Macbookと同様のスペックが魅力の開発用ボード「LattePanda Alpha」

コンピューターは面白いほどに日進月歩でその性能を高めていくテクノロジーだが、これは単純に人間のスキルが向上しているだけでなく、開発のためのコンピューターなどの環境もスペックを向上させているからに他ならない。

例えば最新のコンピューターにはそれに見合うソフトウェアやアプリケーションが最先端のマーケットにおいて求められているのだが、そういったものの開発にも開発用の設備が必要だ。

開発ボードであるLattePandaの最新モデル「LattePanda Alpha」は、急激に成長するソフトウェア市場を支えるのに十分の役割を果たしてくれるボードとなってくれそうだ。


高級ボードとしてハイエンドスペックを誇るLattePanda

開発ボードとしてポピュラーなものには、例えばイギリスの「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」や「Aruduino(アルドゥイーノ)」が挙げられる。いずれも様々なシチュエーションでの活躍が期待できる汎用性の高いもので、バージョンアップが加えられながら教育用からエンジニアリングまで多くの用途に使われてきた。

一方、数年前にカナダからリリースされたLattePandaは、新規参入のプロダクトでありながら、瞬く間に世界でも名の知られる開発ボードになることとなった。前回はおよそ4060人の支援者に支えられながら世に出回ったLattePandaの大きな特徴は、まずWindows10が最初から内蔵されているというところにある。

OSが内蔵されていなければ使用までにセットアップを行う必要が出てきてしまうため、ユーザビリティの面ではあまり良いとは言えない点でもあったのだが、LattePandaはそういったんの使い勝手の良さから新規ユーザーを獲得するのに成功したプロダクトと言えるだろう。

また、LattePandaはLinuxにも対応しているのが魅力の一つだ。Linux(リナックス)はオープンソースのオペレーティングシステム(OS)で、WindowsやMacとは違いプログラムを自由に改変できるのが最大の特徴である。

Macbookと同様のスペックが魅力の開発用ボード「LattePanda Alpha」


アプリケーション開発からスマートデバイス開発が無料で行えてしまうという自由度と敷居の低さはエンジニアにとっては都合の良い環境であるため、開発ボードも対応していることが望ましいとされているが、Aruduinoなど一部のボードにはLinuxに対応していないものもある。

しかしLattePandaは問題なくLinuxとも同期して取り扱うことができるため、まさにハイエンド環境にも対応できる優れたボードの条件を満たしていると言えるだろう。

今回発表されている「Alpha(アルファ)」モデルはそんな前モデルをさらにアップグレードした次世代モデルということで、様々な性能の向上が図られている。

例えばプロセッサが最新のものを導入されている点だ。搭載されているのは第7世代インテルCore m3プロセッサでこれは現世代のMacbookに使用されているものと同様のプロセッサだ。

Macbookと同様のスペックが魅力の開発用ボード「LattePanda Alpha」


カスタマイズ性の低さゆえに中身が優秀であると評判のMac製品だが、同様のプロセッサを用いることで、LattePanda Alphaは開発ボードとしてハイエンドな性能を発揮してくれることだろう。

強力なパワーを持っていながら、LattePanda Alphaはそのサイズの小ささも魅力的だ。まさにモンスターのような処理能力を持っていながら、その大きさはMacbookはおろか、スマートフォンの半分程度のサイズしかないというのだから、取り回しも良いことこの上ないだろう。

また、同梱されるストリーミングケーブルを使うことで、MacをプラットフォームにしながらLinux、あるいはWindows対応ソフトやツールを使用することもできる。

Mac対応でさらに快適な環境構築に貢献

Windowsがビジネスの間ではよく使用されているとは言え、最近ではクリエイティブ職を中心にMacへの移行も進みつつある。これはiPhoneやiPadをビジネスやプライベートで使用する機会が増えてきたことからその同期性に注目して増加していることが考えられるが、Macであらゆる仕事を遂行したいというニーズは高まってきている。

そこでLattePandaはそのようなMacユーザーのニーズにも応え、USB接続を行うだけでワンタッチでMacと開発システムの行き来をシームレスに行うことを可能にしている。

このおかげで、開発を行うためにデスクにWindows用PCを設置する必要はなくなり、Mac一台で全ての業務を行えるようになるのだ。こういった物理的なスマート化を促進してくれる点も、スマートなデザインとしての評価につなげることができるだろう。

USB端子の他にもオーディオジャックやMicro SD、Bluetooth、USB3.0といったインターフェイスを備えているため、さまざな要望に応えてくれることは間違いなさそうだ。

Macbookと同様のスペックが魅力の開発用ボード「LattePanda Alpha」


LattePanda Alphaは現在Kickstarterで注文を受け付けており、Windows10 PRO同梱パックが359ドル、Alphaのみのパックが269ドルで販売されている。

開発ボードの中でも高級かつハイスペックモデルに分類されるLattePandaの用途は多岐にわたる。ロボティクスやスマート工場システムの開発、IoTによるスマートホームの実現に自動車システム、AIローカライゼーションや教育、そしてインタラクティブなアート作品の製作と、その可能性は無限大とも言えるだろう。

あらゆる用途にこれ一台で対応できると考えれば多少高額であると感じていたとしても、その価格に値するパフォーマンスを発揮してくれることは間違いなさそうだ。