ドライバー同士のコミュニケーションをより円滑に。「CarWink」

時代とともにルールや法制度は整えられていったものの、特にドライバーのコミュニケーション方法は身体の自由が制限されている以上、今も昔も大きな変化は無いと言える。

たとえ自動運転が発達したとしてもこの行動の制限に関しては解決することはないと思われているが、「CarWink」はそんな道路上のコミュニケーションをより円滑にしてくれる可能性を秘めたプロダクトだ。


シンプルなコミュニケーションをドライバーに提供

形状や機能にフォーカスを置いて開発されたCarWinkは、私たちが普段の生活でも用いるようなシンプルでピュアなコミュニケーションをドライバー間で行うことを可能にする。これまでのドライバーのコミュニケーションといえばクラクションやウィンカー、アイコンタクトなど抽象的で非常に原始的な手段によってでしか行うことができず、時として意思の疎通が取りにくいこともしばしば存在した。

曖昧なコミュニケーションはドライバーを危ない目に合わせてしまう可能性もある一方、CarWinkはハンズフリーの音声認識操作で使用し、ドライバーは絵文字を入力して他のドライバーと意思疎通を取ることを可能にしてくれるのだ。

前方で事故が起こっていることを後続車に伝えたい、車線変更したいことを隣のレーンの車に伝えたい。このようなやや複雑なコミュニケーションをシンプルに行える可能性を秘めているのがCarWinkなのである。

ドライバー同士のコミュニケーションをより円滑に。「CarWink」


CarWinkのユニークな絵文字機能は同じ道路を走る他のドライバーと楽しくキュートなイメージを通して多岐にわたるプリセットフレーズからドライバーが選ぶことを可能にする。目線は進行方向を向けたままに、後続車へコミュニケーションを図ることができるようになるのだ。

運転手のコミュニケーション手段は抽象的であると同時に手を使う必要があるため、ケアレスミスを誘発してしまいやすい。ハンドルから手を離し、他のドライバーに気を取られてしまうと注意力が散漫になり、うっかり事故を起こしてしまうというリスクが最も高いシチュエーションが訪れかねないのである。

CarWinkによる円滑なコミュニケーションは、交通安全に大きく貢献してくれるだろう。

使い方や性能もシンプル

CarWinkのボイスコントロール機能もいたってシンプルだ。手持ちのスマートフォンにCarwink用アプリケーションをダウンロードし、CarWink本体と同期させるだけで使用準備が整う。ドライビングを妨げることなく、シームレスにコミュニケーションとドライビングを行うことができる。

ドライバー同士のコミュニケーションをより円滑に。「CarWink」


もちろんボイスコントロールだけでなく、実際にスマートフォンを用いて絵文字のタッチによる意思疎通も可能だ。状況に応じて使い分けることが期待される。

デジタルデバイスの問題点や懸念事項としてよく取り上げあげられるのはバッテリーの問題だ。CarWinkはUSB接続での充電も可能ではあるが、特徴的なのはソーラーパワーによる充電が行える点である。内蔵のソーラーパネルが自動的に太陽光を吸収し、使用可能時間を延ばしてくれるのである。

また、車用のガジェットはポータブル性を求められることも少なくない。近年ではマイカーよりもカーシェアリングやレンタカーがトレンドとなっており、自分で車を持つケースが減少しているため車用品にもまた人間のような機動性が求められているとも言える。
CarWinkはこういった時代のニーズも考慮されたプロダクトで、使用していないときは球体のような形で保管し、持ち運ぶことができるデザインになっている。そのサイズは片手で鷲掴みにできる程度の大きさのため、たとえ自分の車でなくともいつでもどこでも持ち歩くことができるポータブル性を備えている。

ドライバー同士のコミュニケーションをより円滑に。「CarWink」


CarWinkの公式アクセサリーも多様な種類のものがリリース予定となっている。シンプルなデザインを採用するCarWinkだからこそ、アクセサリーの付加価値も大きなものとなるだろう。

アクセサリーに関しては集めることのできた出資金に応じて開発が予定されている。

ドライバー同士のコミュニケーションをより円滑に。「CarWink」
ドライバー同士のコミュニケーションをより円滑に。「CarWink」
ドライバー同士のコミュニケーションをより円滑に。「CarWink」


取り付けアクセサリーだけでなく、本体のカラーリングにも数種類存在する。スマートフォンと同様、ビジュアルの個性を強調したい場合には嬉しい要素と言えるだろう。

ドライバー同士のコミュニケーションをより円滑に。「CarWink」


CarWinkは現在Kickstarterで出資者を募集しており、ファンディングゴールを8万ドルに設定してプロジェクトが進行している。

出資は1ドルから可能だが、87ドルの出資でCarWink本体を一台リワードとして入手することが可能だ。

出資者の募集は2017年の12月まで行っており、発送は2018年の6月を予定している。

自動車の自動運転化、無人化が進められている自動車産業であるが、有人で自動車を扱う際にはやはり人間の間でのコミュニケーションは欠かせないものだ。それをサポートしてくれるテクノロジーの存在はいつの時代でも必要とされるのかもしれない。