ダイビングやレスキューといった水中活動が快適になるシースクーター「Aquajet Dive H2」

陸上での生活とは違い、人間にとって水中の活動というものはある程度のスキルが必要とされるものであった。

例えば学校の授業などで水泳の科目があるのは、泳ぐためにはある程度の練習が必要で、泳ぐことができなければ命の危険にさらされることもありうるためである。水中に潜るのも同様に、潜水活動は息を止めて冷静に泳げるようなスキルが常に求められるため、ある程度の訓練が必要になってくる。

また、シュノーケリングやダイビングの際に見られるような、潜水活動に特化したガジェットも様々登場してきた。ゴーグルや酸素タンク、足に装着するフィンは確かに便利ではあるものの、それでも実際に活動するためには相応のスキルが求められていたものである。

Aquajet Dive H2はそんな水中活動の難易度を大幅に易しくしてくれるために開発された水中スクーターの一種である。水中スクーターだけあって、人間はAquajet Dive H2に掴んでいるだけで自在に水中を素早く動き回ることができるのである。


自由自在な水上・水中活動を実現

水泳の練習の際に、いわゆるビート板を使ったことのある人は多いかと思うが、Aquajet Dive H2はビート板が自走式になったイメージで考えるとわかりやすいだろう。ビート板は掴んでいるだけで使用者の安定性を確保してくれるが、Aquajet Dive H2はそれに加えてモーター動力で前進することができるのである。

もちろんウキ以上に使い勝手をAquajet Dive H2には求められているため、ヒレのような形状や使用者が簡単に手から滑らせてしまわないようにストラップが備え付けられているなどのデザイン面での工夫も施されている。

しかもただ前進するだけではない、水上で使うぶんにも可能であるが、向きを変えることで水深の深いところへ潜ることもできるし、水中での活動や、水面への上昇もまったく同じパフォーマンスで行うことができる。

使用者もAquajet Dive H2につかまりながら方向を変えるだけで済むため、まったく特別なスキルも必要ない。まさに水中の中の電動スクーターと呼べるような存在なのである。

ダイビングやレスキューといった水中活動が快適になるシースクーター「Aquajet Dive H2」


電動で前進することができるとはいえ、スピードが出なければ人間のサポートとなる乗り物であるとはいえない。人間の水泳速度は、クロールにおける世界記録保持者だと時速8キロ程度となっているが、Aquajet Dive H2はコンスタントに時速9キロを維持して前進し続けることができる。世界記録保持者のトップスピードを超える速度で体力を使わずとも水中を移動できるというのは、驚異的なスピードであることは体感すればわかるだろう。

また、完全な水中でこれほどのスピードを維持するのは人間には極めて難しい。野生のペンギンですらも潜水活動は時速7キロ程度であるということから、9キロというスピードがいかに素早いかを推測することができる。

また、水中では深度が深くなればなるほど水圧も大きくなり、人間はおろか並みの機械では人間よりも先にだめになってしまうこともしばしば見かける。Aquajet Dive H2は潜水対応の水中スクーターを自称するだけあり、水深20メートル程度まで対応することも可能だ。
海洋生物のほとんどは水深18メートル前後で活発に活動しているということもあり、Aquajet Dive H2はダイビングにも最適の一台になっていると言えるだろう。

こういった海洋生物とのふれあいを楽しむためには、できるだけ自然環境を妨げない工夫を行う必要がある。Aquajet Dive H2は静音にも配慮して作られており、ボートなどのように大きな音を立てることなく海の生き物に接近することができるので、彼らの生態系に害を与える心配はない。

ダイビングやレスキューといった水中活動が快適になるシースクーター「Aquajet Dive H2」


バッテリーに関しても最大で100分の連続使用が可能となっているため、水中で気軽にアクティビティを楽しむぶんには十分な持続時間が確保されている。万が一バッテリー切れが近くなっていてもサインで使用者に知らせてくれるため、誤って岸から離れたところでバッテリーを切らしてしまう心配もないだろう。

Aquajet Dive H2は娯楽としてだけでなく、レスキューにも大いに効果を発揮することが期待されている。水泳よりも早く現場に駆けつけ、迅速かつ安定して人命救助を行えることから、そういった機関への導入も検討されるべきだろう。

Aquajet Dive H2はKickstarterで出資者を募っていたが、1万ドルの目標金額に対してすでに7万ドルの出資金を集めることに成功し、出資を打ち切っている。専用ケースや本体などが詰め込まれたバンドルパックは700ドル程度であったが、改良を重ねた廉価版や、アップグレード版がこれからリリースされることも期待されている。