テーブルにあらゆる情報を投影してくれるARランプ「Lampix」

現実空間に視覚的な拡張性をもたらしてくれるとして注目を集めているAR(Augmented Reality,拡張現実)だが、これまではスマートフォンや特定のデバイスを視覚的に通じてでしか体験できないものであり、それゆえ不便な思いをしたり、微妙に使い勝手が悪いと感じてしまうことも少なくなかった。

そのような感覚は全てゴーグルをかけたりと言った制約が生じていたからというところが大きいのだが、Lampixはテーブルや地面に拡張現実を投影し、その場にあるオブジェクトに沿った視覚効果をもたらしてくれる画期的なスマートデバイスである。


AR技術を現実にもたらすランプ

Lampixのイメージとしては、平面空間に浮かぶホログラムのようなものが近いだろう。あるいは、Lampixが照らしている範囲が全てタッチスクリーンのパネルになったような感覚にも近いかもしれない。あらかじめWI-FIやBlueTooth、そしてUSB2.0によって接続し、共有された情報を範囲内に合わせてプロジェクションし、プロジェクションされた範囲をインタラクティブに反応させることができるのである。

例えば映像をプロジェクションする際には再生や停止をプロジェクション範囲から直接タップして操作することができるし、プロジェクション範囲内に特定のオブジェクトを設置することで、そのオブジェクトとプロジェクションで相互的なリアクションを取らせることもできる。

あらかじめ設定してあったオブジェクトを用意すれば、それを読み込ませることでユニークなレスポンスを得ることもできるだろう。Lampixは平面上で作用する拡張現実であるため、例えばトレーディングカードゲームをよりエキサイティングにしてくれる効果をもたらしてくれるかもしれない。
各カードの情報をあらかじめ用意しておき、それがプロジェクションの範囲内にセットされると、そのカードの効果に応じてエフェクトが発動したり、バトルシーンが投影されたりするなど、これまでのエンターテイメントをより立体的なものにしてくれる可能性も出てくるだろう。

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こう言った仕掛けはHTML5を開発環境としたアプリケーションで動作させることができるので、デベロッパーにとっても比較的親切で親和性の高いシステムとなっている。Lampix開発チームも実際第三者によるデベロッパーコミュニティの生成に積極的で、少しでも多くの人たちに専用のアプリケーションを開発してもらいたいと考えている。サポート体制も充実させ、よりコミュニティーを大きくしていくことでクオリティの高いアプリケーションをリリースしていき、マーケットの拡大に寄与してもらいたいというのが狙いでもあるだろう。

Lampixの活躍できる場所はどこにでも

Lampixはあらゆるシチュエーションでの使用が想定され、多くの業種において新しいサービス提供の発端となれることは間違いなさそうだ。

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飲食業であればメニューをテーブルに直接表示し、メニュー表やタブレットをテーブルの上に設置する必要はなくなるし、ホテルや空港においてもそのような使い方を応用させることで優れたサービス環境を実現することができる。スペースやコストの削減にも繋がるだろう。

あるいは従業員への遠隔指示など、サービス以外の現場でも活躍が期待される。

教育の現場でもLampixの技術は大いに活躍する。教科書を廃止したデジタル授業というものが最近日本でも浸透しつつあるが、生徒はもはやテーブルさえあれば手軽に学習できてしまうというのがLampixによって可能となる未来の一つである。

家庭にLampixを持ち込めば、料理中のレシピ確認やテレビやPCを見ながらの作業というものがテーブルに集約されるため、大きなスペースの削減になるはずだ。

もちろん遊びにおいてもすでに多くのアイデアが考案されており、テーブルに直接投影しつつ触れることができるという仕組みは、あまりにも多くの可能性をデベロッパーに与えていると言えるだろう。

テーブルにあらゆる情報を投影してくれるARランプ「Lampix」


Lampixはクラウドファンディング企画においてはデベロッパーエディションもリワードとして用意されており、サンプルとして果物認識機能月アプリケーションや、ゲーム開発用ソフト、ドキュメントスキャン機能や画像認識学習機能があらかじめ備わっている。

Lampixは現在Kickstarterで出資者を募っており、20万ドルを目標金額に設定している。400ドル以上の出資でデベロッパーエディションのLampixを一台リワードとして手に入れることができるが、今の所地域限定での配送となっているため、日本からの購入はできない。

Lampixのデザインは今の所一般的な家電製品としてのランプのようなデザインだが、製品版発売以降やバージョンアップなどを重ねることで、様々なタイプのモデルが発売されることだろう。

日本からの購入は製品版を待ちたいところである。