汚れた水も大量に浄水が可能なポータブル浄水器「Camel Train」
これまで飲める水を確保するための技術や設備は幾度となく開発されてきたが、現代では未だに綺麗な飲み水を日常的に飲むことができない地域も存在しているのが実情だ。
あるいは突然の自然災害で既存のインフラが機能しなくなり、昨日まで手に入った飲料水が今日になって全く手に入らなくなった、という事態は日本をはじめアメリカなどの先進国においても起こりうる事態であるため、いつ何が起きても安定して飲み水を確保できる手段を手に入れておかなくてはならない。
今回発表された次世代浄水器である「Camel Train」は、これまでにないエコロジカルかつ効率の良い浄水スピードを持ち、過酷な環境下での動作も可能であることから、様々な地域での支援活動や緊急時の飲料水確保に最適の一台となっている。
驚きの浄水スピードと浄水量
Camel Trainの大きな特徴は、やはりその大きなサイズから想定される驚きの浄水スピードを誇る点である。従来の浄水器といえば、家庭用と野外用を問わず時間単位で浄水できる量には限りがあり、多くの水を確保するためには時間がかかってしまうこともあった。その上浄水が可能な量にもキャパシティがあり、ある程度浄水すると中のフィルターを変えたりするなどの手間がかかり、永遠に一度の使用で綺麗な水を手に入れられるわけではなかった。
しかしながらCamel Trainは最新のナノテクノロジーを活用した膜フィルターを採用することで、一度に大量かつ長期間の浄水を可能にすることに成功した。浄水したい汚れた水をホースで組み上げ、あとはCamel Trainが自動で浄水し、多くの綺麗な水を放出してくれるのである。また、バックフラッシュ機能が内蔵されているため、自浄を行うことで常に浄化パーツが清潔な状態をキープしてくれていることも、長期間の連続使用が可能となっている秘訣でもある。
この新型の膜フィルターは人間にとって有害な物質や毒素、バクテリアをも除去してくれるため、水道水以上に飲みやすく、かつ安全な水を飲むことが可能になる。加えて毒素を取り除きながらミネラルなどの栄養成分はそのままに残しておいてくれるため、水分と栄養補給を同時に行えるのも魅力の一つだ。
浄水を手助けする機能性の高さ
Camel Trainはその持ち運びやすさも特徴の一つだ。Camel Trainには二種類の形状が存在し、一つはバックパック型、もう一つはハンドキャリー型で、あらゆるシチュエーションにおいても移動が遮られてしまう心配はない。山道や舗装されていない道を行く場合にはバックパック、道が舗装されており、中には水がすでに貯蔵されている場合には負担の少ないキャリーバッグと、移動することを前提に作られているのもCamel Trainの特徴である。
製造はアメリカで行われ、部品も全てアメリカ産のものを使用するため、製造過程でのクオリティ低下の心配も少ない。
移動が前提であるということは素材にもそれなりの強度が必要とされるものだが、Camel Trainはケースがポリマー製、浄化フィルターはステンレススティールで構成されているため、何千時間もの連続使用や激しい移動にも十分に対応が可能なほどの強度を持ち合わせている。万が一のサバイバルにも十分耐えうる強さもCamel Trainの持ち味だ。
Camel Trainの使用には電力を必要とするが、消費電力はわずかで大きな負担になることはない。電力ソースはAC/DC、あるいはソーラーパネルでの発電が可能なため、あらかじめ用意できるのであればバッテリーを一台、そしてバッテリーが切れた時や緊急時の利用には備え付けのソーラーパネルでの発電により、いつでもどこでも浄水設備を備えておくことができるのである。
また、電力に関しては様々な方法の発電にも対応しているため、人力でのサイクル発電などの設備があればそういったものでも浄水を行うことが可能だ。
現在展開が予定されているサイズには3種類存在し、スモール・ポータブル・バックパックの三つから選ぶことができる。浄水可能な量は分間1.5ガロンから10ガロンまでと幅広く、家庭用で使用するのか災害支援用なのかによってなど、用途に応じたサイズを購入することが可能だ。
浄水に必要なのは電源や本体だけでなく、ホースなどのアクセサリーも必要だが、これらも別途購入することなくあらかじめ本体にセットとなっているため、同時に保管することでいつでも浄水を行うことができる。
Camel Trainは現在Indiegogoで出資者を募っており、バックパックタイプは現在2450ドルで購入することができる。浄水できるスケールや用途を考えると決して高い買い物ではなく、災害からキャンプまで他用途的に使えると想定すれば一家に一台は備えておいても損のない買い物となりそうだ。