折り紙にインスパイアを受けたワイヤレスイルミネーション「LuminAID」

日本や東洋の技術はその新旧に関わらず様々な場所で影響を与えていることは決して少なくない。技術として完成されているものは現代においても広く受け入れられ、新しいイノベーションのきっかけを生み出していることもある。

「LuminAID」は東洋の技術でもある折り紙のテクノロジーに大きくインスパイアされているプロダクトだ。これは太陽光、あるいはUSB充電によってエネルギーを充電し、必要な時にいつでもどこでも使えるランタンとして大きな注目を集めている。


ワイヤレスソーラー充電のLEDランタン

従来のランタンといえば有線のもの、あるいは電池駆動でワイヤレスの使用が可能とっていたが、いずれも重量が重くなってしまう、あるいは取り回しが悪いということでどうしてもかさばってしまうアイテムであった。

しかしながらLuminAIDの場合、太陽光による発電を採用し、かつBluetoothを通じてワイヤレスで操作することができるようになったことで、大きく本体周りをスマートかさせ、いつでもどこでも持っていけるようなスリムなアイテムとして活用することができる。

加えて折り紙の技術をそこに応用することで、折りたたみも簡単、展開もワンタッチであるなど、大きくその使い勝手を向上させるのに役立っている。

LuminAIDの二つのモデル

LuminAIDは二種類のタイプのランタンがプロジェクトとして用意されている。一つは星型のモデルで、立体的な形状であるのにも関わらず折りたたむと平坦な三角形になったしまうコンパクトさが特徴だ。

折り紙にインスパイアを受けたワイヤレスイルミネーション「LuminAID」


折りたたみやすさだけでなく、ワイヤレス駆動のランタンとしても高い性能を発揮する。シチュエーションに合わせて発光量を増減させたり、タイマーを設定して日が沈むタイミングで自動的に発光するようにセットするなど、様々な使い方が可能だ。

充電には空の状態からであれば太陽光で12~16時間降るチャージまで時間がかかるものの、連続使用は最大で14時間可能であるため、よほどの場合でない限り必要なタイミングでバッテリー切れを起こす心配もない。仮に太陽光での充電ができない場合でもUSB充電が可能であるため、急速充電が必要な場合や雨の日はそちらを使えば問題ない。

バッテリー残量は常にスマートフォンのアプリを通じて確認することができ、チャージ中もどれくらいのチャージが必要かということを把握することができる。

また、折り紙の機構を取り入れているとはいえ実際に紙で作られているわけではなく、防水性にも優れているのでいつでもどこでも使うことが可能である。

もう一つのバージョンとして、ジェム型のモデルが存在している。先ほどのスター型は主にどこかに吊るしての使用を想定していたが、こちらのジェム型は地上にセットして使用するための形状となっている。

折り紙にインスパイアを受けたワイヤレスイルミネーション「LuminAID」


ジェム型は普通に地面やテーブルに置いて使用するのも良いのだが、備え付けのハンドルを使えば星型と同様にどこかに吊るして使用することもできるし、その軽量さと安定した形状を活用して水面に浮かせながら使用することもできる。
灯篭のような形でプールなどに浮かべて使えば、ロマンチックな雰囲気を演出することもできるだろう。

スター型と同様ジェム型もただ光るだけでなく、光量を調整したり、光の色を変更することもできる。これらの設定は専用のアプリケーションからおこなうことができ、ひとつひとつのランタンに異なる色の設定を与え、光の雰囲気の違いを楽しむこともできる。色は数百種類から選ぶことができるので、微妙な好みに合わせて調節することもできる。

折り紙にインスパイアを受けたワイヤレスイルミネーション「LuminAID」


LuminAIDはもちろんインテリアやパーティ用品としても優れた性能を発揮するが、元々は電気が使用できない人々に向けて開発が進められたエコロジーなランタンであった。紛争や自然災害などが原因で、世界にはまともなインフラ環境が整わない地域で生活する人々が多く存在する。そんな環境下でも安定した光を保つためには太陽光のような自然エネルギーを用いたランタンの存在が重要な役割を果たし、これまでに12万5千代以上のLuminAIDが世界各地へと寄付されてきた。

折り紙にインスパイアを受けたワイヤレスイルミネーション「LuminAID」


LuminAIDは折りたたみ式LEDランプの開発にとどまらず、これからも危険な環境下で生活するために有用なプロダクトの開発を進めていく予定だ。

LuminAIDのジェム型・スター型ランタンは現在Kickstarterで出資者を募っており、ジェム型のランタンは1台59ドル、スター型は1台69ドルで販売されている。

5台・10台をまとめて購入するバンドルパックも用意されているため、複数個を希望する場合はそちらのパックからの購入がお買い得となっている。

出資額は10万ドルを超えており、国内外から大きく注目を集めていることがわかる。発送は2018年の7月を予定しており、生産に問題が発生しなければ滞りなく予定通り世界各地へと発送されるとのことだ。

インテリアとしても画期的でありながら、災害時や人道的支援を必要とする地域のニーズも抑えたデザインだからこそ、これほどの注目を集めているとも言えるだろう。