バッテリー駆動でなんでもこなす多機能センサー「TrackALL」

モノのインターネット(IoT)化が進む今日では、IoTに対応する電化製品や自動車などの商品開発はもちろん、それらの形成するネットワークをより効果的にするための副次的なセンサーやトラッカーの存在も重要になりつつある。

一度ネットワークを構築してしまえば、プラットフォームとセンサーが連携して高い効果をもたらしてくれる上、センサーの数に合わせてその効果も適切な程度に調節することができる。より範囲を広げたいと考えればセンサーの数を増やせば良いし、小さくまとめたいと考えるならセンサーの数を選らすだけで良いのだ。

そのためプラットフォームとなるスマートデバイスの性能はもちろんだが、これからはセンサーの高性能化、多機能化が求められる時代が来るとも言える。なぜならプラットフォームごとにセンサーを用意していては、副次品であるセンサーに家が溢れてしまい、結局家庭のスマート化が進まなくなってしまうからだ。

バッテリー駆動でなんでもこなす多機能センサー「TrackALL」


「TrackALL」はそんなセンサーへ高まる需要を見事に一台で満たしてくれる多機能製品だ。これ一台で、ありとあらゆるセンサーや追跡装置に求められる役割を果たすことができてしまうのである。

多機能で長持ちが魅力のTrackALL

TrackALLは何よりその汎用性の高さが魅力的だ。高性能な製品になればなるほど、現代の技術ではそのぶんだけ電力を食ってしまうことになり、電源接続型、あるいはバッテリー駆動でも長時間の運用はできないということは珍しくない。

しかしながらTrackALLは単三電池二本で動く省エネルギー効果の高い作りになっており、その持続期間は連続使用で最大5年間運用することができるというのだから驚きだ。5年もの間同じ電子機器を使い続けるのはバッテリーが痛んで来るなどの理由から難しいものであるのだが、電池を交換せずに様々なシチュエーションで使用されることを想定されている以上、TrackALLはまず省エネを第一に考えることで、電池切れを起こさないというユーザビリティを獲得できる設計で作られているのだろう。


この耐用期間の長さが最も活きるケースとしては、例えばトラックや動物などのトラッキングが考えられる。TrackALLはその名の通り優れたトラッキング機能があらかじめ内蔵されているため、一度対象物に取り付けてしまえばどこまでも追跡を行うことができる。防水耐性様々な天候・気温にも耐えられるタフネスを備えているので、あらゆるシーンで活躍できることは間違いない。

何千キロも走行する長距離トラックや列車のコンテナ、放牧している家畜の首輪など、人の目では到底管理できないような場合でも、TrackALLを用意しておくだけでリアルタイムでの追跡が可能となるのである。

TrackALLが検知できるのは位置情報だけではない。例えば現在の温度や湿度、高度、光量、距離、衝撃、気圧と、デフォルトで備えているものでもほぼ全てのニーズに応えられるスペックを備えている。

これに加えてサードパーティのセンサーとも互換性を持っているため、上記以外のセンシング機能が必要になった場合は、別のセンサーを買い足すことで新たに機能を拡張することが可能だ。

低電力で運用できる二種類のネットワーク

TrackALLが感知したデータは、クラウドを通じて保存され、所有者の元へ送信される。停電力でこれらのデータ通信を行うため、mcAirとSigfoxというネットワークを用いて送受信が行われている。

mcAirは主に短距離用のローカルネットワークを構築するために用いられるもので、低電力で効果的に送受信が行えるところが特徴だ。Wi-FiやBluetoothのように、地域レベル・家庭内レベルでのTrackALLの運用を考える場合にはこちらの仕組みを利用したネットワーク通信が行われることになっている。

一方のSigfoxは、グローバルでのIoT運用を想定したネットワーク構築を促す通信手段である。Sigfoxの提供するネットワークはグローバル規模での運用が可能となっており、航空機や船舶など、数千キロ〜数万キロの移動が要求されるIoTには適したシステムである。

Sigfoxはサブスクリプション形式での運用が必要であるため、通常では接続しているデバイスの数によってひと月当たり0~1ドルの幅で料金を支払う必要がある。しかしながら今回のKickstarterで展開しているTrackALLのプロジェクトの場合、一年ぶんのサブスクリプションが特典として付属することになっているため、最初の一年間は実質無料で運用することが可能だ。

必要であると考えれば継続運用することもできるし、気に入らなければmcAirのみを使えば良いというのは初心者にもありがたい仕様であると言えるだろう。

バッテリー駆動でなんでもこなす多機能センサー「TrackALL」


情報はクラウドベースでやりとりが行われるということで、クラウドに送信されたデータはいつでもスマートフォンやPCから確認することが可能だ。たとえTrackALL本体から遠い場所に滞在していたとしても、インターネットを通じていつでもセンサーの情報を確認することができるのは魅力的だ。ホームセキュリティや自宅の植物の様子など、不在の際の管理をいつでもどこでも行うことができるのである。

TrackALLは現在139ドル以上の出資でベーシックパックを一つリワードとして受け取ることができ、356ドル以上の出資で5台のTrackALLとその他多くの付属品が付いて来るプロようバンドルパックなども存在する。

用途と予算に合わせて出資ができるのは嬉しい設定だ。