人間の睡眠に革命を起こせるか。「GO2SLEEP」
睡眠をしっかりと撮りたいという気持ちはあっても、仕事の都合や健康上の問題でうまく睡眠がとれず、結果的に睡眠不足で健康を害してしまっているという人は決して少なくない。
そんな中、AIの力を借り、私たちの睡眠の質を引き上げてくれる現代人のお供となりうるデバイスが、この「GO2SLEEP」だ。
GO2SLEEPは何かの病気で苦しむ人や、子供やお年寄りのためだけに作られたデバイスではない。AIによって制御される睡眠マネジメントデバイスであるこのプロダクトは、質の高い睡眠を求めるあらゆる人に向けて開発されたという経緯を持っている。
睡眠パターンを把握し、異常を事前に察知
手の指に収まるサイズのこの小さなリング型デバイスは、装着者の睡眠パターンをモニタリングするとともに、睡眠時無呼吸症候群を発症しないかどうかをチェックすることで質の高い睡眠をもたらす手助けをしてくれる。
睡眠時無呼吸症候群は単にいびきを引き起こすだけでなく、発症者の睡眠の質を徐々に下げ、日中の活動時間における強烈な眠気や集中力の低下、起床時の頭痛、夜間の頻尿などといった様々な不調を引き起こす原因となる。特に独身世帯など特徴的な大きないびきに気づいてくれる人が周りにいなければ症状が重くなってしまうケースが多く、特にドライバーの居眠り運転や前方不注意による重大な交通事故はこの病気を気づかないうちに患っていたことが原因であることも多い。
またこの病気の知識がなければ同伴者がいても「いびきのうるさい人」程度の認識しか持ってもらえないケースもあるため、やはりこういったスマートデバイスの存在は非常に有意義な存在となるのである。
GO2SLEEPのサイズは一般的な家庭用睡眠検査器具よりもはるかに小さく、特殊な素材を用いることで、違和感から装着者の睡眠を妨げるようなこともない。AIアルゴリズムをこの小さな装置の中に組み込むことに成功したことで、睡眠を解析したのちその結果を報告し、どのように睡眠の質を上げていくかについてガイダンスを提供してくれるのだ。
世界で最も小さな睡眠検査デバイスであるGO2SLEEPは、睡眠時の心拍数、血中酸素飽和度、灌流指標、寝返りの回数をモニタリングする。これは睡眠のパターンを測定し、睡眠の質をスクリーニングするためなのだが、同時にデバイス内のAIは、装着者が睡眠時無呼吸症候群を発症していないかのレポートも作成している。
人間よりも頼れる睡眠中のアシスタント
睡眠中は、自分でその睡眠の質がどれくらいのものであるかは認識することはできない。しかし事実として、睡眠のパターンは私たちに健康に関する様々な問題を発見するためのヒントも与えてくれていることは確かだ。GO2SLEEPは睡眠パターンから装着者が抱えていると思われる問題を導き出し、どのような問題を抱えていて、何をすれば解決するのかということを教えてくれるのだ。
睡眠を常に監視してくれるサポーターがいることで、的確に睡眠向上のためにできることを行うことが可能になった結果、睡眠の質を向上させることができるという仕組みだ。食習慣の改善や運動習慣など、「よく眠るための方法」は世の中に溢れている。しかし自分にとって一番必要なものがわかっていなければそれらの方法はあまり良い結果を残さない上、当人から睡眠の質を改善させようというやる気を奪ってしまう可能性もあるのだ。
仮に睡眠時無呼吸症候群の兆候を察知した場合にも、GO2SLEEPは大きな役割を果たしてくれる。装着者にその兆候があることを伝えた上で、かかりつけの医者に診てもらうことを促してくれるほか、なぜその兆候を察知したのかというところまで詳細に記録し、医師が患者に最も適切な治療を行えるようサポートしてくれるのである。
体感ではその意識はなくとも、スマートデバイスはあくまでも客観的に装着者の体調を把握してくれるため、スムーズな治療を行えるきっかけをつくってくれる。治療時にもGO2SLEEPは患者の習慣や体調に合わせ、最も適切な治療法をアドバイスできる機能を備えているのだというのだから、こういった石のサポートができるのはまさにAIならではの所業と言わざるを得ないだろう。
GO2SLEEPは現在Indiegogoで出資者を募っており、2万ドルを目標額に設定しておきながら、すでに3万ドル近い資金調達に成功している。99ドル以上の出資でプロダクトを一台リワードとして手に入れることができ、1万ドルの機関向け10台パックなども同時に選択することも可能だ。
AIを活用した医療系デバイスはこういったクラウドファンディングサイトでは少しづつ増加しており、その注目度も高いだけに多くのプロジェクトが立ち上げられては資金調達に成功しているケースが散見される。医療関係はルールが厳しいだけに閉鎖的になりがちだが、海外では続々と民間レベルでの研究開発が進められていることが、こういったサイトからも読み取ることができる。