ブロックチェーンとクラウドを組み合わせた次世代ストレージ「Blockchain Cloud Storage」

インターネットの世界では日々様々なテクノロジーが公開されてはサービスとして次々と導入されているが、ここ数年で最も注目を集めたテクノロジーといえばブロックチェーンとクラウドコンピューティングの二つだろう。

そんな二つの技術を掛け合わせたストレージサービスが、東欧のルーマニアから発表されている。「Blockchain Cloud Storage」はその名の通りブロックチェーン技術とクラウド技術を掛け合わせたストレージで、個人情報を完全に保護しながらストレージサービスを利用するというものだ。

ブロックチェーンとクラウドを組み合わせた次世代ストレージ「Blockchain Cloud Storage」


ブロックチェーンとクラウド技術の概要

ブロックチェーンと聞けばまず想像するのはビットコインなどの仮想通貨であるが、仮想通貨はあくまでもブロックチェーン技術を活用して生まれた通貨単位であって、ブロックチェーン技術そのものは通貨とは関係ない。

分散型ネットワークも言われるブロックチェーンはまさにインターネット時代だからこそ可能となった新しいテクノロジーで、データを一定間隔で生みだしながら各データをまるで鎖(チェーン)上でつないでいくことから名付けられている。データ生成はマイナーと呼ばれる計算者によって行われ、最も計算が早い、つまり最も長いチェーンが正統のチェーンとみなされ、延々とデータは数珠繋ぎにして形成されていくという仕組みである。

計算によってデータの正当性が確保されることから、これまでのデータ保管とは違って管理者不在でも計算が続く限りデータは保存され続け、そして計算に参加している人のIDは確認できてもそのIDが実際の世界における誰のものであるかは特定できないことから、非常に秘匿性の高いデータ通信でもあるため、データのやり取りによる個人情報の流出はもちろんあり得ず、第三者の目にはそのデータが何で、誰から誰へ送られているのかは全く把握することはできない。

一方のクラウドコンピューティングもまたインターネットが可能にしたテクノロジーの一つで、ネットワークを介してアプリケーションを共有できるというものである。

従来の方法であれば、何らかのアプリケーションを起動する場合ソフトウェアを購入し、コンピューターに直接インストールする必要があり、ソフトを持つもの同士で初めてデータを共有できるというものであったが、クラウドコンピューティングはネットワークを介してアプリケーションを公開し、プロバイダーのサーバーの元でアプリケーションを利用できるようにした点が画期的であった。

ユーザーはアプリケーションのパッケージ代を払うのではなく、プロバイダーのサーバーにアクセスし、アプリを利用するためのライセンス料のみを支払うことでアプリを利用することができるようになることから、比較的安価にサービスを利用できる上に複雑なセットアップの手間もないため、より多くのユーザーがアプリを利用できる機会の大きなサービスとなっている。

ブロックチェーンとクラウドの融合

Blockchain Cloud Storageはこれら二つの技術を掛け合わせて生まれたストレージサービスで、ユーザーがサーバーに保存したいデータを送信し、サーバーはそのデータを一時的に保管した上で暗号化されたデータに変換する。そしてブロックチェーンに暗号化されたデータを組み込むことで、一時的にサーバーへ保管されていたデータが何であるかは誰にもわからなくなるという仕組みだ。
もちろん一時的に保管されたデータは暗号化された後に破棄されるため、そこで漏洩が起きる心配はない。

ブロックチェーンとクラウドを組み合わせた次世代ストレージ「Blockchain Cloud Storage」


また、あらかじめブロックチェーンとして暗号化された状態でサーバーにコンタクトすることも可能で、開発チームは安全性の観点からこちらを推奨している。素早くデータを保管できるのはサーバーにそのままデータを預けてしまうことだが、こちらは漏洩のリスクもあるため推奨はされていない。

ユーザーがデータを引き出したいという際にはブロックチェーンに直接コンタクトし、事前に合わせられているお互いの暗号キーを認証することで暗号が解け、元のデータとしてユーザーの手元に戻ってくることになっている。

このサービスを利用することで、自分のPCからデータをやり取りする際には暗号化されたもののみになるため、第三者からは自分がいつどこで何をやり取りしているのかは全く特定することができない。インターネットは広く普及しているだけにそれだけ多くの脅威や監視も存在するものだが、ブロックチェーンによって完全なプライバシーを確保することができるのだ。


現在はIndiegogoにてストレージ購入希望者を募集しており、100ドルで150GBのストレージをリワードとして受け取ることができる。

興味のある方は一口購入してみるのも良いかもしれない。