AIベースで機能する自動画像検索プラグイン「YZ」

webコンテンツ製作者やデザイナーにとって、最も煩わしい作業の一つにカウントされるのがコンテンツ制作のための画像を探してくることだ。

ネット上には無数の写真やイラスト画像が転がっており、有料サイトを使えば高品質でオリジナリティのある画像を好きなだけピックアップすることができるのだが、選択の幅があまりにも広すぎるばかりに選定するのに疲れてしまうことも少なくない。

YZはAIによってそんな画像選びの作業を大きく改善することを目的とした、Photoshop・Sketch用に開発されたプラグインで、自動的に状況に応じて最も適切な画像を判断し、探してきてくれるのである。

AIベースで機能する自動画像検索プラグイン「YZ」


人工知能を導入した画像検索システム

人工知能によって機能するYZの画像選定システムは、制作中のコンテンツを読み取って最適な画像を引っ張ってくる。テキストや他の画像やイラスト、色といった要素をソースとしてサーチを開始し、ポピュラーなフォトストックサイトの数々から関連しそうな画像を選定、ユーザーに選定した画像を通知してくれるという仕組みだ。

フォトストックサイトはgetty imagesやshutterstock、flickrなどがソースとして選ばれており、誰でも一度は使ったことがあるサイトをソースとしているため、一定の画像のクオリティは保証されている。

AIベースで機能する自動画像検索プラグイン「YZ」


自動画像検索機能は無料のものも多くリリースされているものの、YZは精度においてフリーソフトとは大きく差をつけている。一般的なフリーソフトはカテゴリーをベースに画像をサーチするのだが、YZはAIを用いて文字通り関連性の高い画像をサーチするという、複雑な処理を行える点にアドバンテージが存在するのである。

つまり、今自分が求めている、あるいは製作しているコンテンツに特化した画像を具体的に判断し、選別してくれるというわけだ。フリーソフトはラフ案や代替のイメージを掴むために画像を選ぶ際には便利かもしれないが、製作過程の終盤における画像選定にYZは特化した力を発揮してくれる。

AIベースで機能する自動画像検索プラグイン「YZ」


このような器用な作業はこれまで人間の仕事であったのだが、YZのプラグインは機械的な作業以上のパフォーマンスを発揮する、第一線レベルの性能を持っている。

YZが活躍できる機会は多岐にわたる

YZがアシスタントとして活躍できる職業には様々なものが挙げられる。例えば画像を多く選別する必要なあるデザイナーや、オンライン参入を急ぎ、一刻も早くサイトのテンプレートを完成させたいスタートアップ企業、ソーシャルメディアのマーケティングに携わり、webコンテンツの質と製作スピードを向上させたい人や、個人ブロガーなどのサイト運営者など、web系を中心とした様々な分野にわたる。

もちろんこれらの仕事以外にも、画像収集の効率に関わる仕事に携わる人であれば、YZによって大きな恩恵を受けることができるようになるだろう。

YZの利用はパッケージではなくサブスクリプション料金を支払うことで可能となる。YZのプラットフォームとしてGoogle's Vision AIを使用しているため、その金額も含めて月あたり9.99ドル、年間利用で99.99ドルの料金設定となっている。

ただ、今回プロジェクトを建てているkickstarter内のリワードにはこの通常価格よりもさらにお得な料金プランが用意されており、3ヶ月で9.99ドル、1年間の利用と開発チームとのディナーがセットになって69.99ドルというものも存在するなど、コストパフォーマンスとしては優れたプランとなっている。

ただ、リリース後の料金に関しては上記の価格が維持されるとは限らず、場合によっては若干の値上げが発生する可能性もあるとしている。その理由としては、現在プラットフォームに設定しているGoogle's Vision AIが今後値上げを行なった場合、その値上げぶんがYZの利用料金に影響してくる可能性があるためだ。

ただしGoogle公式のプラットフォームであるために極端な値上げが発生する可能性は低く、大きなコスト上昇につながることはないとしている。仮に大幅値上げが生じた際に備えて、現在は別プラットフォームでの開発や、独自AIの開発も想定しているため、そちらのプランへと移行することを考えている。

YZはKickstarter内の目標金額を5万ドルに設定しており、無事資金調達に成功すれば5月からのリリースを予定している。

AIによる画像認識機能は年々向上しており、特にGoogleの導入している画像認識AIはWebマーケティングにおける最重要トピックとも言えるSEOにも影響しているという話も存在する。独創性の高いコンテンツに加えてオリジナリティのある画像の重要性は高まっており、ネットから質の高い画像を探す際の作業コストも増加していくことが考えられるYZはそんな画像SEO対策における大きな切り札となるかもしれない。