家庭の節水を手助けしてくれるスマートデバイス「H2know IoT Water Meter」

環境問題をテーマにするとよく話題となるように、綺麗な水を日常的に使用できるのは世界的に見れば恵まれた環境であると言える。

普段から使っているとその意識は薄れてしまいがちだが、私たちが日常生活でどれだけの水を使っているのかが可視化できれば節水意識の向上に努めることができるかもしれない。

また、水の節約を心がけることは単純にモラルの問題だけでなく、金銭的なコストの節約にも大きく繋げることができる。塵も積もれば山となるという言葉にあるように、毎日の少しづつの積み重ねが大きな節約効果をもたらしてくれるだろう。

いわゆるIoTデバイスの一種である「H2know」は、そんな家庭の節水への意識を大きく高めてくれる力を持った働きをしてくれることになりそうだ。



IoTで節水を可能に

H2Knowはスマートフォンと連動して機能するIoTデバイスで、直接家の水道管に取り付けることで水の流れを計測し、どれほどの水を使用しているかを登録したスマートフォンにその情報を送信してくれるという仕組みが取られている。

H2knowは一台あたり100ドルだが、開発チームはこれを一台導入するだけで、年間200ドルにも昇る節約効果をもたらすと説明している。

アメリカの一般家庭では毎年全体で2兆ガロンもの水道水が無駄に失われていると言われ、これはアメリカの50の大都市を賄うのに十分な量だ。

加えて、ここ五年で30の大都市における水道料金は約40%上昇し、この値上げの傾向は今後も続くとされている。世界各地での人口の増加が進むにつれ、水の消費量もますます増えていくことが懸念されることから、今のうちから水の使い方や節水方法について様々な施策を実行し、慣習の一部としてシフトしていくことが求められていると言えるだろう。

水漏れ対策も大きな節水効果を挙げてくれる

また、水の使い方だけではなく意図しない水漏れも問題として取り上げておく必要がある。あまり水道管を日常的に見ることがないぶん、水漏れと聞いても当事者意識を持ちにくいものであるが、アメリカにおいては水漏れも節水を考える上で大きな問題となっている。

アメリカにおいて、毎年致命的な水漏れは100万件近く発生しており、その被害金額は5000ドルから1万5000ドルにも昇る。たとえ小さな水漏れであっても、一世帯に換算すると、蛇口の閉め忘れなども含めて毎年250ドルにも昇る水が無駄に消費されてしまっているのだ。

このようなことから、単に節水を心がけるだけでなく、日常では目の届かない、水道管の状態についてもきちんと管理して置かなければ、結局は無駄に水道水を垂れ流してしまう結果をもたらしてしまうのである。

H2knowは設置してある水道管から毎秒単位でその消費状況を計測し、適切な使用量を計算してくれる。蓄積されたデータは記録され、スマートフォンアプリに送信される。統計情報として水道の消費量を閲覧できるのと同時に、違和感のある消費から水道管の水漏れをも伺うことができるようになるという仕組みだ。

H2knowの設置方法もいたってシンプルだ。クリップ型になっている本体を水道管に取り付け、WiFiに接続し、アプリケーションをスマートフォンにダウンロードすれば、セットアップは完了となる。

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水道管などのインフラ関係の設備はこれまで機器そのものの設置コストが高く、またメンテナンスも必要であったために維持コストも考慮する必要があったものだが、水道管にわんタップで取り付けるだけで設置完了という手軽さは魅力的な点である。

水漏れに関しては自分の目で統計データを見ながら把握するだけでなく、H2knowが異常を感じた際にも自動的にアラート警告をスマートフォンに通知してくれる。

アラートは二段階に分かれ、一つ目はわずかな水漏れの可能性を、そして二つ目に致命的な水漏れの警告を行ってくれるようプログラムされている。

これらの機能は一度H2knowを購入した後は無料で活用することができるのだが、月3ドルのサブスクリプションプランに登録すると、これらの機能に加えて1時間ごとの水道消費量、水漏れ時の水漏れ箇所特定、水道消費節約の目標設定機能など、多くの機能を新たに使用することができるようになるのだ。

初めは無料で使用し、さらなる機能を求める場合にはサブスクリプションプランを申し込む、という使い方が考えられる。

もちろん家庭だけでなく、H2knowは企業や学校といった公共スペースでも活躍が期待できるデバイスだ。普段から人の出入りが多いところは水道の消費量や設備の使用回数も多く、必然的に消費量の節約の必要性や水漏れが発生してしまうリスクは高まってしまうものだが、H2knowがあればそういった事例にも最善を尽くすことができるようになるはずだ。

H2knowは現在Indiegogoで出資者を募集しており、1万ドルを目標金額に設定されている。早期出資者特典としては1台100ドルのところ、75ドルで購入できるプランも存在することから、はやく出資すればするほど高いコストパフォーマンスを期待できるだろう。

発送は2018年の12月を予定している。