栄養表示を自宅でも簡単にプリントアウト「NutriLabel」
カロリーや栄養素、そしてアレルギー成分の表示は食べる側の人間にとっては非常に重要であり、健康的な生活を送るための自発的な栄養のコントロールに役立つことはもちろん、アレルギー持ちの人にとってはアレルギー表示の有無は時として生死を分けるケースにもつながっている。
機械的に量産しているからこそ詳細かつ丁寧に明記されたラベルが貼り付けられている食料品だが、家庭で調理した食品にもこういったラベルを取り付けることができれば有用であることはこの上ない。「NutriLabel」は家庭でも簡単に栄養表示のラベルを作成し、パッケージに貼り付けられるプリンターで、食に対する意識の高い家庭のキッチン周りでは大きく重宝されることは間違いなさそうだ。
レシピを自動で記録する料理ソフト
NutriLabelの特徴としてあげられるのは、まずレシピを入力すると自動的にカロリーや栄養素など、あらゆる数値を自動的に計測し、表記してくれる点である。
野菜や果物、魚や肉、調味料にはそれぞれ異なる栄養素が異なる量だけ含まれている。炭水化物やタンパク質、塩分、ビタミン、コレステロールなど、とてもマニュアルでは対応できない数が含まれている上、食品の量によってもその栄養の傾向は変わってくるので、正確な数値を計測するのは困難でもある。
NutriLabelは食品を入力した時点でデータベースから自動的に栄養に関わる数値を出力し、レシピが形成されていくのと同時に栄養を評価、そしてアレルギー成分が含まれる食材を検出した場合、アレルギー患者に害を与える可能性があることをきちんと通知もしてくれる。
NutriLabelを用いて日常的に栄養素を数値化できる環境があれば、日々口にする食べ物に対する意識も大きく変わってくることが期待される。毎日レシピを記録するたびにどれくらいの栄養やカロリーを摂取しているのかを目にすることになれば、「昨日はカロリーを摂りすぎたから今日は控えよう」など、自然と体に栄養のバランス感覚が養われていくことになるだろう。
栄養を表記することは第三者にとって有益であるだけでなく、表記する作り手にとっても良い影響を与えてくれるのだ。
NutriLabelの活用方法
NutiriLabelの活躍の場は多岐にわたる。NutriLabeには栄養だけでなく保存期間の記載機能も備わっているため、保存のきく食品を大量に作る場合はラベルをプリントアウトするだけで描く食品の消費期間をわかりやすく管理できるし、栄養素が特に重要視されるスポーツの現場においても各選手の栄養ニーズに応じた食事を用意するためにNutriLabelによる栄養早見表は活躍できる。
あるいは、家庭内だけでなくプロフェッショナルの現場においても活躍が期待できる。NutriLabelは家庭での使用を想定しているためにコンパクトでスペースを取らない。そのためものが多くなりやすいレストランやカフェといった飲食店の現場においてもスペースを作りやすく、テイクアウト用の商品にはラベルを作成するなどの業務が一層効率化することになるだろう。
ケータリングのような食品の持ち出しを前提とするビジネスでも同様で、パッキングされた食品に栄養素や保存期間が明記されたラベルを容易に貼り付けることができれば、作業効率は大きく向上することだろう。
ラベルの印刷方法も実にシンプルだ。一度レシピを作ってしまえば、あとは分量などに応じて自動的にNutriLabelが栄養を計算してくれる。計算が終わったら食材の順番などを自由に入れ替え、テンプレートに合わせても良いし好きな順番に並び替えても良い。
プリンターに無線LANやBluetoothなどに接続すれば、あとはプリントアウトするだけだ。プリンターはbrotherのQL-810W/QL-820NWBが対応しており、これはバンドルパックとしてNutriLabelと一緒に購入することができる。1分間に90枚ものラベルを印刷できるスペックは、プロの現場においても十分に活躍してくれることだろう。
NutriLabelはそのレシピ保存機能を活用して、レシピ本としても機能させることができる。一度構成したレシピはNutriLabel内で保存され、お気に入りのレシピをSNSや自分のWebサイトなどで好きなように公開することができる。
もちろんレシピは一度作成した後も自由に変更ができるため、アレンジを効かせやすいのも特徴の一つである。
NutriLabelは現在Indiegogoで出資者を募っている。389ドルでNutriLabelのソフトウェアとプリンターを購入することができ、2万1000ドルを目標金額に設定している。
すでにプロトタイプは完成しているため、資金調達に成功すれば2018年の4月より順次発送が開始される予定だ。