にも対応しているため、日本からでも購入することができる。

従来より郊外の住宅街ではそこそこに広い庭を持った家庭というのは、ポピュラーな住環境の一つであったと言える。これは欧米や日本を問わず見られる光景で、各地域に合わせた農作物の育成やガーデニングを楽しむ場所として重宝されてきたのである。

しかしながら地域の都市化が進む中で、かつ人口も減少傾向にある日本においてはこのようにゆとりのある庭を持った家も減っているのが事実で、そういった家を持ちたくとも都会にはそのような場所がない。

都会のガーデニングは現在シェア農園のような形でも行われるようになってきており、そういった忙しい場所での菜園にはCloudRainのようなスマートデバイスの存在は、非常に有効に機能してくれることだろう。