インターネットをより身近に体験させてくれる開発ボード「obniz」

インターネットを活用したサービスや製品は日々その性能とニーズを高め続けている。その勢いは時として企業による製品化を待ち望むだけでなく、ユーザ自ら希望するプロダクトを製作する熱意を生み出してしまうほどだ。

特に自分でプログラムやロボットを作れるスキルを持つべきという風潮も様々な年代に今日では見られ、スキル以前に自分でインターネットを活用できるツールや環境の整備にも大きな注目が集まっている。

日本初の開発用ボードである「obniz」は、そのようなニーズから生まれたプライベートや教育にいて大きな力を発揮する可能性を持ったプロダクトだ。

インターネットをより身近に体験させてくれる開発ボード「obniz」


活躍の幅が広いobniz

obnizは12 IOとWi-Fi接続を有する開発ボードで、onbizのクラウドコンピューティング上のAPIやREST API、あるいはWebsocket APIを通じてコントロールすることができる。

開発チームが推奨しているのはjavascript形式であるが、これはAPIを呼び出すために便利なライブラリがjs形式で用意されているためである。

obnizのAPIはjavascriptが使われている。そのためjavascriptで書かれたobnizのプログラムは、webページで動かすことができるのである。例えば「webページ上のボタンを押してモーターを動かす」といったタスクは造作もなくクリアすることが可能だ。

インターネット上だけでなく、多くの人が考えているようなハードウェア上のプロジェクトもobnizは難なくこなすことができる。モーターやプロペラ、センサーを用意してonbizに接続し、インターネット上でプログラミングを行えば、あっという間に完成させることができるだろう。

インターネットをより身近に体験させてくれる開発ボード「obniz」


obnizを使うことで他にアプリケーションを使う必要もなければ、ファームウェアをフラッシングする必要も無くなるのである。製作者がやらなければいけないのは、自前のPC、あるいはスマートフォンからネットに接続して、プログラミングを行うだけだ。obnizとwebページを統合するためには、HTMLでコードをひとつ書き加えるだけで可能になってしまうことも魅力である。

ソフトウェア開発キットのインストールもobnizは必要としない。あらかじめ開発チームからサンプルのHTMLページが用意されているので、obnizを入手すればすぐに開発に取りかかることができる。obnizにはQRコードが設けられており、それをスキャンすることで直接サンプルページへとアクセスすることができるという仕組みだ。

Wi-Fiに接続し、プログラミングページにアクセスし、実際にコードを書き始めるまではわずか30秒といったところだ。

すでに用意されているとはいえ、自分のHTMLページにコーディングする際はいかなるコストも発生しない。そればかりか、友人にそれらのページやプログラムを共有することも簡単に行うことが可能だ。

電子部品の取り扱いも実に簡単だ。obnizの入出力端子は柔軟かつパワフルな運用が可能で、一つの端子あたり最大1アンペアまで耐えることができる。加えて5V/3.3V切り替え可能で、様々な電子部品がただ接続させることで使用可能になるという汎用性を秘めている。

開発チームはパーツライブラリもjavascript形式で提供しており、ユーザーはパーツの詳細にかかわらず様々なパーツをjavascriptで使うことができる。

obnizはUARTやSPI対応のピンを探す必要もない。12種類全てのピンがobnizに対応しているため、全てが同じキャパの範疇に収められている。ピンの心配をすることなく挿入することが可能になっているのである。

1Aモードの際はピンがショートを起こしてしまう危険性がつきものであるが、過電流を起こさないようobnizは常に監視を続けている。仮に過電流の危険性を察知した際には自動的に停止し、そして自動的にリカバリーを行なってくれるのである。

常時インターネットに接続されているobnizを活用すれば、すぐにでも使える実践的なIoTの導入を推し進めることも可能だ。

例えばスマートフォンを通じた温度変化のチェックやエアコンスイッチのオン・オフといった簡単な動作は、初心者でもすぐに導入できる自家製IoTの例の一つである。

あるいはSNSやチャットサービスを用いたテキストによるプログラム制御である。twitterでモーターを作動させて実際に存在する何かを動作させたり、日々の室温や湿度をデータとして記録させ、クラウドサービスと連携してオンラインストレージへ自動的に記録させるなど、やや複雑なシステムもobnizさえあれば比較的容易に実現することが可能になった。


obnizはもともと身内のIoTを求める声に応じて開発が進められてきた電子基盤だが、開発を進めていくうちにこういったプロダクトを求める声が世の中には多く存在することを知った開発チームは、今回Kickstarterを通じて大量生産のための資金調達を行うことになった。

現在も出資者を募っており、目標金額は150万円に設定されているもののすでに目標金額は達成されている。

開発チームはobnizを用いたワークショップの開催などもリワードとして用意しており、obnizを用いた開発環境の醸成にも力を入れている。

obnizは一台あたり4300円の出資で手に入れることができ、発送は日本だけでなく世界各国に対応しているため、まだまだ多くの出資が集まる可能性の高いプロジェクトとなりそうだ。