空気汚染や公害から身を守るための新たなアイテム。「PocketLab AIr 」
特に空気汚染に関しては体感では気付きにくく、匂いや体調に支障が出てからでは手遅れというケースも多い。体が実害を察知する前になんとか第三者によってすぐに察知してもらいたいものだが、そのような問題に対処できるのがこのPocketLab Airだ。
ポケットサイズの調査道具
PocketLab Airは身の回りの気候変動の影響や空気汚染について調査するために必要なものを全て備えている、オールインワンのデバイスだ。PocketLab Airは二酸化炭素濃度やオゾン、PM、温度、湿度、気圧、そして光量をこれ一台で測定することができる。PocketLab Airは気候や空気を調査する人が十分にそのタスクをこなせることを想定してデザインされているのだが、地球環境について学習する小中学生にもぴったりのアイテムである。
まずは二酸化炭素濃度やオゾン、PMといった特定の物質や、天気を測定してみよう。そしてどういった要素が空気の質に影響を及ぼしているのかを推測してみるのだ。空気を汚しているのはすすやホコリ、自動車や工場、あるいは山火事などから発生する特定の物質が原因となっているかもしれないからである。
PocketLab Airは空気質指数(AQI)を測定する機能を備えているため、世界的な基準で空気の質をスコアにして算出してくれる。現在の空気の汚染度が、独自の解釈ではなくわかりやすいグローバルスタンダードな数値で表さられるのは便利なポイントだ。
測定したデータは内蔵しているメモリに保存され、最大で3万地点分のデータを保管することができる。記録されたデータは外部に移すこともでき、手持ちのパソコンやタブレット、スマートフォンにデータを転送すればまた新たに三万件のデータを保存可能だ。
バッテリーも最大で24時間持続するため、遠くへ出かける際にも安心だ。
データは単にメモリに保存するだけでなく、Bluetoothを用いてリアルタイムで別の端末にトランスミットさせることもできる。PocketLab Airで空気を測定しつつ、データの観測・記録はそのものはPCやタブレットで行うという形式だ。これならばわざわざデータを転送させて閲覧する必要もないため、身の回りに余裕がある場合は非常に効率的な観測が可能になるだろう。
Bluetoothは最大で76メートルまで接続可能であるため、少し離れたところの空気を遠巻きに観測するということも可能だ。わざわざ自分で観測地点に足を運ばずとも、ドローンに搭載して観測地点までドローンで運んでもらえば、高所や人の手の届かないところの空気調査も容易に可能になる。
PocketLab Airのコンパクト性はこういったところで進化を発揮するのである。
GPS機能とリンクさせることで、PocketLab Airで収集したデータをもとに独自の公害レベルマッピングを行うことも可能だ。地域で最も空気が汚れているエリアや、空気の澄んだ場所など、コミュニティレベルにおいてもPocketLabは大きく貢献するだろう。
詳細に地点毎のデータを記録すれば、下のインターフェイスのようにロケーション毎でどのように公害レベルが変化しているのかを視覚化することもできる。これまで見えてこなかった発見がPocketLab Airの導入によって訪れるかもしれない。
ミッションモードで草の根運動へと繋げることも
PocketLab Airにはミッションモードと呼ばれる機能が備えられている。これは気候変動や空気の質、天気を組み合わせて機能させるモードで、自分以外の世界中のPocketLab Air所有者とデータを交換し合いながら調査を行うというものだ。
PocketLab Airはいわば気候変動や環境問題と戦うためのツールとしても機能し、それぞれが他のPocketLab所有者と協力し合い、リアルタイムのデータを交換することで、問題解決のための一手を導くということだ。
大きな機関の発表するデータではカバーしきれなかったり、リアルタイム性に欠けるデータが公表されていたとしても、PocketLabによる独自の調査データがあれば、繊細な気候の変化にも敏感に対応し、次の一手を打ちやすくするという狙いがあるのである。
自分の採取したデータはもちろん自分の許可なしに公開されたり共有されることはなく、セキュリティ上の問題をクリアした上でミッションモードにのぞめるという仕組みだ。
PocketLab Airは現在Kickstarterで出資者を募っており、2万5千ドルの目標金額はすでに達成し、現在は8万ドルに近い額がすでに集まっている。198ドル以上の出資でPocketLab Airを一台リワードとして入手することができ、本体にはプロテクトバッグなどのアクセサリーも一緒に付属する。
発送は2018年の10月を予定しているが、世界中に発送対応を行ってくれるため、日本を含めたどこの国でもプロダクトを受け取ることができそうだ。